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ル・マン24時間、トヨタ5連覇&自身2連覇に挑む小林可夢偉選手兼チーム代表
2022年6月11日 22:17
5連覇を目指すTOYOTA GAZOO RACINGと、連覇に挑む小林可夢偉選手兼チーム代表
6月11日16時(フランス現地時間、日本時間では23時)、ル・マン24時間の決勝レースが始まる。このル・マン24時間レースの5連覇を目指すのがTOYOTA GAZOO RACING。2018年~2020年は中嶋一貴選手らの8号車が優勝、2021年は小林可夢偉選手らの7号車が優勝し、チームとして4連覇を成し遂げた。
予選、ハイパーポールでも好調なところを見せつけ、TOYOTA GAZOO RACING 8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)のハートレー選手が3分24秒408でポールポジションを獲得。7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペス組)は小林可夢偉選手のタイムアタックで3分24秒828を記録し予選2位。TOYOTA GAZOO RACINGの8号車と7号車がフロントローを占めた。ちなみに、ル・マンのラップレコードは2017年に小林可夢偉選手が記録した3分14秒791で、2022年で90回を迎え、99周年を迎えたル・マンの長い歴史にしっかりと刻まれている。
この予選・ハイパーポール終了後、8号車の平川亮選手、小林可夢偉選手のオンライン会見が行なわれた。ここでは小林選手の会見をお届けする。小林選手は2022年シーズンは、TOYOTA GAZOO RACING WECチームのチーム代表に就任。2022年のル・マン24時間レースには、2021年の優勝者として連覇をかけて臨むとともに、チーム代表として5連覇をかけて臨んでいる。
ル・マンがどのような雰囲気で、どんなお祭り騒ぎなのかというのをテレビ越しに感じていただきたい
小林や可夢偉選手は、「まずは、昨日のハイパーポールでブレンダンがいいタイムを出して、TGRとしてワンツーという成績を残せてまずはチームとしてよかったなと思います。僕自身もわるくないラップだったのですが、まとめきれなかったのと、トラフィックもあったりして残念ながらポールは取れなかったのですが、チームとしてワンツーを取れたことが、まずは何よりだなと思います。レースに向けてですが、まずはレース向けにパーツをいろいろ交換したりしているので、まずはウォームアップでそのパーツでちゃんと走れることが、次の一番重要な課題かなと思います」と、チーム代表としてのよろこびを表現。ハイパーボール後にレースへ向けて交換したパーツの確認が大切だと語る。
このオンライン会見後、可夢偉選手はパレードに参加。本日のウォームアップ走行では7号車がトップタイムを記録しており、まずはうまくパーツ確認などが進んでいるものと思われる。
可夢偉選手は、「24時間、パフォーマンスももちろんなのですけど、パフォーマンス以上にリライアビリティ(Reliability)、信頼性の確認っていうところがすごく重要になってくるので、しっかりそこを集中して、チーム一丸となって、レースまでに準備できるようにしていきたいなと思っています」と続け、ル・マン24時間では信頼性の確保・確認が大切と強調した。
ル・マン24時間レースは何が起こるか分からないレースでもあり、それはTOYOTA GAZOO RACINGチームも、小林可夢偉選手もこれまでの経験のなかでしっかり学び取っている。チームとしてのポールポジション、フロンロー独占も大切だが、何よりも信頼性の確認が可夢偉選手の一番のミッションという印象を受けた。
これまでル・マン24時間ではさまざまな経験を積み、2021年は自身初優勝を成し遂げた可夢偉選手だが、ル・マン24時間ではどのような戦いを多くの人に見てほしいのだろうか? その辺りを可夢偉選手に聞いてみると、真っ先に上げたのがル・マン24時間レースの行なわれるサルト・サーキットに観客が入ることだった。
「今年、久々にお客さんが入りますよね。なので、まずはこのル・マンがどのような雰囲気で、どんなお祭り騒ぎなのかというのをテレビ越しに感じていただきたい。ぜひ、日本からも足を運べるような時代がまた戻ってきてほしいので、これを見て来年(2023年)の100周年には日本からのファンがこのル・マンに応援しにきてほしい」と語り、観客のいるル・マンで戦えることを楽しみにしているし、それを日本のファンに届けたいという。
TOYOTA GAZOO RACINGのYouTubeでは例年コクピットからのオンボード映像をライブ配信しているが、個人的には夜中にたんたんと孤独な作業をしているドライバーの映像に感じるものがある。今回もライブ配信が行なわれるので、そのコクピット映像について聞いてみたところ、「とくに見るとこないです(笑)」「見ても分からないと思うし、これはすごい重要なものだっていうものを写しているわけでもないので。なので、特に見るとこないですけど、夜も暗い中がんばってます走っておりますというのだけ見ていただければなと思います」と返答してもらった。
確かに、あの暗い中を超人的な速度でたんたんと走るのは、可夢偉選手にとっては日常なのかもしれない。ただ、そんな可夢偉選手も「夜も暗い中がんばってます走っておりますというのだけ見ていただければ」と、特別な時間であることを明かしてくれた。TOYOTA GAZOO RACINGのYouTubeでは応援コメントも投稿できるようになっているので、夜に限らず、ドライバーが超人的な作業をこなしているオンボード映像を見て思うところがあったら投稿してみてほしい。
ル・マン24時間レースは、本日16時(フランス現地時間、日本時間では23時)にスタートする。日本ではJSPORTSで22時30分から完全中継されるほか、TOYOTA GAZOO RACINGのYouTubeで7号車、8号車のオンボード映像がライブ中継される。