ニュース

トヨタ紡織、新型「クラウン」クロスオーバーモデル向けに美しい所作で乗り降り可能なシートなど開発

2022年7月21日 発表

今秋発売予定の新型「クラウン」のクロスオーバーモデルにトヨタ紡織が開発しているシートなどが採用された

 トヨタ紡織は7月21日、今秋ごろ発売を予定しているトヨタ自動車の新型「クラウン」のクロスオーバーモデルに、自社で開発したシートや内装品などが採用されたと発表した。

 新型クラウンにふさわしい高級感のある見栄えと乗り心地を追求したシートを目指し、「内装の高級感演出」「クッション性・フィット感の向上」「乗降性の向上」に取り組んだという。

新型クラウン クロスオーバーモデルの室内

 具体的には、シートカバーに光輝剤入りの表皮材で加飾を施し、金属加飾したドアトリムなどと室内の親和性を高めるとともに、窓越しにも目を引くシートとすることで高級感を演出。また、シートカバーを深く引き込む「深吊り構造」を採用し、臀部の圧力集中を低減させることでクッション性を向上。さらに、この深吊り構造によって陰影が強調され、より立体的で仕上がり感の高いデザインを実現したという。

 フロントシートについては、座面のクッションサイドと人体との接触面積が増えるように、形状と材料を見直すことでフィット感を向上させている。

クラウン(クロスオーバー)に採用される高級感と乗り心地を両立したシート
フロントシートA-A断面模式図
クッションサイドのイメージ図

 リアシートはホールド性を確保しつつ、シートのサイド部を車両の外側に向けて緩やかに傾斜する形状にするとともに、乗降時に足を乗せた際の沈み込み量を増やすことで地面に足がつきやすくなり、車両へのよりスムーズで、美しい所作での乗り降りを可能としている。

リアシートの構造

 そのほかにも、ドアトリムの一部に三井化学と共同開発した高耐衝撃プラスチック「タフマーCR-1202」を最適配合し、さらに高倍率発泡をすることで、耐衝撃性を維持しながら、ポリプロピレン基材に比べて約20%の軽量化を実現したという。また、リア席のドアトリムには、ロングプルハンドルを採用。ドアのプルハンドルを好きな位置で握ることができ、より快適なドア開閉を実現した。

ロングプルハンドルを採用

 さらに、パッケージトレイには、基材に植物材料で成長が早く短期間で収穫可能な1年草で、成長時のCO2吸収能力が高いとされる「ケナフ」を使用し、カーボンニュートラル実現に寄与。このほかにも、天井、フロアカーペット、キャビンエアフィルター、オイルフィルター、エアクリーナーなどもトヨタ紡織の製品が採用されている。

パッケージトレイ