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「MINI 六本木」が世界唯一の白いショールームとしてリニューアル CIの黒が使われなかった理由とは?

2021年8月28日 リニューアルオープン

8月28日にリニューアルオープンしたMINI 六本木。この写真だけで通常店舗との違いがすべて分かった人はかなりのMINIマニアです

世界でも前例のないコンセプトでリニューアルしたMINI 六本木

 ビー・エム・ダブリューは8月28日、東京都港区六本木に構えるショールーム「MINI 六本木」を、世界のMINIショールームでも前例のない特別なコンセプトを掲げてリニューアルオープンした。

「前例のない特別なコンセプト」とはいったいどんな内容なのか? 早速MINI 六本木を訪れてみた。

 MINIのショールームやディーラーは、CI(コーポレートアイデンティティ)に基づき「黒」が基準カラーとなっている。店内に入ったことがなくても、クルマでの移動中に黒い建物のMINIディーラーを見たことがある人も多いと思う。もちろんMINI 六本木もリニューアル前は黒を基調とした姿で運営していた。

リニューアル前は天井や壁の大半をCIの黒としていたため、店内は暗いイメージが否めなかった。また、大型モニターは高い場所に設置され、店内に入って初めて目に入る配置であった
店の外から見える場所にはカラーサンプルなどが展示され、動きがないため目を引く要素としてはインパクトが薄かった
グッズ類は店の一番奥にあり、なかなか存在を認識されていなかった。家具や棚などもCIの黒となっていた

 黒い店舗は「大人っぽい」「オシャレ」「カッコいい」といった雰囲気があるが、どこか敷居を高く感じさせたり、暗い感じがしたことも否めない。特にこの店舗は立地的に陽ざしが入り難い場所であることもあり、『中からも外からも明るい印象を持たせたい』という想いや、『都内でアクセスもよく、幅広い年齢層の人が訪れる六本木という立地で、今までにない店舗を作って新規ユーザーを掘り起こしたい』といったチャレンジ戦略もあり、今回MINIのCIガイドラインを適用しないデザインとコンセプトが採用されたという。

リニューアル前は黒い天井だったが、真っ白な明るい白い天井に生まれ変わっている

 そしてそのコンセプトにより、店内の壁は白がベースとなり、商談ルームにはナチュラル系のカラーが使われている。また、ナチュラルという点と「日本という国柄を表現するために木材を取り入れてほしい」との本国からのオファーもあり、木材の壁面も作成された。さらに木材は、室内だけでなく外のバードロゴのまわりにも使用。看板のまわりに木材を使用しているのは現在は六本木のみ。こうして世界でも前例のない明るいショールームが完成。店内が明るくなったことで、外から見た雰囲気もガラリと変わったという。

ウッド材で作った壁面には「MINI」の文字を埋め込んでいる
ナチュラル系カラーのタイルを使ったレセプションカウンター
看板まわりにもふんだんにウッドルーバーが使われている

 また、色調だけでなく大きく異なるのが入り口の上に配置された「バードロゴ」。基本的には「MINI ●●●」と地名などがセットになって店舗名となり、それが看板としても機能している。こういった看板もCIに基づいた設定で、ここもリニューアル前は「MINI ROPPONGI」となっていた。しかし、六本木店は目の前に大きく太い橋脚が2本立っていて、こればかりは動かすことは不可能なので、逆にこの透き間を活かすデザインとして「バードロゴ」のみを配置。もちろん、英語を母国語としない日本人という観点からも「MINI」という英字が並ぶよりも、すでに見慣れて認知度のあるバードロゴのほうが、英字を読まずに素早く認識できるという点も考慮したという。これにより正面はもちろん、別の角度からでも「ここがMINIの店である」ということがより伝わりやすくなったという。

 この外観にバードロゴだけの設置については、社内でも賛否あったそうだが、新たなチャンレジとして担当者の強い想いが色濃く表現されている部分だという。

入り口正面に設置されているバードロゴ。ウッドルーバーを台座とし、リニューアル前よりも大きいサイズのロゴになった
リニューアル前の看板はバードロゴと「MINI ROPPONGI」の文字の組み合わせだったが、2本の柱で全体がひと目では見えず、左右が見切れてしまう状態だった。別のアングルから見てもひと目ですべてを見るのが難しかった。さらに店内の壁など黒が多いため、全体的に薄暗い雰囲気になってしまっていた

