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FCAジャパン、フィアットの商用バン「デュカト」とジープのピックアップトラック「グラディエーター・ルビコン」お披露目

2022年2月10日 開催

日本では初お披露目となるグラディエーター・ルビコン

 FCAジャパンは2月10日、幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催中の「ジャパンキャンピングカーショー2022」(開催期間2月10日~13日)においてプレスブリーフィングを実施した。

 登壇したFCAジャパン 代表取締役社長 兼 CEO ポンタス・ヘグストロム氏は、フィアット プロフェッショナルの商用車「デュカト(DUCATO)」を今年度中に導入することを発表したほか、2021年に発表したジープのピックアップトラック「グラディエーター・ルビコン」についても紹介した。なお、ジープ、プジョー、フィアット、アバルト、シトロエン、アルファ ロメオ、DS オートモビルは「ステランティス(Stellantis)」のブランドで、日本においてもFCAジャパンとGroupe PSA Japanがこの3月1日付でステランティス ジャパンを設立することが発表されている。

FCAジャパン株式会社 代表取締役社長 兼 CEO ポンタス・ヘグストロム氏

デュカト

 ヘグストロム氏は同車について「伸長著しい日本のキャンピングカーセグメントに向けて、フィアットが満を持して放つ新製品です」と紹介。さらに「新たに商用車を市場投入することは日本のインポーターには前例がありません」と述べる一方、日本で数千時間に及ぶテストを重ね商品力を強化することで競合車と徹底的に差別化を図り、「オーナーに唯一無二の体験を提供する」と自信を見せた。

デュカト(Fiat Professional DUCATO)の正規導入を発表

 また、日本は「さまざまな風景と美しい四季を楽しめる」「どこに行っても安全」であることから地上を移動するのが楽しい国であり、「キャンピングカーのあるライフスタイルは多くの世代から支持される」と述べ、市場拡大の余地が大きいことを示唆。その市場において「デュカトはキャンピングカーの素材として国産・輸入の枠を越え断トツで最適解」であると紹介。

 その理由として広大なスペースを使い、用途に合わせて室内をいかようにも無限大の選択肢から選べるほか、エンジンをキャビンの前方に配置することで比類なき安全性と快適性を実現している点を挙げた。また、道が狭いことで有名なイタリアで開発され、40年以上にわたって愛され続けてきたことから、視認性や最小回転半径といった面も考慮されていると、日本においても重要なポイントをアピールした。

 キャンピングカー以外の用途においても、270度まで開くリアゲートや広大なスライディングドアを装備しているため宅配業界で、広い室内やイタリアンデザインにより快適な移動空間を備えているため送迎やスクールバスといったピープルムーバーなど、さまざまな用途への対応が可能。「想像力とクラフトマンシップ旺盛な日本のお客さまがどのような使い道を見つけるのか楽しみでなりません」と述べた。

日本におけるキャンピングカー市場
日本市場には「標準(L2H2)」「ロング(L3H2)」「ロング&ハイルーフ(L3H3)」の3タイプを導入
パワートレーンは2.2リッターディーゼルエンジンと9速ATの組み合わせ
デュカト専用の販売ネットワークを構築

 日本では3つのボディタイプを設定。標準モデルのボディサイズは5413×2050×2524mm(全長×全幅×全高)で、長さと高さを拡大したモデルが用意される。エンジンは2.2リッターのディーゼルエンジンを搭載し、最高出力は180HP、最大トルクは450Nmとなる。9速ATと組み合わせることで「スムーズで快適、静かなドライビングを高い燃費性能とともにお届けします」と紹介した。

 居住性の面ではフロントに最大180度回転可能なキャプテンシートを標準装備するほか、乗用車ライクなダッシュボードに10.1インチのタッチスクリーンディスプレイを備え、CarPlayやAndroid Autoに対応したインフォテイメントシステムも標準装備となる。そのほか、メーカー保証やディーラー網の整備、パーツの国内在庫など、サービス面での充実を図っていくこともあわせて発表。「イタリアにいるフィアット プロフェッショナルのスタッフも日本チームを完璧にバックアップします」と、万全の体制で導入することを約束した。

 日本向けの生産は今年の第2四半期からスタートし、第3四半期にデリバリーを開始。「年末までには日本の路上を走るデュカトを見かけることができると期待している」と述べた。

ベースモデルとなる「L2H2」。ボディサイズは5413×2050×2524mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは3450mm
スクエアで広い荷室スペースを確保
開口部の大きなスライドドアを装備
スライドドアから後方を見たところ。ホイールハウスも荷室への影響が少ないデザインとなっている
乗用車ライクなインパネまわり
10.1インチのタッチスクリーンディスプレイとシフトまわり
シート

グラディエーター・ルビコン

グラディエーター・ルビコンを紹介するヘグストロム氏

 ステランティスのラインアップの中で「デュカトとは両極端な存在」として紹介されたのが「グラディエーター」。ジープのラインアップの中でも異色の存在である同車は荷台を持つピックアップトラックで、日本では最上級グレードとなる「ルビコン」仕様のみが販売される。

 その特徴について、ヘグストロム氏は「5人が座れるキャビンに、取り外し可能なルーフとドアに加えて広大な荷台を後部に備え、牽引能力も万全」と紹介し、「その可能性をフルに使い切れるかあなたのライフスタイルに挑戦するクルマです」とコメント。2021年12月の発表以来、200台以上のオーダーを受けていることを明かした。

 最後に「ステランティスはビジョンを持って最先端技術と機能、電動化を盛り込みユニークで多彩な製品を手の届く価格でラインアップしています。グラディエーターとデュカトの2台は、われわれの日本市場へのコミットメントとパイオニア精神を象徴しているのです」と締めくくった。

ボディサイズは5600×1930×1850mm(全長×全幅×全高)。ルーフとドアは取り外し可能となっている
広大な荷台が特長
撮影車両はオプションの引き出し型収納システムを装着
3.6リッターV型6気筒ガソリンを搭載。無鉛レギュラーガソリン仕様で最高出力209kW(284PS)/6000rpm、最大トルク347Nm(35.4kgm)/4100rpmを発生
ルビコンはオフロード性能を重視したモデルとなり、タイヤはBFグッドリッチのマッドテレーンを装着。サイズは255/75R17
インパネ
シフトまわり
前後デフロックのスイッチなどが並ぶ
リアシート
フロントシート
リアシート下は収納になっている