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トヨタ、バッテリEV新型車「bZ4X プロトタイプ」を日本初公開 広い室内を実感

2021年11月9日 公開

日本初公開された新型バッテリEV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」のプロトタイプ

日本で初公開したバッテリEV「bZ4X」

 トヨタ自動車は11月9日、スバルと共同開発したBEV(Battery Electric Vehicle、バッテリEV)である「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」のプロトタイプを日本で初公開した。bZ4XはBEV専用のプラットフォーム「e-TNGA」をトヨタとスバルで共同開発。トヨタの電動化技術やスバルの4WD制御技術、最新のeアクスル技術などが盛り込んでいるという。ラインアップは、スバルのAWD技術「X-MODE」を採用するツインモーター4WDと、フロントのみにモーターを搭載する2WD(FWD)モデルを用意している。

 ボディサイズは4690×1860×1650mm(全長×全幅×全高[アンテナ含む])で、ミディアムセグメントのSUVである新型「RAV4」よりやや全高が低い数値。そこにランドクルーザーと同様の2850mmという長大なホイールベースを実現している。これは、2690mmのRAV4に比べ160mmも長い。

 これを実現できたのも、BEVのためセンター部分にバッテリを配置する構造を採ったからとしており、この長大なホイールベースにより、広い室内空間を確保している。

フロントまわり
リアまわり
2850mmという長大なホイールベース
ラゲッジルーム

主要諸元 日本仕様

仕様2WD(FWD)モデル4WD(AWD)モデル
車両重量1920kg~2005kg~
車両総重量2195kg~2275kg~
最小回転半径5.7m
一充電走行距離(WLTCモード)500km前後460km前後
全長4690mm
全幅1860mm
全高1650mm(アンテナ含む)
ホイールベース2850mm
室内長1940mm
室内幅1515mm
室内高1160mm(ノーマル/ソーラールーフ)
乗車定員5名
モーター交流同期電動機
最大出力(フロント)150kW80kW
最大出力(リア)80kW
最大出力(全体)150kW160kW
動力用電池リチウムイオン
総電圧355V
総電力71.4kWh
AC充電器最大出力6.6kWh
DC充電最大出力最大150kW
サスペンション フロントストラット式コイルスプリング
サスペンション リアダブルウィッシュボーン式コイルスプリング
加速性能(0-100km/h)8.4秒7.7秒

 今回公開されたのはプロトタイプ車になり、実際の製品とは異なるもの。その点を注意していただきたい。

 実際に見るbZ4Xはカタマリ感のある迫力のあるプロポーションで、SUVらしい迫力と、やや低い車高と相まって伸びやかさも感じる。さらに四隅に配置されたタイヤ配置は踏ん張り感もあり、そこに20インチホイールが加わって力強さを感じる。

 2850mmという長大なホイールベースは、シートtoシートで1000mmという長さを確保しており、フロントドア、リアドアを開いた瞬間から、1クラス上の空間が広がる。

フロントシート
リアシート
広々としたコクピット空間
底面。電池をガードする工夫が行なわれているのが分かる

 室内はシンプルに仕上げられているが、運転席まわりは新しいデザインのメータークラスターやメーターパネルなどで、これまでにない華やかさを感じるもの。未来感たっぷりのステアバイワイヤでコントロールするワンモーショングリップ仕様ではなかったものの、通常タイプでも新しい表現に取り組んでいるのを感じられるものだ。

 ちなみに、中国市場からの導入が発表されているワンモーショングリップ仕様だが、日本市場について通常タイプと同時投入するかどうかについては、現時点では言えないとのこと。記者自身は型式認定の関係で遅れることを暗示していた前回の発表と思っていたが、要望次第では通常タイプのステアリング、ステアバイワイヤでコントロールするワンモーショングリップ仕様のステアリングの同時投入の可能性もありそうだ。

展示車のステアリングは通常タイプだった
新しいデザインが採り入れられたメーターパネル
大型ディスプレイを採用したナビゲーション
シフトはダイヤル式

 バッテリEVは未来を切り開いていくクルマであり、これまでのクルマと違う価値観を持って生まれてきている。そこに新しいユーザーインターフェースとなるワンモーショングリップがあるのはうれしい部分だ。現状ワンモーショングリップはオプション装備として設定される予定で、通常仕様よりも高価になる予定。いずれにしろ正式な価格発表や、バリエーション、仕様確定が楽しみなクルマだ。

各部写真