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カワサキ、大型バイクでは水素燃焼エンジン開発へ ハイブリッドバイクも初公開
2021年10月7日 06:45
- 2021年10月6日 発表
川崎重工業は10月6日、事業分割により新たに設立したカワサキモータース株式会社の事業方針説明会を開催。新会社ではカーボンニュートラルの実現に向けて電動化を推進するとし、モーターサイクルではBEV(バッテリEV)とHEV(ハイブリッドEV)により、2035年までに先進国向け主要機種の電動化の完了を目指す。また、大型モーターサイクルにおいては効率に優れる水素燃焼エンジンの研究を進めていることを明らかにした。
説明会に登壇したカワサキモータース社長執行役員最高経営責任者 伊藤浩氏は、新会社で注力する分野について「カーボンニュートラルの実現」をその1つに挙げ、伊藤氏は「当社はKHIグループ並びにパートナー企業さまの複合技術を活用し、カーボンニュートラルの実現を目指します。その際に、バッテリEVのみならず、高効率エンジンとモーターの複合技術に、水素から作るeフューエルやバイオ燃料を組み合わせることで、カーボンニュートラルを図ってまいります」との考えを示した。
プレゼンテーションの中では、BEVとHEVについては2025年までに10機種以上のモデルを導入予定であることを明らかにし、開発中のハイブリッドモーターサイクルの映像が公開された。
公開されたハイブリッドバイクについて、伊藤氏は「エンジンのみ、モーターのみ、エンジンとモーターという3つのモードを持つことが当社のハイブリッドシステムの特徴です。高速道路ではエンジンのみで走行します。エンジンが規制される市街地ではモーターのみで走行し、ワインディングロードでは、エンジンとモーターを組み合わせたパワフルなハイブリッドモードを楽しめます」と紹介。
そして、伊藤氏は「電動化に加え、水素エンジンの研究も進めてまいります。当社が得意とする大型モーターサイクルをバッテリEVで実現するには重量がかさむことが大きな課題となります。水素エンジンでは重量面でガソリンエンジンと大きく変わることもなく、大型モーターサイクルのカーボンニュートラルの実現には非常に有効な手段だと考えております。当初のフラグシップモデルであるH2のエンジンを活用した研究を川崎重工技術開発本部 水素戦略本部とともに継続していきます」との考えを示した。