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三菱自動車、新型「エクスパンダー クロス」をインドネシアで発表 前輪にアンダーステアを抑制するAYC初搭載

2022年8月12日 発表

三菱自動車が新型「エクスパンダー クロス」をインドネシアで発表した。写真はインドネシア仕様

 三菱自動車工業は、より力強いデザインに一新して走行性能を向上させた新型クロスオーバーMPV「エクスパンダー クロス」を、8月11日(現地時間)より開催されている第29回インドネシア国際オートショーで発表した。

 エクスパンダー クロスは、クロスオーバーMPVの「エクスパンダー」をベースに、SUVらしい力強さと高い走行性能、快適な乗り心地を実現したシリーズ最上位モデル。2019年にインドネシアで発売後、アセアン、中東、中南米、南アジア、アフリカと販売市場を拡大し、2017年に販売を開始したエクスパンダーと合わせると、累計販売台数は2022年7月末までに47万台以上、2021年度は11万台以上に達しているという。

 新型エクスパンダー クロス(インドネシア仕様)は、フロントのデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を進化させ、台形モチーフの大型グリルとガードバー形状のバンパーを組み合わせることで、SUVらしい力強さを付与。ヘッドライトはワイド感を強調する特徴的なTシェイプデザインを採用し、従来はヘッドライトユニットの下に配置していたターンランプを上部のポジションランプに組み込み、被視認性を向上させている。また、前後合わせて95mm延長したオーバーハングと厚みを増したエンジンフードにより、ダイナミックさと安定感を増したプロポーションを両立した。

新型エクスパンダー クロス(インドネシア仕様)

 さらに、17インチのアルミホイールには、ミディアムグレーの2トーン切削光輝仕上げのラウンドリムタイプを採用。前後スキッドプレートとドアガーニッシュのグレー塗装とコーディネイトし、立体感を持たせることでSUVらしいスポーティさと力強さを表現している。また、ルーフレールはブラックとし、全体の印象を引き締めた。リアはテールゲートをより立体的な形状とし、分割線を減らして質感を向上。リアコンビネーションランプは、水平基調のTシェイプテールランプによってワイドで安定感のあるデザインにするとともに、従来のテールランプとバックランプに加えて、ストップランプもLED式とすることで、夜間の後方からの被視認性を向上させている。

 ボディカラーは、タフさを感じさせながらモダンな上質感を併せ持つグリーンブロンズメタリックを新たに追加。そのほかにも、クォーツホワイトパール、ブレードシルバーメタリック、グラファイトグレーメタリック、ジェットブラックマイカをラインアップ。

 インテリアでは、室内の広がりを強調するとともに走行時の車体姿勢の変化をつかみやすい水平基調の「HORIZONTAL AXIS(ホリゾンタル・アクシス)」コンセプトのインストルメントパネルに、大径の4本スポークステアリングを新たに採用し、高級感を演出。より直感的に使いやすい8インチカラー液晶メーターを搭載し、先進的な室内空間とした。ステアリングホイールのスポーク部に配置されたスイッチを操作すれば、平均燃費や瞬間燃費などの運転情報や、AYCの作動状態などの車両情報をメーターで確認することができ、運転に必要な情報に簡単にアクセスできるようにしている。

新型エクスパンダー クロス(インドネシア仕様)

 走行面では、前左右輪の制動力を調整して旋回性を高めるAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)を今回新たに採用。ハンドル角、ヨーレイト、横G・前後G、ブレーキ圧、車輪速などの情報から、ドライバーの操作や車両挙動を正確に判断し、運転操作に忠実な車両挙動となるよう、ブレーキ制御による前左右輪間のトルクベクタリングを実施。滑りやすい路面での旋回時にはコーナー内側の前輪にブレーキをかけるAYCの制御によってアンダーステアを抑制し、ドライバーが意図した通りの軌道に近づけることが可能となった。また、アンチロックブレーキシステム(ABS)とアクティブスタビリティコントロール(ASC)と協調し、さまざまな天候や路面で安全・安心で快適な運転をサポートするとしている。

 サスペンションは、フロントのストラット取り付け部の剛性を向上、リアはショックアブソーバーのシリンダーサイズを拡大するとともに、前後とも高性能バルブを新たに採用することで、荒れた路面でもフラットで快適な乗り心地を実現した。

 三菱自動車 加藤隆雄社長は、「昨年、大幅改良したエクスパンダーは順次販売地域を拡大しており、今年度の販売台数は昨年度の同期間を上まわるなど好調な販売状況となっています。今回の新型エクスパンダー クロスは、これまで以上にSUVらしい力強さを高めた三菱自動車ならではのクロスオーバーMPVとしており、エクスパンダーと同様にお客さまにご好評いただけることを期待しています。進化させたエクスパンダーシリーズによって、アセアンを中心に当社のプレゼンスをさらに拡大するとともに、インドネシアでの現地生産を通じて同国の経済発展にも貢献してまいります」とコメントしている。

 なお、新型エクスパンダー クロスは、ミツビシ・モータース・クラマ・ユダ・インドネシアで生産し、アセアン地域を中心に順次展開していく予定という。