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日産キャラバンを使ってプロのアウトドア遊びを学ぶ「AD“VAN”TURE」レポート
2021年12月20日 08:39
- 2021年12月18日~19日 開催
趣味のための移動基地「キャラバン」でアウトドア遊びを体験
日産自動車は12月18日~19日、新しくなった「キャラバン(ガソリン車)」を使用するアウトドアレジャー体験会を開催した。
このイベントは、キャラバン(VAN)とアドベンチャー(ADVENTURE)を融合させ、「プロのクルマで、遊びを極める。AD“VAN”TURE(アドバンチャー)」と銘打ち、キャラバンでの車中泊を中心に、山と湖でのアウトドアレジャーを体験するというもの。
本稿では、このイベントの主役であるキャラバンのアウトドアレジャーでの使い勝手や、インストラクターに伺った車中泊をする際のポイントなどを紹介していこう。
遊びのクルマとしての可能性をイベントで実証する
取材は茨城県高萩市の花貫ふるさと自然公園センター内で行なわれた。この施設の特徴は、山間部という地形を生かした林間キャンプ場やアスレチックコースを有しているところ。なお、今回は貸し切りイベントということで特別に許可を得てキャンプサイト内にクルマを乗り入れているが、こちらはオートキャンプ場ではないので本来はクルマの乗り入れは不可となっている。
ビッグマイナーチェンジが行なわれたキャラバンは、内外装ともに質感とデザイン性を向上させながら、安全性を高める機能の充実を図っただけでなく、トランスミッションを乗用車感覚で乗れる7速ATとするなど、仕事での使用はもちろんのこと、個人ユーザーが趣味を楽しむ際のパートナーとして選んでも満足できる仕様へと進化している。
なお、キャラバンは従来「NV350キャラバン」という名称だったが10月のマイチェンを期にガソリン車の名称を「キャラバン」とした。現状、ディーゼル車はこのマイチェンの対象ではなく、仕様も名称も従来通りのままとなっている。
キャラバンのマイチェンについては日産、「キャラバン」ガソリンモデルをマイチェン 最上級グレード「GRANDプレミアムGX」登場で紹介しているので、今回はアウトドアレジャーに便利な機能を取り上げていく。
キャラバンはラゲッジスペースの広さを有効に活かすことを目的として「ラゲッジユーティリティナット」を標準装備。
このラゲッジユーティリティナットは、オプションのルーフインナーバーやラゲッジレール、また、ベッドキットの取り付けなどに利用できる。またここは「M6」サイズのナットに対応しているので、ユーザーが棚やフックなどをDIYで追加するのも簡単だ。
ロングボディ車ではラゲッジユーティリティナットがルーフサイド部に片側4組8個が左右に付く。ウエスト部ナットは片側4個が左右に付く。そしてラゲッジフック用ナットが片側2個4組の両方で4個8組付いている。
車中泊を快適に過ごすためのポイントを紹介
今回のイベントでは車中泊のアドバイザーとして車中泊歴35年で、車中泊を含むクルマでのレジャーの楽しみ方の提案やそのためのクルマの製作、販売を手掛けるcardrobe!の田島氏が来ていた。そんな田島氏にキャラバンだけでなく、幅広い車種で車中泊を楽しむ際に抑えておきたいポイントを伺ったのでその内容を紹介していこう。
車中泊にはさまざまなスタイルがあるが、田島氏の車中泊は「気ままに出かける旅先で就寝する」ための手段で、オートキャンプのようにクルマの傍らで調理することはあまりなく、「その土地の美味しいお店での食事」も旅の楽しみであることから、食事はお店で済ませることが多いという。
それに車中泊で利用する場所は公共の場所はもちろん、車中泊用の「RVパーク」でも車外での火の使用が禁止されていることが多いので、そういう面からも就寝と食事は切り離しているそうだ。
次にクルマの中での寝る際、重視したいポイントを聞いてみたところ、最初に上がったのが「マット」だ。
テント泊のキャンプでもマットは大事なアイテムだが、普通のキャンプでは荷物の制限からコンパクトに収納できるマットを選ぶが、寝心地の面からいうと家庭用のマットレスには敵わない。また、ビニール系の表皮のマットは夏場に汗をかいた身体では不快である。そこで家庭用のマットレスを使うことを勧めるという。今回のキャラバンに敷いている寝具も大手家具店で購入したもので、田島氏も同様のマットを使っているという。
布団については季節で使い分けるが、冬の車内は冷えるので冬季の車中泊では、布団のように首から上が出る寝具より、頭まですっぽりとカバーできる「マミー型シュラフ」の使用を推奨。このシュラフにはいろいろな種類があるが、田島氏は限界温度がマイナス10℃くらいの高品質な羽毛シュラフを使用するとのこと。
また、「ダウンの寝袋で寝るときは、衣服はアンダーウェアだけで寝ないと汗かいて逆に寒くなる」とのことだったが、それで寒くないのか? 保温用のダウン上着など着たほうがいいのではないか? という疑問が湧いたので聞いてみると、「汗をかくほどに着込んでしまうと、ダウンが汗を吸って湿り保温効果がなくなる。そのため最初は暖かくても、あとから寒くなることがある」という回答。
これは予想していなかったが、登山テント泊では保温効果を失わないためにも雨はもちろんのこと、テント内の結露も起こらないようするなど、とにかくシュラフを濡らさないことを重視すると聞いていたので、汗によるそれも同じことである。
とはいえ、就寝時の寒さの感じ方には個人差があるので、冬季の車中泊に慣れないうちは寒くなったときに使う防寒具を多めに持っていき、寝具の組み合わせを試してみるといいだろう。
ここからは、車中泊以外に用意されていたアクティビティについて写真を中心に紹介していくが、柳田氏によるSUPフィッシングなどの水上アクティビティは、取材した翌日に設定されていたので、今回はSUP関連の画像はないのでご了承いただきたい。
さて、車中泊、自転車、SUP、そしてブッシュクラフトと、これらすべてのアイテムはベッドキット装着のキャラバンに積載されていたものだが、そもそもアウトドアで行なう趣味のアイテムは、大きなモノだったり数が多い傾向だ。
それだけに「アウトドア趣味を始めたいが、道具の置き場がない」ことが悩みどころではあるが、これだけのモノを積み込めるキャラバンのラゲッジスペースは、道具置き場としても使えるので、これはもうクルマという枠を飛び越えて「趣味のための移動基地」と呼べる存在。もはやマイカーとは異なる価値観から、キャラバンが琴線に触れる存在になったのではないだろうか。
そんなことまで実践してみせたこの「プロのクルマで、遊びを極める。ADVANTURE」。これは参加者数を増やしつつ、季節ごと定期的に開催して欲しいと思うイベントだった。