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アウディ、マティアス・シェーパース新社長が富士スピードウェイで新型「RS 3」をお披露目

アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 マティアス・シェーパース氏と新型RS 3の限定モデル「RS 3 スポーツバック 1st edition」

 アウディ ジャパンは、SUPER GT最終戦が行なわれた富士スピードウェイにおいて、同社が2022年4月下旬に発売を計画している「RS 3 スポーツバック/セダン」の発表およびお披露目を行なった。

 アウディ ジャパン代表取締役社長 マティアス・シェーパース氏は「RSシリーズなどのAudi Sportモデルにとって、2021年は特別な年だった。今年は過去最高の販売数を実現し、世界有数の市場である中国とほとんど差が無いほど売れていた新型RS 3は特別なモデルで、来年には800台近くが売れることになると予想している」と述べ、ハイエンドスポーツモデルを手掛けるAudi Sportが開発した製品の売れ行きは好調であり、比較的普及価格帯に近いRS 3シリーズは売れ筋の製品になるだろうと強調した。

 新型RS 3はトルクスプリッターと呼ばれる左右のドライブシャフトのクラッチ開閉、半開閉をコントロールすることが可能なモードが用意されており、サーキットなどのクローズな環境でドリフトを楽しむことができる。また、「RS 3 スポーツバック 1st edition」は特別限定色となるメタリックカラーの「ケモラグレー」が採用されており、限定50台がオンラインで販売されることも強調された。

アウディ ジャパンの新社長に就任したマティアス・シェーパース氏

アウディ ジャパン株式会社 代表取締役社長 マティアス・シェーパース氏

 マティアス・シェーパース氏は、9月にアウディ ジャパンの代表取締役社長に就任したばかりで、2002年にドイツのアウディAGに入社して以来アウディ ジャパンで要職を歴任してきた。2016年1月には日本での販売会社となるアウディ ジャパン販売の代表取締役社長に就任し、2018年9月からはアウディ フォルクスワーゲン台湾 代表取締役社長として赴任し、2021年9月からアウディ ジャパンに復帰して社長に就任している。

 なお、シェーパース氏は同時にグループ企業であるフォルクスワーゲングループジャパン(VGJ)の代表取締役社長に就任しており、日本のフォルクスワーゲングループ全体を統括する立場でもある。

 ドイツと日本という2つの国にルーツを持つシェーパース氏はドイツ語、日本語の両方を母国語としており、今回のプレゼンテーションも通訳なしに日本語で行なわれた。

RS 3の紹介

 シェーパース氏は「日本のお客さまに支持されているA3シリーズの頂点に立つのがこのRS 3となる。RSシリーズはアウディのレース技術を開発しているAudi Sport GmbHのノウハウが惜しみなく投入されている。実は、2021年はAudi Sportモデルにとって過去最高の販売を実現した年になった。半導体不足で思ったような生産はできなかったが、RSシリーズやRS Q8などが売れて過去最高を実現した。実際日本でのAudi Sportモデルは巨大な市場である中国とほとんど差が無いぐらい売れている」と述べ、2021年はAudi Sportの車両が記録的に売れた年になったと強調した。その上で、新型RS 3を披露した。

アウディ、「RS 3 スポーツバック/セダン」をフルモデルチェンジ 「1st edition」を初のオンライン販売

https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1369635.html

 シェーパース氏は「今回の新型RS 3の導入を記念して50台の限定モデル“RS 3 Sportback 1st edition”を投入する。私も初めて見るが、カタログモデルにはない“ケモラグレー”の特別色を採用したモデルになる。そしてアウディ ジャパンとしては初めての試みとなるオンラインで販売し、申し込みいただいたお客さまに抽選で決める形でご提供させていただく。この新型RS 3は日本では800台以上は売れると予想している」と述べ、新型RS 3がこれまでのAudi Sportsのスポーツカーと同じように好調な売れ行きを見せることに自信を示した。

ケモラブルーという特別色のボディカラー
リアまわり
レーシーなコクピットデザイン

新機能のトルクスプリッターを利用してサーキットでの性能向上や、ドリフトコースでのドリフトを楽しむことが可能

アウディ テクニカル・プロジェクト・マネージャ マービン・シュワッター氏

 次いで、ドイツ本国の担当者によるビデオプレゼンテーションが行なわれた。アウディ テクニカル・プロジェクト・マネージャ マービン・シュワッター氏は新型RS 3の特徴を紹介。

