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FCAジャパンとGroupe PSA Japan、ステランティスとして13の新型車を日本導入することが予告された年頭記者会見
2022年1月18日 14:26
- 2022年1月18日 開催
FCAジャパンとGroupe PSA Japanは1月18日、合同の年頭記者会見をオンラインで開催し、両社の代表取締役社長であるポンタス・ヘグストロム氏がジープ、プジョー、フィアット、アバルト、シトロエン、アルファ ロメオ、DS オートモビルの2021年の振り返りを行なうとともに、各ブランドごとの今後の展開について語った。
FCAとGroupe PSAが合併して新たにStellantis N.V.(ステランティス)を設立したのは記憶に新しいところだが、日本においても2021年にFCAジャパンとGroupe PSA Japanでオフィスを共有化するなど積極的なコミュニケーションを図るなどした結果、3月1日付でステランティス ジャパンを設立することを発表した。マセラティブランドについては統合せず、これまで同様に独立した事業体として日本でのビジネスを推進していくことがアナウンスされた。
また、今回のオンライン記者会見では各ブランドで2022年に導入する新型モデルについてもアナウンスしており、すでに1月に発表済みのシトロエンの新型「C4」を含めて13台のニューモデルを市場導入することが明かされている。
冒頭、ヘグストロム社長は各ブランドの販売台数合計が対前年比で10%増の4万4976台となり、史上最高を記録したことを報告。この結果、輸入市場におけるステランティス 7ブランド合計のマーケットシェアは初めて17%を超えたとし、「この成長を支えたのは、新製品のローンチ、ワクワクする限定車の導入、熱意あふれるディーラーの皆さまによる拠点やサービスの拡充、ブランドと製品の認知向上のための投資の継続です」と振り返った。
ジープの販売で初めて1万4000台を超える
ジープは2013年以来9年連続で販売記録を更新し、初めて1万4000台を超えた。2021年の伸張を支えたのは「ラングラー」と「コンパス」で、ラングラーは発売4年目にして前年より1200台近く多い6931台を販売、昨夏にマイナーチェンジしたコンパスも前年より1000台以上多い2651台を販売し、それぞれ過去最高を更新。これにより世界におけるジープの販売台数順位はアメリカ、ブラジル、イタリア、カナダ、中国、ドイツに続く7番目のマーケットとなった。
ヘグストロム社長は各製品について振り返り、「ラングラーは輸入D-SUVセグメントではボルボ XC60の倍以上を販売し、日本でもっとも指示された輸入SUVとなりました。また、昨年はコンパスも大健闘しました。リフレッシュされたインテリアと最新テクノロジーを搭載したことで販売台数を大きく伸ばしました。コンパスは好調を続け、昨年2月にも500台超を販売し、月販台数記録を塗り替えました。その結果、年間販売台数は2600台を超え、年間でも過去最高を更新しました。レネゲードも3800台以上を販売し、新記録を達成。台数記録の大半はジープによって打ち立てられた1年でした」とコメント。
そして2022年については、初の3列シートモデル「グランドチェロキーL」はじめ、日本初のジープ・ピックアップトラックの「グラディエーター」の導入もアナウンス。グラディエーターは発表後2週間足らずで150台を受注したことを報告するとともに、2022年に新たに10拠点のディーラーをオープンし、最終的には全国100拠点体制を目指すとした。
グラディエーターは、2月10日から幕張メッセで開催される「ジャパンキャンピングカーショー2022」でお披露目するとのこと。
対前年比で12%伸長したプジョー
プジョーは2014年と比較して、販売台数はほぼ倍の1万2000台近くとなり、対前年比で12%伸長。「208/2008」「308/3008」「508/508 SW」で展開するPower of Choiceラインアップの好調な販売に支えられ、7年連続で販売を伸ばした。特に208/2008の販売台数は5000台を超えて過去最高を更新したという。
一方、日本での電動化戦略についてヘグストロム社長は「プジョーではガソリン、ディーゼル、PHEVまたはBEVという選択肢をお客さまに提供するPower of Choiceを推進しています。Power of Choiceによって顧客はライフスタイルや予算、ニーズや環境性能に応じてお好きなパワートレーンを選択できます。3008のPHEV販売比率は15%ですが、2008並びに208のBEV比率は10%です。現在、日本の乗用車の電動化比率は全体で約5%程度であることを考えると、プジョーのPHEV比率はかなり高いと言えます。3008のPHEV 4WDモデルは新しい価値観を持った消費者に支持されており、2008にはBセグのSUVで唯一となるBEVがラインアップされ、販売されている2008の8台に1台がBEVです。これらの実績はプジョーが電動化競争でいかに先陣を切っているかを示しており、われわれはこのリーダーとしてのポジションを維持していきます。日本政府も補助金制度などを通じてEV普及に積極的で、これも追い風になっています」とアピールした。
