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プジョー、新型「308」「308 SW」 9年ぶりのフルモデルチェンジでPHEVを追加

2022年4月13日 発表

305万3000円~530万6000円

プジョーがCセグメントコンパクトカーの新型「308」「308 SW」を発表した。写真は308 SW(ステーションワゴン)

「パワー・オブ・チョイス」コンセプトに基づき3つのパワートレーンを設定

 プジョー(Stellantisジャパン)は4月13日、Cセグメントコンパクトカーの新型「308」および「308 SW」を発表するとともに受注を開始した。価格はハッチバックの308が、305万3000円~490万6000円、ステーションワゴンの308 SWが325万3000円~530万6000円。

 2013年に登場した先代308は、2014年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、コンパクトサルーンセグメントで大きな成功を獲得したモデル。プジョーの中核を担うモデルで、これまでに累計700万台以上を販売。今回9年ぶりにフルモデルチェンジが実施された。

プラグインハイブリッドも設定

 日本に導入される新型308のグレード構成は、エントリーモデルの「Allure(アリュール)」、上級モデルの「GT(ジーティー)」の2種類。プジョーの最新世代モデルとして、多くの革新的な機能を搭載。また、新エンブレムを含むエクステリアデザイン、ハイクオリティかつ大幅に進化した「Peugeot i-Cockpit」「ADAS(先進運転支援システム)」のアップデートを実施。

 電動化を含め、ユーザーがライフスタイルや利用状況、環境意識など多様な価値観にあわせてパワートレーンを選択できる“パワー・オブ・チョイス”コンセプトに基づき、1.2リッターガソリン、1.5リッタークリーンディーゼル、そして1.6リッターガソリンをベースとし、64km(WLTCモード、ハッチバック)のEV走行レンジを誇るPHEV(プラグインハイブリッド)の3種類を設定。組み合わされるトランスミッションはすべて8速ATを採用する。

直列3気筒1.2リッターガソリンターボ
直列4気筒1.5リッタークリーンディーゼルターボ
直列4気筒1.6リッターガソリンターボ(180ps/250Nm)+電動モーター(110ps/320Nm)、システム総合出力は225ps/360Nm(本国公表値)

 プラットフォームにマルチエナジー対応のEMP2(Efficient Modular Platform 2)を使用し、ボディタイプはハッチバック(HB)とステーションワゴン(SW)の2バリエーションを用意。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがトーションビーム式で、ブレーキは全グレードでフロントがベンチレーテッドディスク、リアがソリッドディスクを採用。タイヤサイズは、Allureが前後225/45R17、GTは前後225/40R18を装着する。

 新型308のボディサイズは、ハッチバックが4420×1850×1475mm(全長×全幅×全高)、。ステーションワゴンが4655×1850×1485mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースはハッチバックが2680mm、ステーションワゴンが2730mm。ステーションワゴンのボディは、ハッチバックよりも全長で+235mm、ホイールベースで+50mm長く、伸びやかなフォルムと後席と積載スペースの拡大に貢献。

ハッチバックのボディサイズは4420×1850×1475mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2680mmで、先代モデルよりも全長+145mm、全幅+45mm、全高+5mm、ホイールベース+60mm拡張されている
SW(ステーションワゴン)のボディサイズは4655×1850×1485mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2730mmで、先代モデルより全長+55mm、全幅+45mm、全高+10mm拡張されている。なお、ホイールベースは同じ

 プラグインハイブリッドモデルは、容量12.4kWhのリチウムイオンバッテリをリアアクスル下に搭載。EV走行可能距離はトップクラスの64km(WLTCモード、ハッチバック)。EV走行(ELECTRICモード)時の最高速度は135km/h。充電時間の目安は200V・3kWチャージャーで約5時間、6kWで約2時間半としている。

 走行モードは、電力で走行するゼロエミッションモードの「ELECTRIC」、モーターとエンジンを総合的にコントロールする効率のよい「HYBRID」、ダイナミックな走行のためにエンジン主体で駆動する「SPORTS」の3つを設定。

