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ブリヂストン、アメリカのテレダイン率いる月面探査車の開発チームに参画

2022年9月18日 発表

ブリヂストンが研究開発している月面探査車用タイヤのコンセプトモデル

 ブリヂストンは9月18日、アメリカで航空宇宙、防衛、エネルギー、環境関連事業を手掛けるテレダイン・ブラウン・エンジニアリング(Teledyne Brown Engineering)が主導している有人月面探査車の開発チームへの参画が決まったと発表した。ブリヂストンは開発チームにおいて、NASAの月面探査車プログラム向けのタイヤ開発を担っていく。

 このプロジェクトは、NASAの有人月面探査車(LTV=Lunar Terrain Vehicle)として使用されることを見据えたもの。新たな領域に挑戦するNASAの宇宙開発ミッションでは月面の未踏の地を航行する有人自動運転が必要とされており、LTVには月面の激しい温度変化など過酷な環境下で長期にわたって宇宙飛行士の移動と探索を支えることが求められるという。

 この要求に応えるため、テレダイン・ブラウン・エンジニアリングは、北米日産自動車、シエラ・スペース(SIERRA SPACE)、テクストロン(TEXTRON)、ブリヂストンを加えたチームを結成。

 ブリヂストンは、2019年に有人月面探査車での使用を想定したタイヤの研究開発をスタートしており、岩や砂に覆われ、激しい温度変化や放射線にさらされる過酷な月面の環境においても、長期にわたって安全に機能するタイヤの開発を目指し、金属製のエアレスタイヤのコンセプトモデルの開発・検証を進めている。

ブリヂストンが研究開発している月面探査車用タイヤのコンセプトモデル

 テレダイン・ブラウン・エンジニアリング President of Engineered Systems Segmentのスコット・ホール氏は、「このパートナーシップは、われわれのチームの共創によって生まれる車両をより強いものにしてくれます。ブリヂストンの持つ知見は、われわれの創る車両と、月そして月面での旅の成功のために、この上ない素晴らしい助けとなるでしょう」と述べている。

 ブリヂストン 次世代技術開発統括部門長の石山誠氏は、「この月面探査車開発プロジェクトは人類の大きな挑戦であり、テレダインのチームに参画できることを大変誇りに思います。またこの取り組みは、ブリヂストンの企業コミットメント『Bridgestone E8 Commitment』で掲げる『Extension 人とものの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと』の実現にもつながるものです。ブリヂストンは、新たなパートナーとの共創を通じて、人類の夢と移動の革新を足下から支えるさらなる挑戦を続けていきます」とコメントを寄せている。