 シュワッター氏は「新型RS 3の特徴はいくつかあるが、例えばエンジンは前モデルと同じく5気筒で、400馬力でトルク500Nmを実現しており、従来モデルよりも多くの回転数でそうした性能を実現しており、0-100km/hの加速はわずか3.8秒だ。新型の最大の特徴はトルクスプリッターだ。従来モデルではリアアクセルに搭載したディファレンシャルのクラッチを開閉し、トルクベクタリングにより左右のホイールを制御していた。新型では左右のドライブシャフトに配置したクラッチを開閉、または半開閉することでカーブの内側、外側によってトルクを無段階で配分することが可能になり、より安定した俊敏な走りを実現した」と述べ、新型の最大の特徴は「トルクスプリッター」であると強調した。

トルクコントロールのイメージ

 また、セラミックブレーキやエキゾーストのフラップを開閉させる機能などが用意されていることなどにも触れ、サーキットのようなクローズコースでスポーツ走行を行なうときに最大限性能を発揮するような設定が可能になると説明した。

Audi Sport セールス&マーケティング責任者 ロルフ・ミヒェル氏

 Audi Sport セールス&マーケティング責任者 ロルフ・ミヒェル氏は「新型RS 3にはパワフルで定評のある5気筒エンジンやトルクスプリッターなどが搭載されている。トルクスプリッターによりアウディドライブセレクトに2つの新しい設定が追加された。1つはRSパフォーマンスモードで、もう1つがRSトルクリアモードだ。前者はサーキットなどクローズな環境を速く走るために、後者は同じくクローズな環境でドリフトを楽しむために用意されている。日本はRS 3にとってトップ10に入る重要な市場だ」と述べ、トルクスプリッターを活用することでサーキットを高速に走ったり、ドリフトコースでドリフトを楽しむなどのスポーツドライビングが可能になると強調した。

RS 3に搭載されたトルクスプリッター

参戦10年目の節目を迎えた一ツ山レーシングの21号車、第7戦に優勝、最終戦でも表彰台獲得を目指す

アウディ ジャパン株式会社 広報部 部長 有澤久美子氏

 その後、アウディ ジャパンに広報部長として新たに着任したアウディ ジャパン 広報部 部長 有澤久美子氏による挨拶が行なわれ、新型RS 3のニュルブルクリンクの北コースのラップタイムが7分40秒748であることなどが触れられ、RS 3のスポーツ性を強調した。

新型RS 3のニュルブルクリンク北コースのラップタイム

 日本におけるAudi Sportブランドの責任者であるアウディスポーツ プロジェクトリーダー 中原英貴氏は、SUPER GTでのアウディの取り組みについて紹介した。

アウディ ジャパン株式会社 アウディスポーツ プロジェクトリーダー 中原英貴氏
左が6号車 Team LeMans Audi R8 LMS(本山哲/片山義章組、YH)のドライバーとチーム代表、右が21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗組、YH)のドライバーとチーム代表

 SUPER GTでのAudi Sportの活動は、ユーザーチームとなる2チームをサポートするという形での活動になっており、今年は6号車 Team LeMans Audi R8 LMS(本山哲/片山義章組、YH)、21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/篠原拓朗組、YH)の2台がアウディのFIA GT3規定の車両になる「Audi R8 LMS」で参戦している。

 特に21号車 Hitotsuyama Audi R8 LMSはツインリンクもてぎで行なわれた第7戦で見事に優勝を飾っている。その運営チームである一ツ山レーシングは、1990年代からプライベートレーシングチームの雄として知られており、2012年にGT300に復帰して以来Audi R8 LMS一筋に参戦を続けて、2016年のツインリンクもてぎの第7戦で優勝、そして2020年の鈴鹿での第6戦でも優勝を果たしている。

 2021年の第7戦での優勝はそれに続く勝利となり、今年で10年目の節目を向けるAudi R8 LMSでの参戦を自ら祝福する形となった。

 一ツ山レーシング 代表 一ツ山亮次氏は「実は今年のGT300ではわれわれが勝つまで国産車のみが優勝しており、輸入車が優勝したのは今シーズンとしては初めてだった。昨年もわれわれは1勝を挙げているが、実は2年連続で優勝しているチームとは30チーム中3チームしかない。それほど競争の激しいレースがGT300で、そこでアウディの看板を背負って戦っているチームとしては誇らしい結果だ。今回の予選では11番グリッドを獲得しており、決して悪くないグリッド順で、2連勝は難しいかもしれないが現実的な目標として表彰台を目指していきたい」と述べた(その後行なわれた決勝レースで、21号車は17位、6号車は18位でフィニッシュ)。