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トヨタ、福島県と共同で未来のまちづくりに向けた水素の社会実装を開始

2022年7月19日 発表

トヨタ自動車と福島県が水素の社会実装を本格展開

生活に身近なお店での配送を中心とした水素の社会実装を本格展開

 トヨタ自動車と福島県は、「福島発」の水素・技術を活用した新たな未来のまちづくりに向けて、生活インフラであり、災害時の避難拠点でもあるスーパーマーケット・コンビニエンスストアなどでの配送を中心とした水素の社会実装を本格展開すると発表した。

 トヨタと福島県は水素という新たなエネルギーに着目し、日本に多く存在する30万人程度の都市を原単位とした水素のある暮らしの実装モデルをつくり、全国の同様の都市に展開することを目指して、2021年6月以降さまざまなパートナーとともに具体的な取り組みの実施に向けた検討を進めてきた。

 今回、Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT)と連携し、いわき市と郡山市において、荷主/物流事業者、インフラ事業者、自動車メーカーが一体となりFC小型トラックを導入し、運行管理と一体となったエネルギーマネジメントシステムを構築していく。

 具体的には、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどがFC小型トラックを2023年1月より順次導入することに合わせて、各社の運行管理システムと車両の走行情報、水素ステーションの情報をつないだエネルギーマネジメントシステムを構築。これにより、水素ステーションの最適な配置やオペレーション条件を提示し、水素ステーションの渋滞回避や水素ステーションへの移動時間による車両や荷物が止まる時間(ダウンタイム)の最小化を図っていく。

 なお、FC小型トラックは、いわき市と郡山市に約60台を順次導入する予定で、FC大型トラックの導入も予定されている。

 また、2022年6月からは浪江町と双葉町において、FCEV(燃料電池車)の持つ発電能力を活用して冷蔵・冷凍庫などの電気機器を搭載した移動販売車の活用を進めており、今後も地域社会の暮らしに役立つFCEVを検討していくとのこと。

 クリーンで静かな使用環境と電力の活用によって新たな価値を提供することができる車両の導入は、暮らしやすいまちづくりや、高齢化・過疎化への対応はもとより、福島県の魅力の発信などにも貢献できるとしている。

 加えて、工場や店舗におけるカーボンニュートラルの実現に向け、再エネの活用と合わせて、水素を利活用するモデルの構築を推進。

 具体的には、デンソー福島工場を技術実装のショーケースとし、新たに開発する水電解装置により製造したクリーンな水素を工場ガス炉で自家消費する、「水素地産地消」モデルの構築を開始。オフィスでは、定置式FC発電機の設置による低炭素化に加え、災害時の電源としての活用も視野に入れた実装を始めるほか、店舗における設置に向けた検討も進めていくとした。

 こうした取り組みを通じて、さまざまな業界や地域で実装できる水素利活用モデルの構築を進めるとともに、多くの人が仲間に加われるよう、取り組み内容を広く公開したいと考えているとのこと。

 2050年カーボンニュートラルを背景に、次世代に引き継ぐ持続可能な社会の構築に向けた具体的な取り組みが一層必要とされている中で、水素の実装を通じて、福島県、トヨタおよび、各パートナーがその思いを共有するとともに、連携の輪をさらに広げ、世界に先駆けた水素社会の実現、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたチャレンジを着実に進めていくとしている。

参画パートナー(2022年7月19日現在、50音順)

アサヒグループジャパン株式会社
イオン東北株式会社
いすゞ自動車株式会社
岩谷産業株式会社
株式会社エナジア
株式会社小名浜包装資材
郡山観光交通株式会社
佐川急便株式会社
佐藤燃料株式会社
シオヤ産業株式会社
株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
田村建材株式会社
株式会社デンソー
株式会社デンソー福島
株式会社豊田中央研究所
豊田通商株式会社
トヨタモビリティパーツ株式会社
日本エア・リキード合同会社
根本通商株式会社
磐栄運送株式会社
株式会社日立物流
日野自動車株式会社
株式会社ファミリーマート
株式会社ミライト・ワン
大和電設工業株式会社
株式会社ヨークベニマル
株式会社ローソン
浪江町
双葉町
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所 再生可能エネルギー研究センター

関係機関

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)