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トヨタ紡織、「走行位置に合わせた情報提供やエンターテイメント体験ができる車室内空間」を開発 実証実験車に搭載

2022年2月1日 発表

複数の乗員が同時に双方向型のバーチャルコンテンツを体験できるという車室内空間を開発

複数人で同時に移動を楽しめる車室内作り

 トヨタ紡織は2月1日、愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)にて2月10日~16日にかけて行なわれる、新しい移動体験の実証実験(車室空間体験実証)に参画することを発表した。

 この実証実験は、愛知県による自動運転社会実装事業と併催で行なわれ、トヨタ自動車、NTTドコモ、JTBと共同での実施となる。トヨタ紡織は公園内を周遊しながら、走行位置にあわせた情報提供やエンターテイメント体験ができるコンセプト空間を開発し、FCバスに搭載。ライドアトラクション用バス車両「MOOX(ムークス)on FCバス」として実証実験を行なう。

 また、実証実験では将来のメタバース(バーチャル空間)への活用も想定し、ムークス on FCバスに立体音響やAR技術などを搭載。複数の乗員が双方向型のバーチャルコンテンツを同時に体験できるという。

「MOOX on FCバス」外観イメージ

 トヨタが開発したFC(燃料電池)バスに、移動サービス体験用の車室空間を搭載することで、燃料電池によりゼロエミッションであるだけでなく、発電した電力で、車両走行および体験システムを稼働させている。

「MOOX on FCバス」の主な特徴

透明ディスプレイ、立体音響システムなど五感刺激デバイスを活用したバーチャルツアー体験

 移動中のゲーム・ライブ鑑賞などのエンターテイメント体験を提供。車両の位置情報、乗客の視線、人やモノなどの対象物の形状を立体としてとらえることができる深度センサーから推定したジェスチャー(動作)と連動したAR(拡張現実)映像コンテンツを車両のウィンドウに搭載した透明ディスプレイに表示し、移動しながら双方向のバーチャルコンテンツ体験を提供する。またARコンテンツと連動した立体音響システム、座席に搭載した振動デバイスにより、コンテンツをより楽しめるという。

顔認証システムとパーソナルサウンドゾーンスピーカーを活用した、乗客の属性にあわせたパーソナル視聴システム

 顔認証システムを活用し、乗客の各属性(世代など)を取得。シートのヘッドレストに搭載されたパーソナルサウンドゾーンスピーカーにより、パーソナルな視聴が可能で、乗客の属性にあわせて、動画視聴ができ、多人数でも、個人でも移動中にさまざまなコンテンツを楽しむことが可能。

シートに空気清浄機能のデバイスとイルミネーション

 シートに空気清浄機能デバイスを搭載し、座席ごとに常にクリーンな空間を提供。また、シートにイルミネーションを装飾し、コンテンツと連動して発光することで、効果的な演出を実施。

イルミネーションが装飾されたシート

実証実験・展示概要(参考)

実施日程:2022年2月10日~16日
実施場所:愛・地球博記念公園
使用ルート:西エントランス広場北を起点として、1周約2.2kmを周回
実証試乗者:2月10日 愛知県知事・報道機関