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パナソニックの「ジェットファン」、1968年の初号機から生産累計2000台達成

2022年3月14日 発表

パナソニック エコシステムズのトンネル換気システム「ジェットファン」

 パナソニック エコシステムズは3月14日、同社のトンネル換気システム「ジェットファン」について、2022年3月に生産累計が2000台を達成したと発表した。

 同社は、1968年に富山県と石川県の県境に位置する倶利伽羅(くりから)トンネルに「ジェットファン」を初めて納入して以来、半世紀以上にわたって道路トンネルの換気事業に取り組んできた。今回、兵庫県の神戸淡路鳴門自動車道 舞子トンネルに設置されたジェットファンにより2000台を達成した。

1968年に富山県と石川県の県境に位置する倶利伽羅(くりから)トンネルに設置された「ジェットファン」初号機

 ジェットファンは、当初山岳トンネルを中心としたトンネル内の煤煙濃度を下げ、ドライバーの視界を確保するために開発されたもの。平均で風速35m/sという台風並みの換気風を発生させ、排出ガス(煤煙、一酸化炭素など)が含まれたトンネル内へ新鮮な空気の流入を促進させることで、安全で快適な走行環境を提供している。また、火災時に煙の流れを制御して避難経路を確保する排煙制御としても用いられている。

ジェットファンの働きのイメージ
軽量型ジェットファンでは、従来型の幅4.25mから2.5mに短縮し、重さも2.0tから1.5tへと約25%の軽量化を実現させた

 近年では、自動車の排出ガスが浄化されてきている一方で、都市内の高速道路の地下トンネル化が進んでいて、電気集塵機や脱硝装置などと併せて納入することで、トンネル内と周辺地域の環境改善に貢献するトータルソリューションとして展開されている。

電気集塵機
トンネル換気システムの仕組み(阪神高速6号大和川線の場合)イメージ

 同社のジェットファンは、2004年には国外のベトナム向けにジェットファンを含む換気設備を納入。2014年には、軽量型ジェットファンを開発して、吸音材や羽根の形状などを見直すことで、発生騒音の基準値を保ち、規定風量と強度を確保しながら機体を短くすることに成功。2019年3月には、1つの件名としては過去最多の台数となる78台のジェットファンを都市部の地下トンネルである阪神高速6号大和川線に納入している。

2019年3月に阪神高速6号大和川線に納入されたジェットファン

 同社では、日本各地における都市計画道路の整備やトンネル換気システムの老朽化による大規模更新・修繕事業は今後も続くとみており、これからもジェットファンをはじめとした機器開発、設計、製作、エンジニアリングの一貫したトンネル換気ソリューションで、社会インフラの整備に貢献していくとしている。

ジェットファン納入実績