豊田自動織機、「RX」「クラウン」搭載に向けバイポーラ型ニッケル水素電池を増産へ

バイポーラ型ニッケル水素電池

　豊田自動織機は8月30日、愛知県知多郡東浦町に車載電池生産工場として石浜工場を新設し、2022年10月よりハイブリッド車用バイポーラ型ニッケル水素電池の量産を開始すると発表した。バイポーラ型ニッケル水素電池は、2022年6月に発表されたレクサス「RX」、7月に発表されたトヨタ自動車「クラウン」への搭載が予定されており、石浜工場と既存の共和工場にて、今後の需要拡大に対応していくとしている。

　新工場は月産2万台の生産能力で稼働予定で、2021年5月から電池生産を開始した共和工場（愛知県大府市）とあわせ、月産4万台の能力に増強する。

　豊田自動織機では、トヨタと共同でバイポーラ型ニッケル水素電池を開発し、2021年7月発売のトヨタ「アクア」に、電動車の駆動用車載電池として世界初採用された。この電池は、集電体と呼ばれる金属部品の片面に正極、もう一方の面に負極を塗った「バイポーラ電極（Bipolar：双極）」を複数枚積層させてパックにしたもの。集電体を正極・負極で共有して、部品点数を少なくすることで電池を小型化。また、通電面積が広くシンプルな構造のため、電池内抵抗を低減し、大電流が一気に流れることで、従来型のニッケル水素電池に比べ、高出力化を実現させた。

石浜工場の概要

豊田自動織機石浜工場

所在地：愛知県知多郡東浦町大字石浜字願並1-1
操業開始：2022年10月予定
生産品目：車載電池
従業員数：340名（2022年10月計画）
建物面積：2万m ²