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デンソー、画像センサーの広角化に成功 スバルの新型「クロストレック」日本仕様に搭載

2022年9月27日 発表

デンソーは画像センサーの広角化に成功し、スバルの新型クロストレック(日本仕様)に採用されたと発表した

より早く歩行者や自転車の飛び出しを検知して安全性を向上させる

 デンソーは9月27日、安全運転支援に貢献する画像センサーの検知角度のさらなる広角化を実現し、9月15日に公開されたスバルの新型「クロストレック(日本仕様)」に新たに採用されたと発表した。

 開発の背景としては、交通事故総合分析センターの統計によると、日本における全歩行者の交通事故のうち約3割は道路脇からの飛び出しが原因で、12歳以下の子供の場合は約7割を占めるとも言われているという。また、子供の小さい体やスピードの速い自転車の飛び出しはドライバーが見落としやすく、気付いても対応が間に合わずに飛び出し事故につながってしまうケースも多いため、近年は欧州の新車アセスメントプログラム(Euro NCAP)でも、道路脇などからの飛び出し検知に対する重要性が上がっているとのこと。

 このような背景を踏まえ、デンソーは画像センサーのさらなる広角化に挑戦。その結果、検知角度128度を実現し、低速走行時の横断自転車の検知性能が向上。Euro NCAPで定められているアセスメント条件に対応できる性能まで進化させたとした。

デンソー製の画像センサー
広角化した製品と一般的な製品(検知角度100度)を比較したイメージ図。検知角度が128度まで広角化することで、より早く横断自転車を検知することが可能になるという

 ただし、広角化することで多くの対象物を検知できる一方、危険につながらない対象物も検知してしまう可能性もあるとしていて、例えば横断しようとする自転車を検知したものの、自転車がブレーキをかけて停止したため衝突することなく通り過ぎることができるシーンにおいて、衝突回避の自動ブレーキが作動すると、ドライバーにとって不快な動作となるだけでなく、予想外の車両の動きにより別の危険が発生する可能性もある。

 そこでデンソーは、AI技術を採用し広角で早期に対象物を検知するとともに、時系列での動きの推定などを併用して実際に危険に至るかを見極め、不要な車両の動作の発生を抑えることで、広角化のメリットと実用性を両立。自動車・二輪車・自転車・歩行者がさまざまな速度で交わる交差点まわりなどでの飛び出し事故の防止に貢献するとしている。

新型クロストレック(日本仕様)のフロントカメラ