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ヤマハ、スポーツヘリテージモデル新型「XSR900 ABS」 スタイルとエンジンを一新

2022年6月30日 発売

121万円

ヤマハがスポーツヘリテージモデル新型「XSR900 ABS」を6月30日に発売する。※写真はすべて海外仕様

レトロなスタイルと最新テクノロジーを融合

 ヤマハ発動機は、スタイルの一新やエンジン排気量アップに加え、運転支援技術投入などを行ないフルモデルチェンジしたスポーツヘリテージモデル新型「XSR900 ABS」を6月30日に発売する。YSPおよびヤマハのアドバンスディーラーのみで販売する「エクスクルーシブモデル」で、価格は121万円。

 新型XSR900は“The Expert of Equestrian(伝統馬術のエキスパート)”をコンセプトに開発され、歴代のヤマハレーシングマシンに備わる、常に人間中心の思想でデザインされた造形と先進技術によるモダンな走行性能を持ちながら、所有するよろこびやまたがった時の高揚感と、人機一体で乗る楽しさを提供してくれるモデル。

XSR900 ABS、ボディカラーはブルー
XSR900 ABS、ボディカラーはブルー

 外観は単なるレトロデザインではなく、最新スポーツモデルを作り込むテクノロジーを融合させ、デザインを再構築。1980年代のレーシングマシンが有する機能美を参考に、足つきやニーグリップ時のフィット感を考慮したフューエルタンクやサイドカバーなど、走行時も停車時もライダーにとって一体感ある形状に仕上げたという。また、ボルトの選定などディテールにもこだわり、かつてのレーサーを想起させるこだわりが盛り込まれている。

XSR900 ABS、ボディカラーはブラック
XSR900 ABS、ボディカラーはブラック

 845cm 3 から888cm 3 へと排気量がアップしたCP3(クロスプレーン・コンセプトの3気筒)エンジンは、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、クランクケースなど、主要パーツのほとんどが新設計されたことで軽量化も実現。また、新エンジンとのバランスを図るため、新フリクションプレートを織り込んだアシスト&スリッパークラッチ、レシオを最適化した(1~2速をハイギアード化)トランスミッションを採用している。

新しくて軽いCP3エンジン

 フレームは最新の製造技術を駆使した最低肉厚1.7mmの新フレームを採用したことで、軽快な運動性能を支えつつも、デザインの自由度に寄与。また、直進安定性と操縦性を両立させるために、縦・横・ねじり剛性を最適化。とくに横剛性は従来比で約50%アップしていて、直進安定性に大きく貢献したという。

 リアフレームは、水平基調で低く構えたシルエットを実現させるために専用設計。新デザインのロー&スリムなシートとあいまって、1980年代レーシングマシンのような、やや腰を後ろに引いたライディングポジションを実現。また、シルエットとして無駄なモノが付いていない印象となるように、収納時はフレームと一体化して見える可倒式リアフットレストも採用している。さらに、新設計のリアアームは従来比55mm延長、ホイールベースをやや長くすることで直進安定性を高めるとともにシルエットも洗練。

リアフレームは専用設計で水平基調で低く構えたシルエットを実現

 そのほかにも、鋳造ながら鍛造に匹敵する強度と靭性を備えるヤマハ独自の“SPINFORGED WHEEL(スピンフォージド ホイール)”技術による軽量ホイールを採用。従来比で前後あわせて約700gの軽量化が図られ、バネ下重量が低減したことによりリアの慣性モーメントが11%低減して、狙ったラインを気持ちよく走行できるハンドリング性能と、軽快かつ安定感のある走りを両立している。

フロントサスペンショントップキャップ
ブレンボ製マスターシリンダー

 運転操作を支援する各種制御については、2015年モデル以降の「YZF-R1」で実績のある「IMU(Inertial Measurement Unit)」の基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を図ったIMUを搭載。IMUの情報を受け取り車両側にフィードバックする ECU(Engine control unit)にはトラクションコントロールシステム、スライドコントロールシステム、リフトコントロールシステムを内蔵。各システムとも介入レベル調整およびON/OFF設定が可能で、個々の制御が相互に連動してライダーの運転操作を支援して、マシンのポテンシャルを効率よく引き出せるという。また、ブレーキコントロールやシフトダウンにも対応するクイックシフターも搭載している。

新丸型LEDヘッドライト
3.5インチフルカラーTFTメーター

 新開発のLEDヘッドライトは、照射方向左右の広がりや明るさ、さらにバンク時の配光特性にも配慮するとともに、エイミング機構の効率化を図ることで本体の前後長を極力薄くでき、車体デザインと融合させられたとしている。

 また、3.5インチのフルカラーTFTメーターは、回転数に応じて色が変化するデジタルバータコメーター、燃料計、平均燃費、水温計、外気温計、シフトインジケーター(使用ギア表示エリア色反転)、ETCインジケーターの表示機能なども備えたほか、ステーの形状や仕上げなど細部にまでこだわりヤマハレーシングヘリテージを追求したデザインに仕上げている。

「XSR900」諸元表
2022 Yamaha XSR900 - Legend Reborn(1分30秒)
ヤマハ発動機 新型XSR900 デザイン開発思想(4分33秒)