2022年の動向については、今年中に308のフルラインアップを揃える予定とし、2021年9月に日本で公開した新型「308/308 SW」導入を改めて予告した。
フィアットは年間販売台数が6995台で過去最高
フィアットも年間販売台数が6995台で過去最高となっており、これを牽引したのは2008年の発売開始以来14年目にして4858台を販売して過去最高を更新した500ファミリー。好業績の要因は、カルト並びにドルチェヴィータ導入による製品グレードの刷新、多数の限定車の販売のほか、2021年はショールームの改装が進んで店舗が新CIに刷新され、ブランドの魅力を大幅に高めたことが挙げられた。
一方、2022年には新型BEVの「500e」、そのコンバーチブルである「500eカブリオ」の導入を予告。ヘグストロム社長は、これらのモデルの販売に弾みをつけるためにも販売拠点の拡充は必須と述べるとともに、「新たなフィアットのアイコンとなるEVが導入される日が私も待ち遠しい気持ちでいっぱいです」とコメント。また、ブランドとして年間で10の限定モデルを導入することもアナウンスしている。
また、フィアットとしては欧州でもっとも売れているというFIAT Professionalの商用車「Ducato(デュカート)」を日本導入することを発表。ただしヘグストロム社長は「混戦模様の商用車セグメントに参入するわけではありません。デュカートは成長を続けるRV(リクリエーションビークル)セグメント、国産の競合がほとんど存在しないセグメントに欧州からの絶対王者として参入します。宅配便のラストマイル配達用、中型の送迎用車両やキャンピングカーのベース車両、これらの用途にデュカートはうってつけです」とアピールした。
このデュカートのビジネスについては、グラディエーターとともに「ジャパンキャンピングカーショー2022」で発表するとしている。
「124 スパイダー」の販売終了が影響したアバルト
アバルトの2021年の販売台数は、対前年比18%減となる2491台という結果に終わったが、この主たる要因は「124 スパイダー」の販売終了によるもので、595ファミリーは以前根強い人気を誇るとしており、引き続き限定車の導入を行なっていくことを予告した。
シトロエンは1990年以来で最高の年に
シトロエンにとっても2021年は1990年以来で最高の年となり、販売台数は2年連続で5000台を超えた。1月から7月まで7か月連続で月間販売台数の過去最高を更新したという。その成長の立役者は「ベルランゴ」で、初めて通年で販売した2021年は2715台となり、シトロエンの販売台数の半分以上を占めた。
2022年の動向については、第2四半期にフラグシップモデルの「C5 X」がデビューするとした。
アルファ ロメオの販売台数は対前年比40%超
アルファ ロメオの販売台数は対前年比40%超となり、新装備を採用したヴェローチェ・グレードの「ジュリア」「ステルヴィオ」が販売をけん引。「この新トリムのおかげでステルヴィオの販売はジュリアに肩を並べるまでになり、これらの結果、アルファ ロメオの販売はコロナ禍前の2018年、2019年レベルにまで回復しました」とコメント。
また、2021年に終売を迎えたジュリエッタは10年間で約1万4000台を販売したこと、「4C」「4C スパイダー」の最終限定車が累計で958台と、世界3位の販売台数になったことを報告するとともに、「しかしなんといっても昨年のスマッシュヒットはジュリアGTAとGTAmです。反響はすさまじく、わずか2週間の受注期間中に84台もの予約注文が入りました」と述べた。
そして2022年には初の小型SUV、アルファ ロメオとして初の電動化モデル「トナーレ」の導入を予定しており、ワールドプレミアは春に、日本には第4四半期に導入することをアナウンスしている。
「DS 9」「DS 4」導入を予告したDS オートモビル
DS オートモビルは2018年に「DS 7 CROSSBACK」を国内で発売して以来、国内で順調に販売台数を伸ばしてきたとし、ステランティスが保有するフレンチブランドで最も高い電動化比率を誇り、PHEVモデルのDS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4の販売比率は16%、DS 3 CROSSBACK E-TENSEは21%に達するという。
また、2022年については日本のみならず世界的にも重要な1年になるとし、全長5m、ホイールベース2.9mを有するフラグシップサルーン「DS 9」の日本投入を予告。さらにCセグメントSUVの「DS 4」導入もアナウンスしており、この2モデルの導入によってブランド独立後の第一弾フルラインアップが完成するとした。