ニュース

デンソーテン、新世代サウンドシステムがトヨタ新型「クラウン」に採用

2022年8月30日 発表

新世代サウンドシステム

 デンソーテンは8月30日、同社の新世代サウンドシステムがトヨタ自動車の新型「クラウン クロスオーバー」(2022年7月15日発表)に装着される「トヨタプレミアムサウンドシステム」として採用されたと発表した。

 トヨタと共同でスピーカー周辺のボディ形状などを最適化し、スピーカー駆動時の不要振動を低減することで、雑味のないクリアな音を追求。10個のスピーカーと、デンソーテン独自のデジタル信号処理技術を搭載した8chフルデジタルClass-Dアンプから成るハイレゾ対応のサウンドシステムで、従来のコンセプト「原音に対して正確な音の再生+立体空間再生」をさらに進化させ、「雑味のない上質さ+車室外まで広がるようなゆとりの音空間」を目指し開発された。

 具体的には、スピーカー駆動によって発生する周辺部品の不要振動を見える化するために、振動シミュレーション技術を開発。車両の3Dモデルで不要振動を解析した結果をもとに、トヨタ自動車と共同で、サウンドシステムの性能を最大限に引き出せるように車両ボディ/内装形状を最適化した。

3Dモデルによる、スピーカー周辺の振動シミュレーションのイメージ

 また、高性能DSPにより、車室内で発生する不要なガラス反射やドア振動などによる音の乱れを信号処理で制御・補正し、元の音源をより正確に再現。加えて、リスニングルームで音楽を聴いた時の反射音を到来方向まで忠実に車室内で再現することで、車室外まで広がるような心地よい音空間を実現した。

理想の音空間を目指した補正イメージ

 そのほかにも、独自形状の振動板・エッジ設計でスピーカーの剛性や振幅対称性を向上し、原音に対して正確な音を再生。ハイレゾのよさを活かす高性能マスタークロックを搭載するとともに、アンプ筐体の刷新による対ノイズ性能向上・高剛性化で、音質を大幅に改善している。

 デンソーテンは、1955年にトヨタ自動車工業(現在のトヨタ)の初代「クラウン」用オートラジオの納入で自動車産業に参入して以来、長年培ってきた車載音響技術で、快適な車室空間づくりに取り組み続けており、自動車の静粛性が高まることで、ますます車室内は音楽を楽しむのに適した環境になっていくと予想。また、今後の自動運転時代を見据えると、エンターテインメントとしての音(音楽)だけでなく、乗員にさまざまな情報を伝えるHMIとしての音の役割も高まっていくと考え、双方の領域において、今後もさらなる技術開発に取り組んでいくとした。