人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMAのブースイメージ。小間番号は展示ホール 154 ジェイテクトは5月18日、パシフィコ横浜で5月25日~27日に開催される「人とくるまのテクノロジー展2022 横浜」の出展概要を発表した。
ジェイテクトは、これまで工作機械やベアリングなど事業部門ごとに異なっていた事業ブランドを「JTEKT」に統一。人とくるまのテクノロジー展では、ブランド統合により事業間の垣根を越え「One JTEKT」として社会に貢献し、電動化対応によるカーボンニュートラルへの貢献や「走る」「曲がる」を支えてきたJTEKTの先進のモビリティ技術を紹介する。
主な出展製品としては、eAxle搭載に向け、小型軽量化、潤滑性を高めるとともに、より一層の高速性を実現した「高速回転対応グリース潤滑玉軸受」や、自動車部品・軸受で培った設計・解析技術と、工作機械で開発した3D歯面修整加工など、モノづくりノウハウを融合したジェイテクトならではの歯車技術を取り入れた「ギヤモジュール」、デフの小型化に向けてギヤかみ合い構造を一新し、ギヤ軸長短縮によるデフ幅短縮が図られた「トルセンLSD Type D」などを予定している。
「高速回転対応グリース潤滑玉軸受」。電動化貢献技術としてモーターを支持する軸受のさらなる高速回転性能を追求。eAxle搭載に向け、小型軽量化、潤滑性を高めるとともに、より一層の高速性を実現し、電費向上に貢献する 「ギヤモジュール」。自動車部品・軸受で培った設計・解析技術と、工作機械で開発した3D歯面修整加工など、モノづくりノウハウを融合したジェイテクトならではの“Only One歯車技術”の提案という製品。eAxle減速機の小型・低コスト化と、さらなる高耐久・低損失・低騒音化に貢献する 「トルセンLSD Type D」。自動車の左右輪間に設置し、トルクを最適配分する差動制限装置となるLSD(リミテッドスリップデフ)の一種で、差動ギヤ構成のみで差動制限効果が得られ、高いトルク配分性能と高耐久性を誇る、ジェイテクトの“No.1&Only One製品”の1つ。Type Dでは従来品となるType Bのギヤかみ合い構造を一新し、ギヤ軸長短縮によるデフ幅短縮を図り、さらにデフの小型化に向けた新ギヤシリーズを開発。これまでの高出力4WD車やスポーツカーへの搭載に加え、電気自動車(BEV)に搭載されるeAxleの一層の小型化と、さまざまな路面状態・走行シーンでの安全・安心に貢献する 「高圧水素バルブ」。水素燃料電池自動車(FCEV)の燃料となる高圧水素が貯蔵されているタンクに装着され、高圧水素を封止および、供給する。水素供給流量を従来比40%向上させるとともに、バルブ全長削減により水素タンク容積が25%拡大し、FCEVの航続距離向上に貢献する。 耐水素環境用軸受「EXSEV-H2」。FCEVの水素循環ポンプなどに使用する高耐久・高耐食軸受。水素雰囲気という特殊な環境では水素脆化による早期破損が課題となっていたが、新たな素材の適応と熱処理により従来比10倍の耐久性と耐食性を実現し、長寿命化を可能とした 「リンクレスステアバイワイヤシステム」。ステアリングホイールの操作を電気信号で転舵装置に伝える次世代のステアリングシステム。操舵フィーリングの向上を実現するとともに、自動運転におけるシステムによる操作とドライバーによる操作をスムーズに融合・移譲する制御技術を実現する。今後は、自動運転時のステアリングホイール格納による車室内のレイアウトやデザイン、居住性の向上などが期待されている。今回の展示会では、機能安全を高める独自のEPS安全コンセプト「JFOPS4」も併せて紹介する 「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」。独自技術により世界初の動作温度範囲-40℃~85℃を実現するリチウムイオンキャパシタで、従来のキャパシタと比較して高い耐熱性能から、冷却装置を使用せずに車両に搭載することを可能にする。今回の展示会では実用例として、リンクレスステアバイワイヤシステムのバックアップ電源システムや、ダカール・ラリー2022に参戦した日野チームスガワラの参戦車両に搭載されたハイブリッドシステムの主電源、ロボデックスが開発している水素燃料電池ドローンの補助電源システムを紹介する