くまモンレンタカーやパイオニア、「NP1」で新しい観光体験提供へ 熊本県の「くまモンランド化構想」実現に向けDX推進の実証実験

くまモンレンタカー

　熊本県は、JTB、JTB パブリッシング、JTB 総合研究所、パイオニア、トヨタレンタリース熊本とともに、くまモンを活用した地域づくりをめざす「くまモンランド化構想」実現に向けたDX推進の実証実験を、2022年10月6日〜2023年3月31日の期間、熊本県・阿蘇地域において実施することを明らかにした。

「くまモンランド化構想」とは、熊本県全体がくまモンの魅力あふれる場所となり、くまモンの高い認知度・好感度をフックに世界中からヒト、モノ、企業（ビジネスの活性化）が集まる地域となることを目指すもの。

　実証実験は、新型コロナウイルス感染症の拡大や度重なる災害により疲弊した地域の再活性化、また、さらなる阿蘇の魅力を「くまモン」×「最新のIT技術」を活用し、新たなUX（ユーザー体験）を実現することで、新しい価値や競争優位性を生み出し、域内の観光周遊促進と何度も訪れたくなる観光地づくり、くまモンのファンづくりを目的として実施される。

　同実証実験においてJTBは、トヨタレンタリースの「くまモンレンタカー」とパイオニアの「スマート音声ナビ」を活用した新しい観光モビリティのUX（ユーザー体験）により、くまモンランドの世界観を楽しむことができる旅行商品の第1弾として「くまモンレンタカーで巡る阿蘇」を、公式Webサイトや全国のJTB店舗で販売を行なう。催行期間は2022年10月6日から 2023年3月31日出発分まで。

　具体的に実証実験では、パイオニアが開発したAI搭載通信型オールインワン車載器「NP1」を搭載したトヨタレンタリースの「くまモンレンタカー」で阿蘇の観光を楽しめるようにする。音声による目的地検索・設定や、おすすめの場所・ルートの提案が可能なNP1を通じて、JTB パブリッシングが提供する「るるぶ DATA」、阿蘇に特化した情報と連動して音声による観光地案内をするなど、観光客にとって満足度の高い情報を提供。実証実験後は、訪問地数や滞在時間などを通常のレンタカー利用者と比較・検証することで、今後の回遊促進につなげていく。

　また、阿蘇エリア周遊を楽しめる体験型イベントとして、Web上で進めるAR（拡張現実）を使った謎解きゲームを実施。ARでは、くまモンが謎を出題したり、ヒントをくれたりする。謎を解いた後には、くまモンと写真を撮るなど、くまモンと一緒に遊んでいるようなAR演出も用意。「くまモン」×「最新の IT 技術」を活用した謎解きゲームを通して、熊本県・阿蘇エリアの新たな魅力を創出する。

　さらに、くまモンにとって新しい活動の場となるファンコミュニティの構築に向け、JTBの提供する「地域共創基盤」を活用して、CRM（Customer Relationship Management）基盤を整備。実証実験においては、参加者を対象としたアンケート調査を実施し、実証実験に参加した感想や、くまモンへの想い、くまモンとの新しい接点となるファンコミュニティへの期待などを把握する。

　実証実験では、JTB、JTB パブリッシング、JTB 総合研究所、パイオニア、トヨタレンタリース熊本が「くまモンランド DX 事業コンソーシアム」を設立。熊本県が事業主体となり、事業全体統括、くまモンツアーの企画・募集・販売、くまモンファンコミュニティの形成と運営をJTBが、観光情報「るるぶ DATA」ならびに、モン語変換と発話情報の提供、ガイドマップリーフレット・LP の制作をJTB パブリッシングが、事業全体計画設計、事業の分析をJTB 総合研究所が担当。また、NP1のくまモンランド仕様の開発、音声ナビ連動のスマホアプリ開発をパイオニアが、くまモンレンタカーの制作・提供・受付をトヨタレンタリース熊本が担当する。