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レクサス新型「NX」がトヨタ紡織の開発した「深吊り構造シート」など内装品類を採用

2022年1月26日 発表

トヨタ紡織の開発した部品が採用されているレクサス新型NX

「導電樹脂材」はトヨタ車で初採用

 トヨタ紡織は1月26日、2021年10月に発売されたレクサスの新型「NX」に、同社が開発した「深吊り構造を採用したフロントシート」や「電動格納機能を搭載したリアシート」などの内装品やエンジン関連部品が採用されたことを発表した。

 フロントシートは、シミュレーション技術を活用してシート意匠形状の解析と最適化を行ないレクサスにふさわしい仕立てのよいシートを開発。シートのカバーを深く引き込む「深吊り構造」を採用し、着座時のシートカバーのテンションを深吊り部が吸収することで突っ張り感を軽減し、臀部の圧力集中を低減させることでクッション性を向上させたとしている。また「F-SPORT」のシートは「一体発泡工法」を活用し、レクサス「LC」と同様のシート断面形状と構造を採用。ホールド性能が大幅に向上し、F-SPORTの車両性能にふさわしいシートになっているという。

レクサス新型NXのシート
深吊り構造シートの効果イメージ

 電動格納機能を搭載する6:4分割可倒式リアシートは、「2ポジションバックロック機構」を採用したことで、部品点数を大幅に削減でき、軽量化と燃費向上に貢献したとしている。また、新開発したリアシートの「電動格納・引き起こし機構」は、従来に比べ作動時間を30%以上短縮させて利便性を向上。

 ラゲッジスペースを拡大するときは、3つの操作スイッチ(タッチディスプレイ内ソフトスイッチ、ラゲージルーム内スイッチ、リアシート側面スイッチ)で電動での格納・引き起こしを可能とした。また、肩部レバーにより手動でも格納・引き起こし操作を行なうこともできる。

新開発の電動格納機能が搭載された
リアシートの操作スイッチは3つ設けている(リアシート側面スイッチは、引き起こしのみ電動)

 また、東海化成工業と共同で新たに開発した「導電樹脂材」が、トヨタ車で初めて採用され、右ハンドル仕様のフロントドアトリムに搭載されている。この導電樹脂材をドアトリムのプルハンドルに用いることで、冬場など乾燥した時期にドアを閉める際に発生する静電気の不快感を軽減し、快適性を向上。導電樹脂部をドアトリムのデザインと調和するようプルハンドル内側に配置し、プルハンドルを握りながらシートから降りることで、体に帯電した静電気をショックなく逃すことが可能となっている。

導電樹脂部はドアトリムのデザインと調和するように配置されている

 そのほかにも、エンジンオイルとブローバイガス(エンジンの圧縮燃焼行程でピストンリングの隙間からクランクケースに漏れ出る未燃焼ガス)を分離させる「オイルミストセパレーター」は、新開発の直列4気筒2.4リッターターボエンジン用に新たな形状を開発し、エンジンのシリンダーブロック側面に搭載。エンジンの性能維持に貢献しているという。さらに、天井やエアクリーナー、キャビンエアフィルター、オイルフィルターなども採用されている。

オイルミストセパレーターの搭載場所と構造