プラグインハイブリッドモデルはリアアクスル下にバッテリを搭載

新型308ラインアップ

モデルエンジン変速機内装価格
308 Allure直列3気筒1.2リッターガソリンターボ(130ps/230Nm)8速ATファブリック&テップレザーシート(ダークグレー)3,053,000円
308 Allure BlueHDi直列4気筒1.5リッターディーゼルターボ(130ps/300Nm)3,277,000円
308 GT BlueHDiアルカンタラ&テップレザーシート(ブラック)3,969,000円
308 GT HYBRID直列4気筒1.6リッターガソリンターボ(180ps/250Nm)+電動モーター(110ps/320Nm)4,906,000円
308 SW Allure直列3気筒1.2リッターガソリンターボ(130ps/230Nm)ファブリック&テップレザーシート(ダークグレー)3,253,000円
308 SW Allure BlueHDi直列4気筒1.5リッターディーゼルターボ(130ps/300Nm)3,477,000円
308 SW GT BlueHDiアルカンタラ&テップレザーシート(ブラック)4,369,000円
308 SW GT HYBRID直列4気筒1.6リッターガソリンターボ(180ps/250Nm)+電動モーター(110ps/320Nm)5,306,000円

面とラインを高次元で融合させる表現によりダイナミックなデザインに挑戦

 大型のフロントグリルは、奥行きのある空間を感じさせる独創的なデザインで、レーダー波を阻害しないインジウムを使用した新しいプジョーエンブレムの背後には、ADAS用レーダーを配置。ヘッドライトはプジョー初の超薄型マトリックスLEDテクノロジーを採用し、彫りの深いスリムなデザインを創造。

新しくなったエンブレム

 サイドは伸びやかなシルエットとしつつ、低く滑らかなラインを描くノーズにより、ボンネットを視覚的に長く見える工夫を凝らしている。また、シンプルで滑らかな側面に、大きく張り出したフロント&リアフェンダーが、躍動的で力強いキャラクターを表現。リアまわりは空力性能とパッケージングを両立するために、風洞実験を繰り返して最適化。リアを横切る特徴的なライン、ルーフ上部のロングスポイラーが新型308のスタイルと空力性能を特徴づけている。

ハッチバックタイプ

 ステーションワゴンのボディは、ハッチバックよりも全長で+235mm、ホイールベースで+50mm長く、伸びやかなフォルムと後席と積載スペースの拡大に貢献。ゆったりと傾斜する独特なルーフラインに対して、サイドのウインドウラインを早く傾斜させることで、高い積載力を維持させつつ、ダイナミックな印象を付与し、ハッチバックを上まわる空力性能も獲得。

 2列目シートバックは4:2:4の3分割可倒式で、2ポジションラゲッジフロアなど、ラゲッジルームの使い勝手を大幅に向上。また、GTグレードではパノラミックサンルーフと電動テールゲートを標準装備し利便性が高められているほか、最大積載量は608L(5人乗車時)/(1634L:2人乗車フルフラット時)で、「3008(520L)」や「508SW(530L)」を上まわる容量を確保した。

ステーションワゴンタイプ
ステーションワゴンは伸びやかなフォルムが特徴

 また、プジョー初となる「マトリックスLEDヘッドライト」は、ロービームは4つのLED、ハイビームは20個のマトリックスモジュールによって構成しながらも、約7cmの超薄型を実現。フロントガラス上部のカメラが検出した周囲のデータから、マトリックスLEDを自動的に最適な明るさに調整し、ほかのドライバーを幻惑させることなく、ハイビームをオンの状態を保つだけでなく、夜間の追い越し、対向車などが車両に接近した場合は、ハイビームの一部がオフになる「シャドウトンネル」を形成。さらに、GTグレードは、テールランプにも3DフルLEDテクノロジーを採用し、3本のライオンのかぎ爪をイメージしたプジョーならではのライトシグネチャーを表現している。

