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豊田章男社長、トヨタとスバル共同開発の新型バッテリEVについて「スバルらしさ、トヨタらしさを感じられるものになっている」
2021年11月13日 06:09
岡山に展示されたトヨタ「bZ4X」とスバル「ソルテラ」
岡山国際サーキットで11月13日~14日の2日間にわたってスーパー耐久シリーズ最終戦が有観客で開催される。その前日となる12日には一般観客も訪れることが可能なイベント広場で各種展示の準備が始まった。ここには、トヨタ自動車とスバルが共同開発した新型BEV(Battery Electric Vehicle、バッテリEV)が運び込まれ世界初の共同展示。トヨタの「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」、スバルの「ソルテラ」を実際に見られる貴重な機会となっている。
スバル側の担当者の話では、この共同展示が決まったのは数日前で、事前にアナウンスできていなかったのは、天候問題などで本当に実現するかどうか分からなかったためとのこと。実際、記者にとっても練習走行を取材に訪れたら世界トップレベルの注目車が2台も展示されている驚きの事態となっていた。
この2台を撮影しているときにふらっと現われたのは、水素カローラでの走行を終えたモリゾウ選手。イベント広場の展示(今回、岡山県のトヨタディーラーの協力で、トヨタのさまざまな新車が展示されているほか、水素関連の展示も多い)を視察にトヨタ自動車 社長である豊田章男氏として訪れていた。
bZ4Xとソルテラの前に立つ写真をお願いしようと準備していたら、bZ4Xとソルテラの間から登場し、完璧なポジション取りでポーズを決めてくれた。
その後、短いながらこの2車についての感想を聞くと、「86とBRZをやってきた2社だからできるし、『スバルらしさ』『トヨタらしさ』を感じられるものになっている」とのこと。同時に2台並んでいるのを見ると、同じSUV専用のEVプラットフォームとはいえ、明らかにクルマに両社の個性が見て取れる。そして、こうして記事を書いて改めて思ったのは、豊田社長が「スバルらしさ」を「トヨタらしさ」の前に発言していること。
登場時の完璧なポジション取りもそうだが、発言も「スバルらしさ」を先にもってくるなど豊田社長の深みを感じる。こうした気遣いがトヨタとスバルの両社の協業がうまくいく要因になっているように思われる。
トヨタとスバルの協業の形
bZ4Xとソルテラにおいては、4WD技術や車体構造においてスバルの技術が色濃く反映されており、たとえばスバルが持つ4WD走行の知見をトヨタの電動化技術がツインモーターEVとして実現するという協業形態が見られている。
その協業についても豊田社長に聞いたところ、「ん、なにかね? それはトヨタが協業がうまくないってことかね?」と言われ、「いえいえ、そういうことを聞いているのではありません」と答える羽目に。謎の回答を残し、豊田社長は2台を見つつ上機嫌で立ち去っていった。そのような回答をできること自体に協業がうまくいっていることが感じられ、協業の成果は新規のSUV用EVプラットフォームを立ち上げ、クルマとして商品化したbZ4Xとソルテラに現われている。実際の走行性能などは未知数だが、2022年半ばには市販化され、トヨタとスバルの新しい協業の形が市場に登場する予定だ。
スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第6戦 チケットについて
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