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ボルボ・トラック、新型「FH」「FMX」日本発売 居住環境の改善などフルモデルチェンジ
2021年11月30日 05:00
- 2021年11月29日 発売
ボルボ・トラックは11月29日、新型「FH」「FMX」の販売を開始した。新型FHではトラクターのラインアップを拡充、新たにカーゴモデルを投入。また、大排気量の13リッターエンジンを採用するほか、「疲れないことが安全運転への近道」であると居住環境の改善などに取り組んだという。
新型FHと新型FMXの日本導入に向けて、ボルボ・トラックセールス バイスプレジデントの関原紀男氏は「日本の物流業界では現在、熟練したドライバーが慢性的に不足しています。新型ボルボFHは生産性・安全性・快適性において、ボルボ・トラックだけが提供できる機能を装備し、プロフェッショナルなドライバーによる輸送品質をこれまでに以上に高めます。新型を投入することで、物流会社が理想のドライバーを獲得・維持することに貢献できれば幸いです」とコメントしている。
新型FHのラインアップについては、セミトラクターの4×2と6×4、カーゴの6×2と6×4。トラクターモデルでは、4×2トラクターにはホイールベース3800mmのシャシーを新たに追加、すべてのモデルに荷物への衝撃を極限まで少なくできるフルエアサスをオプションで追加。また、6×4の第五輪荷重25t車にリアエアサスを追加し、シャシーのバリエーションを拡充した。
カーゴモデルでは、13リッターエンジンを搭載したリジッドの6×2、6×4を新規に発売。6×4にはフルトラクターに流用可能な高馬力仕様も設定。リジッドにはフルエアサスを標準装備とし、一部モデルでリアエアサスが選択可能。
また、建設現場や工場内などに向けた新型「ボルボFMX」には、6×4と8×4をラインアップ。新型ボルボFMXは、軸許容加重38tのリアアクスルを採用し、より多くの積載量とより安全な機能を備えた。
居住環境の改善などに取り組むことでドライバー確保に貢献
日本発売を前にした11月27日に、ボルボ・トラックセールス バイスプレジデントの関原紀男氏と、ボルボ・トラックセールス プロダクトマネージャーの片山一郎氏が登壇する製品説明会が開催され、新型モデルの特徴が紹介された。
新型モデルでは、大排気量の13リッターエンジンを採用するほか、疲れないことが安全運転への近道であると居住環境の改善などに取り組んだことを紹介、人材不足が深刻化する物流業界においてドライバーの確保に貢献することなどが強調された。
その中で、関口氏は「国内の国産メーカーは、ダウンサイジングということでエンジンの排気量が9リッター、8リッター、7リッターと、排気量を下げていますけれでも、私どもボルボ・トラックは13リッターのエンジンを続けてこのまま提供させていただきます、。ダウンサイジングの予定はございません」と、大排気量により低いエンジン回転においても出力を得られ、山坂の多い日本の道路で高い燃費効率を実現するメリットを強調した。
また、大幅刷新されたインテリアについては、片山氏から、インストルメントディスプレイに12インチの高解像度フルデジタルディスプレイを採用するとともに、9インチのサイドディスプレイが装備され、助手席側ミラーに設置された「パッセンジャーコーナーカメラ」と組み合わせることで、安全性を向上させたことが紹介された。
全車標準となるパッセンジャーコーナーカメラについて、片山氏は「左側ウインカーを動作させると、サイドディスプレイに画像が表示され、デジタルカメラは広角で前方から後方まで広い範囲を映し出します。自動車だけでなく自転車や歩行者の巻き込み防止に効果を発揮してくれます」と強調。そのほか、片山氏は「疲れないことが安全運転への近道」であると、FHに「グローブトロッターキャブ」を設定するなど、居住環境の改善に取り組んだことが紹介された。