マトリックスLEDヘッドライトを初採用
GTグレードはテールランプもフルLEDとなる

プジョー初となるインフォテイメントシステムを搭載

 新型308では、新世代のインフォテイメントシステム「i-Cockpit」も最大のポイントのひとつ。水平基調でシンプルなダッシュボードは「high-vent」というアーキテクチャーに基づき、吹き出し口を乗員の頭上正面に配置することで、最適なエアコンフォートを実現。また、ダッシュボード中央には、デジタルメーターよりやや低めに10インチタッチスクリーンを設置し、ドライバーが手を伸ばせば自然と届く配置としている。

ダッシュボード中央の10インチタッチスクリーン

 また、新世代の「オートマチックセレクター」も採用。未来的なデザインで、指先でのスムーズな操作が可能なだけでなく、センターコンソールまわりをシンプルに。さらに、i-Cockpitの主要構成要素である「コンパクトステアリング」は、ADAS(アクティブクルーズコントロール、レーンポジショニングアシスト、スピードリミッター機能)スイッチをステアリングパッド左側に集約し、より安全に使いやすい仕様へと変更。「デジタルヘッドアップインストルメントパネル」「セントラルタッチスクリーン」もそれぞれ改良が施されている。

ドライバーの目線の高さに配置された10インチのデジタルメーター
新世代の「オートマチックセレクター」
置き充電も完備

 インフォテイメントシステム「I-Connect Advanced」では、高性能で効率的なコネクテッド機能により、実際に自動車が走行したデータを使用するプローブ交通情報を活用した、広域リアルタイムトラフィック情報の取得が可能になる。また、ボイスコントロール機能も備え、音声認識コマンド「OK、プジョー」で起動し、ナビゲーション、エアコン、シートヒーター、オーディオ、電話、天気予報検索などさまざまな機能を声で作動、変更、停止ができる。日本語の認識精度も高く、AIにより柔軟に対応するとしているほか、データ更新なども自動で行なってくる。

GT、Allureともに高密度クッションのダイナミックシートを採用。GTはアルカンタラ&TEPレザー(合成皮革)で、フロントシートヒーター、運転席10ウェイ電動(2ポジションメモリー)&マルチアクティブランバーサポート付となる。Allureはファブリック&TEP素材のシートを採用している
水平基調のダッシュボードで視界も広い

最新世代の先進運転支援システムへグレードアップ

 夜間でも、二輪車や歩行者を検知してくれる機能を改良させた「マルチファンクションカメラ」、前後左右4つのカメラで、クリアな俯瞰映像や「前方」「後方」「右側」「左側」「前方ワイド」「後方ワイド」の7つの個別映像が確認可能な「360°ビジョン/4カメラ」は画質も向上させている。

 また、前後バンパー4か所に内蔵されたレーダーにより、最大約70m後方からの接近車両を検知し、ドアミラーの警告灯を点灯させてくれる「ブラインドスポットモニターシステム・ロングレンジ」、リアバンパー内蔵のレーダーを使用し、後退時に接近してくる車両、自転車、歩行者などを検知し、警告を鳴らす「リアトラフィックアラート」衝撃を受けエアバッグやシートベルトプリテンショナーが作動すると、自動的にブレーキをかけ、二次的な衝突を防止ししてくれる「ポストコリジョンセーフティブレーキ」を採用した。

 そのほかにも、フロント/バックソナー、アクティブセーフティブレーキ(夜間、歩行者検知機能付き)、レーンキープアシスト/レーンポジショニングアシスト(GT)、アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付き)、ドライバーアテンションアラート/トラフィックサインインフォメーションなど安全・安心な機能が搭載されている。

最新のADASシステムを搭載した
NEW PEUGEOT 308 - 常識を、美しく超えていく。(30秒)

 また、4月13日以降、全国のプジョー正規ディーラーやイベント会場などで、先行内覧会を開催。全国統一でのデビューフェアを7月以降に予定しているという。

ハッチバックのカラーバリエーション
ステーションワゴンのカラーバリエーション