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国交省、大型車約38万台を対象にホイール・ナットを緊急点検 大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン実施

2022年10月1日~2023年2月28日 実施

 国土交通省は、大型車の車輪脱落事故が近年増加傾向にあることを踏まえ、2022年10月1日~2023年2月28日の期間「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」を実施する。2018年9月30日以前に登録された大型車の約38万台を対象にした緊急点検の結果、劣化したホイール・ナットの交換が必要な場合は、国内大型自動車メーカー4社より左側後輪分の新品のホイール・ナットが無償提供される。

 2021度の車輪脱落事故発生状況としては、2021年度発生した車輪脱落事故車両123台のうち95台に対して、各部品に劣化・損傷状態や、タイヤ脱着作業の実施状況を確認する事故車両調査を実施した結果、ホイール・ボルトやナットに著しいさびがあるものやゴミ等の異物が付着しているもの、ホイール・ナットとワッシャのすき間に潤滑剤の塗布が見られず、ホイール・ナットがスムーズに回転しないもの等、適切なタイヤ脱着作業が実施されていない車両が確認された。

 大型車の車輪脱落事故防止キャンペーンでは、重点項目の「大型車のホイール・ナットの緊急点検の実施」として、車齢4年以上の大型車の個々のユーザーにダイレクトメールを郵送し、ホイール・ナットの適切な保守管理について緊急点検を行なう。また、適切なタイヤ脱着作業の動画やチラシを活用した、大型車のユーザーやタイヤ脱着作業関係者への啓発などを展開して、大型車のユーザー等へ適切なタイヤ脱着作業について周知・啓発を図るとしている。

2022おちないチラシ

 同省が事故防止対策を進めるため2022年2月に設置した「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」で車輪脱落事故車両の調査等を行なったところ、事故を起こした車両では劣化したホイール・ナットが使用されていたり、タイヤ脱着時にホイール・ナットの清掃や潤滑剤の塗布等が、適切に行われていない状況が明らかとなり、劣化したホイール・ナット等を使用すると、ホイール・ナットが本来の位置まで締まらず、十分な締結力が得られないため、走行中にホイール・ナットが緩み車輪が脱落するおそれがあるとしている。

令和3年度車輪脱落事故発生状況