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スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿、雨の逆転劇で松下信治選手が自身初優勝

2022年4月23日~24日 開催

初優勝の松下信治選手(50号車 BYOUBUGAURA B-MAX SF19)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦が4月23日~24日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催された。雨の決勝レースは予選9位からスタートした松下信治選手がディフェンディングチャンピオンの野尻智紀選手を残り2周で抜き、トップでチェッカーを受けた。松下信治選手とB-Max Racing Teamはスーパーフォーミュラ初優勝となった。

 ドライコンディションで行なわれた土曜日の予選でポールポジションを獲得したのは野尻智紀選手(1号車 TEAM MUGEN MOTUL SF19)。2位は山下健太選手(3号車 REALIZE Corporation KONDO SF19)、3位はサッシャ・フェネストラズ選手(4号車 REALIZE Corporation KONDO SF19)とKONDO RACINGが好調だった。

ポールポジションを獲得した1号車 野尻智紀選手
予選2位の3号車 山下健太選手
予選3位の4号車 サッシャ・フェネストラズ選手

 決勝が行なわれた日曜日は朝から雨。午前中のフリープラクティス2では阪口晴南選手(39号車 P.MU/CERUMO・INGING SF19)がスプーンカーブ2つ目でコースアウトし赤旗中断。坪井翔選手(38号車 P.MU/CERUMO・INGING SF19)はスプーンカーブ進入でコースオフ、セッション終了直前には関口雄飛選手(19号車 carenex TEAM IMPUL SF19)もスプーンカーブ2つ目でコースアウトしグラベルから抜け出せなくなった。午後の決勝も天候の影響が懸念された。

スプーン2つ目でコースアウトした39号車 阪口晴南選手
スプーンカーブ進入でコースオフした38号車 坪井翔選手

 雨量は多くないが止むこともなく、ウェットコンディションで31周の決勝レースがスタートした。ポールポジションからスタートした野尻智紀選手に2番手スタートの山下健太選手が迫るも、1コーナーを制した野尻智紀選手がトップのポジションをキープした。

スタートは野尻智紀選手と山下健太選手がサイドバイサイド
2コーナー立ち上がり、野尻智紀選手は山下健太選手を抑えトップをキープ

 山下健太選手に続く3位にポジションアップしたのは6番グリッドからスタートした牧野任祐選手(5号車 DOCOMO DANDELION M5S SF19)。4位は7番グリッドからスタートした坪井翔選手、5位は9番グリッドからスタートした松下信治選手(50号車 BYOUBUGAURA B-MAX SF19)。3番グリッドスタートのサッシャ・フェネストラズ選手は6位に後退、4番グリッドスタートの宮田莉朋選手(37号車 Kuo VANTELIN TOM’S SF19)は11位に順位を落とした。

3位にポジションアップした5号車 牧野任祐選手
9番グリッドから5位にジャンプアップした50号車 松下信治選手

 トップをキープした野尻智紀選手は、オープニングラップで2位の山下健太選手に2.364秒、2周目で3.398秒、6周終了時には12秒のセーフティーリードを築いた。2位の山下健太選手は7周目に牧野任祐選手に抜かれ3位に後退、9周目に松下信治選手に3位の座を譲り、その後も後続に抜かれ後退した。

 2位、3位に上がった牧野任祐選手と松下信治選手はトップを走る野尻智紀選手との差をジリジリと縮め、12周目にはトップからそれぞれ8.083秒、11.306秒とする。レース折り返しを過ぎた16周目には6.185秒、7.036秒となり、2位3位の差は1秒を切った。

 21周目(残り10周)でトップの野尻智紀選手と2位の牧野任祐選手の差は4.953秒に縮まり5秒を切った。3位の松下信治選手は牧野任祐選手に0.4秒差で迫り2位争いが白熱。松下信治選手はバトルをしながらも水の多いラインを選んで走り、タイヤマネージメントをしながら牧野任祐選手を追走。27周目のシケイン進入で牧野任祐選手を抜き松下信治選手が2位に浮上した。

 27周目(残り4周)でトップと松下信治選手の差は3.170秒。次の1周で1.436秒に縮め29周目のシケインで野尻智紀選手の背後に迫った。残り2周、メインストレートでアウト側に並びかけ1コーナーでアウトからオーバーテイク、2コーナーもアウト・アウト・アウトのラインを走り抜け野尻智紀選手を突き放した。

2コーナーをアウト・アウト・アウトの大外刈りでトップに立った松下信治選手
野尻智紀選手を引き離しS字を抜ける松下信治選手

 トップに立った松下信治選手は野尻智紀選手に2.756秒の差を付けファイナルラップへ。チャンピオンシップポイントでトップに立つ野尻智紀選手は無理に追走せず2位、牧野任祐選手は3位でチェッカーを受けた。

表彰台。左から野尻智紀選手、松下信治選手、牧野任祐選手

 4位はサッシャ・フェネストラズ選手、5位はKCMGのチーム内バトルを制した小林可夢偉選手(7号車 Kids com KCMG Cayman SF19)。6位は国本雄資選手(18号車 Kids com KCMG Elyse SF19)、第1戦で優勝した平川亮選手(20号車 carenex TEAM IMPUL SF19)が7位となった。

5位になった7号車 小林可夢偉選手
6位は18号車 国本雄資選手
7位は20号車 平川亮選手

 9番グリッドから雨の逆転劇を演じた松下信治選手とB-Max Racing Teamはスーパーフォーミュラ初優勝。野尻智紀選手は第1戦 2位、第2戦 1位、第3戦 3位に第2戦、第3戦のポールポジションのポイントが加わり56ポイントを獲得。ドライバーズポイント2位の平川亮選手との差を16ポイントに広げることができた。次戦第4戦は5月21日~22日に大分県のオートポリスで開催される。

スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 決勝結果

順位カーナンバードライバー車両周回数
150松下信治BYOUBUGAURA B-MAX SF1931
21野尻智紀TEAM MUGEN MOTUL SF1931
35牧野任祐DOCOMO DANDELION M5S SF1931
44サッシャ・フェネストラズREALIZE Corporation KONDO SF1931
57小林可夢偉Kids com KCMG Cayman SF1931
618国本雄資Kids com KCMG Elyse SF1931
720平川亮carenex TEAM IMPUL SF1931
86大津弘樹DOCOMO DANDELION M6Y SF1931
964山本尚貴TCS NAKAJIMA RACING SF1931
1053佐藤蓮Red Bull TEAM GOH G01 SF1931
1119関口雄飛carenex TEAM IMPUL SF1931
1239阪口晴南P.MU/CERUMO・INGING SF1931
1365大湯都史樹TCS NAKAJIMA RACING SF1931
1415笹原右京TEAM MUGEN BINGO SF1931
1536ジュリアーノ・アレジKuo VANTELIN TOM’S SF1931
163山下健太REALIZE Corporation KONDO SF1931
1712福住仁嶺ThreeBond Drago CORSE SF1931
1837宮田莉朋Kuo VANTELIN TOM’S SF1931
1914大嶋和也docomo business ROOKIE SF1931
2038坪井翔P.MU/CERUMO・INGING SF1930
2155三宅淳詞TEAM GOH G01 SF1925