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BOLDLY、Auve Techの新型自動運転車両「ミカ」日本導入 2023年度中に公道走行へ

2022年10月24日 発表

自動運転レベル4対応の新型自動運転車両「MiCa(ミカ)」

 ソフトバンク子会社のBOLDLY(ボードリー)は10月24日、エストニア共和国のAuve Tech(オーブテック)と戦略的協業に合意したと発表した。両社の合意により、Auve TechはBOLDLYの協力の下、自動運転レベル4対応の新型自動運転車両「MiCa(ミカ)」日本仕様車の開発を進める。

 BOLDLYでは2022年度中に「MiCa」の日本仕様車を導入し、BOLDLYが開発した運行管理プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」と接続して、2023年度中に日本の公道で走行させることを目指すという。

「Dispatcher」による遠隔監視の様子

 BOLDLYが日本導入予定の新型自動運転車両「MiCa」の特長は、車両に搭載した7台のLiDAR(ライダー)センサーや8台のカメラで周辺環境を把握し、障害物を検知して自動で回避、完全自律型の無人運転を可能とする点。

 ボディサイズは、4200×1800×2500mm(全長×全幅×全高)でコンパクトでありながら車内スペースを確保し、最大8人が乗車可能。急速充電モデルでは約1時間で充電が完了するため、1台の車両での運行時間を拡大させた。

 また、最新のセンサーとソフトウエアを搭載し、積雪や豪雨などの環境下でも走行可能で、ステアリング、ブレーキ、コンピューター、センサーなどの安全に関するすべてのシステムを冗長化して車両故障のリスクや発生を最小限に抑える。

 日本でAuve Techの車両を導入するのはBOLDLYが初となり、両社は日本での自動運転レベル4のモビリティサービスの実現に向けて、取り組みを推進していくとしている。

 BOLDLY代表取締役社長兼CEOの佐治友基氏は「BOLDLYは、世界の約30種類の自動運転モビリティについてリサーチした結果、Auve Tech が開発する車両のアーキテクチャーに日本の技術が生かされている点や、日本の保安基準を理解して設計されている点などを受けて、Auve Techとのパートナーシップの締結に至りました。今後、BOLDLYは、日本の交通事業者と連携しながら Auve Techのモビリティを運用し、政府が目標として掲げる『2025年度までに40地域での自動運転移動サービスの実装』の実現に貢献するとともに、持続可能な公共交通の整備に貢献していきます」とコメント。

 Auve Tech共同設立者兼CEOのJohannes Mossov(ヨハネス・モッソヴ)氏は「私たちが目指すのは、マイカー通勤を超えた都市型通勤です。自律走行型のラストワンマイル車両は、閉鎖区域や混雑した交通環境において、安全でスマート、かつ持続可能な代替交通手段を提供することでラストワンマイル輸送を強化し、交通セクターの効率化に重要な役割を果たすことができます。BOLDLYのような強力なプレーヤーとの戦略的協業は、Auve Tech の新型車両の市場投入を大きく早め、急速に高まる需要に対応するのに役立つでしょう」と述べている。