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東陽テクニカ、LiDARで計測した路面データをブラウザ上で解析できるクラウドサービス提供開始
2021年9月28日 14:18
- 2021年9月27日 発表
感知技術の精度の高さと利便性のよさを両立したシステム
東陽テクニカは9月27日、ゼノマティクス(XenomatiX N.V.)製の路面性状解析クラウドサービス「ロードビューワー(RoadViewer)」の提供を開始した。
ゼノマティクスはベルギーに本社を置き、ADAS(先進運転支援システム)/自動運転システム向けLiDARの開発・製造を行なうメーカー。ロードビューワーは、路面形状計測システム「ゼノトラック(XenoTrack)」で測定した路面データを、専用のソフトウェアを使わずにWebブラウザ上で閲覧・解析することができるクラウドサービス。ゼノマティクスの解析アルゴリズムだけではなく、顧客独自のアルゴリズムを実装することも可能で、路面性状の感知技術における精度の高さと利便性のよさを両立し、ADAS/自動運転システムの実現に貢献する。
サービス提供に至る背景
現在ADASや自動運転システムを搭載した車両の走行試験では、道路上の異常を検知して回避・停止するための路面性状の感知技術は不可欠となっている。また、一般道路や高速道路、自動車関連会社が所有するテストコースなどでは、道路舗装の維持管理において、路面状態の把握と修繕候補箇所の抽出のため路面性状調査が行なわれている。その調査方法の1つとして、水準儀と標尺を用いて標高を求める水準測量があるが、精度はよい反面その手法の利便性に課題があるといい、調査員の体感や目視により推測する方法は簡便な反面、個々の体感と目視力に頼らざるを得ず、精度に加えて専用の測定車など機材設備にかかるコストも大きな課題となっているという。
路面形状計測システムのゼノトラックは、2018年に東陽テクニカが販売開始したLiDARを用いて路面形状を計測するシステムで、3000本のレーザーを同時に高速で照射しながら三角測量するという特許技術により路面の凹凸を線ではなく面としてとらえ、高さ方向2mm以下という高精度計測を実現。車両のルーフにセンサーを搭載し計測用PCを1台備えるだけで路面の凹凸をリアルタイムに計測でき、後解析により大型路面性状測定車と同等精度の結果を得ることができるとしている。
今回新たに提供を開始するロードビューワーでは、専用のソフトウェアを使わずに、ブラウザの画面上で地図や実映像と同期した路面の凹凸マップやプロファイル、路面性状の評価項目(IRI=国際ラフネス指数、轍掘れ、平坦性など)を確認可能。ゼノトラックとの併用で、計測からリアルタイムでの再生、解析まで可能なトータルソリューションとして活用できるという。