三菱自動車、DeNA、リコージャパン、企業における軽BEV導入を促進するための共同実証実験を開始

三菱自動車の軽商用BEV（バッテリ電気自動車）「ミニキャブ・ミーブ」

　三菱自動車工業、ディー・エヌ・エー（DeNA）、リコージャパンの3社は9月15日、軽BEV（バッテリ電気自動車）の効率的な運行とエネルギーマネジメントを実現し、企業におけるEV導入を促進するための共同実証実験を開始した。

　2050年のカーボンニュートラルの実現に向け、日本の企業各社では自社で保有する業務車両を軽BEVなどへ転換する必要に迫られている。しかし、業務車両に求められる高い経済性を誇るとされる車両コストの低い軽BEV（乗用、貨物）は、小さいバッテリ容量で企業のさまざまな運用ニーズに対応するために、効率的な充電タイミングなどを織り込んだ運用計画が必要となる。

　今回の実証実験では、リコージャパン埼玉支社に営業車として国内唯一の軽商用BEVである三菱自動車製「ミニキャブ・ミーブ」を3台導入し、BEVの運行データや充電データなどの車両情報、事業所の使用電力データを収集し、同事業所におけるBEVの運用状況を分析する。この分析をもとに、事業所に対して適正な台数規模を提案し、スマート充電やピークシフトなどを織り込んだ最適なBEVの運用計画を策定することで、事業所でのBEVの効率的な活用と使用電力のピーク抑制（エネルギーマネジメント）を目指す。

　各社の役割分担としては、三菱自動車はミニキャブ・ミーブを供給して最適なBEVの運用計画を策定。DeNAはBEVから取得される大量の車両データを収集し、運行データから実用性能の把握や導入効果の予実管理、運行データを分析。リコージャパンは実証用の軽商用BEVを導入し、運行データと事業所の電力データを収集する。

　今後の展望については、今回の実証実験を通じて得られた軽BEVの効率的な運用計画と最適なエネルギーマネジメントの結果から、大小さまざまな規模の企業や事業所に適用が可能となるBEV導入サービスパッケージの確立を目指す。同パッケージにより、企業におけるBEV導入を支援すると共に、業務におけるエネルギーの効率的な利用を実現し、社会のさらなる脱炭素に貢献していくとしている。