 このCIガイドラインが適合されていないのは店舗内外の色とバードロゴだけではなかった。通常MINIのCIには3種類の内装パターンが設定されているのだが、なんと店内で使っているテーブルやイスまでもMINI 六本木では独自のものをチョイスしているという。とにかく徹底したこだわりを持ってリニューアルされた本気度が伝わってくる。

置いてある家具もすべて独自のものとなる。商談スペースが設置されている場所はリニューアル前はグッズやアイテムが飾られていた場所だった

実は試乗から購入までできるMINI六本木

店舗の奥にあったグッズやアイテムは明るい窓際に移され、外からでも中からでも目に止まる場所に配置された

 MINI 六本木は、巨大高層ビル・六本木ヒルズからけやき坂通りを挟んだ目の前という好立地にあり、通常は店前に1台、店内に2台のMINIが展示されていて、車両のほかにMINIグッズや商談スペースが並んでいる。六本木の中心地であることを考えれば十分といえるスペースなのだが、実は試乗車を12台も保有していて、試乗をお願いすれば地下にある立体駐車場から、直ぐに試乗可能となっている。ちょうど取材していたときも、20代後半の青年が「ジョン・クーパー・ワークス」を試乗しにきていたほか、商談が決まって希望制ナンバーの数字を決めているご夫婦もいた。

 広大なスペースを持つディーラーと違い駐車場自体が見えないため、パッと見では試乗車があるとは気が付きにくいが、電車でのアクセスもいいので、六本木に足を運んだ際は、試乗しに訪れてみてはいかがだろう。

ほぼ原寸大のサイズ感で車両を確認できる大型モニター

 また、MINI 六本木ではリニューアルに合わせて、車道や歩道からも目に飛び込んでくるほどの大型モニターを壁面に設置。動きのある動画を流すことで、外を歩いている人の目を引く効果があるという。リニューアル前は店内の上の方に設置していたため、どうしても店内に入ってからしか見えなかったので、目線の位置まで下げるという工夫を凝らしたという。

 しかし、この大型モニターはそれが主目的ではなかった。専用のスマホに車体番号を入力すると、大型モニターにその車両のCGを映し出すのだ。車体番号を使うことでグレードやボディカラーが正確に再現される仕組みだが、実はそれは=在庫として存在している車両ということで、ユーザーは大型モニターに映されている車両をそのまま購入できるという仕掛けとなっている。

画面の中の車両はライトのON/OFFはもちろん、ウィンドウ開閉、ドアやリアゲートの開閉なども可能
スマホに表示されているボタンを押すことで大型モニターに映し出す内容を操作できる
インテリアもリアルに再現されている
QRコードを読み取っておけば、自宅に帰ってから、その車両の情報に素早くアクセスできる

 MINI 六本木支店長の石井氏は「リニューアルの際に、収納とレセプションカウンター(受付)についてリクエストを出しました。限られたスペースとはいえ、カタログやオフィスは必要。でもそういった面はあまり見えるところには置きたくなかった。リニューアル前はレセプションカウンターで仕事もしていましたが、シンプルなカウンターにしました。今は以前よりも全体的に使い勝手がよくなりました。また、常連のお客さまにも『店内が明るくなっていい』と、とても喜ばれています」とリニューアルオープンの感想を話してくれた。

ビー・エム・ダブリュー東京株式会社 MINI 六本木 支店長 石井和宏氏

「クーパーの日(9月8日)」にちなんだキャンペーンを実施

 今回リニューアルオープンしたMINI 六本木とMINI TOKYO BAYは9月11日~12日の2日間、「クーパーの日(9月8日)」にちなんでMINIファンを応援するイベント「COOPER DAY 2021」を開催する。期間中に店舗を訪れると「オリジナル・マグネット」がもらえるという。ただし、1組1点までで数に限りあり。なくなり次第終了となるのでご注意いただきたい。

「オリジナル・マグネット」イメージ