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日立ハイテク、車載リチウムイオン電池用の遠隔劣化診断サービス開発

2022年7月25日 発表

日立ハイテクが車載リチウムイオン電池の劣化状態を遠隔で診断できるサービスを開発した。図はサービスの概要

 日立ハイテクは7月25日、車載リチウムイオン電池の劣化状態を遠隔で把握するサービスを開発したと発表した。

 これまで車載電池の劣化診断には、電池を車両から取り外して検査を行なう必要があったが、日立ハイテクはこれまでに数千台規模で稼働中のEV(電気自動車)のリチウムイオン電池データおよび運行データを取得・解析することにより、電池のパック単位・セル単位でリチウムイオン電池の劣化状態(SOH:State of health)を正確に推定できる技術を開発。

 これにより、クライアントが管理する車載電池の過去から現在に至る時系列のSOHを遠隔から把握が可能となり、多数のEVを一元的かつ効率的にマネジメントできるサービスモデルを構築。遠隔で電池の劣化状況の把握が可能となり、電池寿命を最大限に利用できる環境を提供するとともに、車載時の履歴を管理することでEVからの退役電池を蓄電システムなどに二次利用またはリサイクルする環境の整備につなげるとしている。

 特に、EV商用車においては安定稼働と高稼働率が求められる一方で、走行距離が長いため電池の劣化がより懸念されることから、このサービスが国内外での本格的な普及促進への課題解決に貢献すると考えられているとのこと。

 この取り組みは、伊藤忠商事と共同で実証していて、伊藤忠商事は自動車フリートマネジメントの知見を持つことから、このサービスを国内外の自動車車両メーカー、リース・金融会社に提案を開始。

 また、日立ハイテクは、電動車の普及に向けて、車載リチウムイオン電池の安定的かつ効率的な運用が重要となる中、国内外のクライアントにさまざまなネットワークを通じて提案活動を行なうことで、課題を解決し、資源の利用効率向上による循環型社会の実現に貢献するとしている。