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メルセデス・ベンツ、新型「メルセデスAMG SL」 ラグジュアリーを極めたオープン2+2シーター

2022年10月24日 発表

1648万円

新型「メルセデスAMG SL」

 メルセデス・ベンツ日本は10月24日、ラグジュアリーロードスターの新型モデル「メルセデスAMG SL」を発売した。右ハンドルと左ハンドルがあり、価格はいずれも1648万円。

 SuperとLightを略したモデル呼称である「SL」は、1952年に公道を走行できるレーシングスポーツカーとして誕生し、ル・マン24時間レースでワンツーフィニッシュを飾ったほか、世界各地のレースで輝かしい戦績を重ねた「300 SL(W194型)」をベースに、1954年に「300 SL(W198型)」として発売。

 新型SLはメルセデスAMGが完全自社開発し、専用の高剛性プラットフォームによる卓越したドライビングパフォーマンスと快適性を兼ね備えたドライバビリティ、2+2シートレイアウト、F1の技術を採用した新型直列4気筒2.0リッターターボエンジンなどによって、軽快でパワフルなドライビングをたのしむことができるモデルに仕上げられている。

 エクステリアデザインは、メルセデス・ベンツのデザイン基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」に、AMGのスポーティな要素を融合しつつ、ボンネットのパワードームなど随所にSLの長い伝統を継承。光と影の交錯によって全体に軽やかなエクステリアに仕上げ、筋肉質なプロポーションに加え、高い質感と高級感も演出している。

 また、2+2シートを収めるために拡大された長いホイールベースと短いオーバーハング、そしてブラックペイント仕上げのフレームを持つ大きく傾斜したウインドスクリーンによって、コンパクトで低く構える外観に仕上げている。下側が幅広の輪郭と14本の垂直ルーバーからなるAMG専用フロントグリルは、300 SLから取り入れたデザインで、立体形状にしたほか、きわめて低い位置に取り付けたことで、ダイナミックなフォルムをさらに強調させた。

 サイドシルエットは、力強く際立つショルダーとAMGアルミホイールの組み合わせによって、エレガンスとスポーツ性のバランスを確保。格納式のシームレスドアハンドルは標準装備となっている。丸味が際立つリアエンドは、広いトレッドと合わせて新型SLのワイドさを強調。軽量型Zフォールドのソフトトップを採用することで、高さを抑えたパワフルなデザインを実現。トランクにはリトラクタブルリアスポイラーが組み込まれている。スポイラーは速度に応じて展開し、80~140km/hは6度、140~160km/hは11度、160km/h~最高速度は17度、120km/h~最高速度できわめてダイナミックな走りが検知された場合は22度まで傾けて、最大のダウンフォースを発生させる仕様となっている。

 インテリアは「R129(1989年~2001年)」以来となる2+2シートレイアウトが復活。100%デジタルのコックピットディスプレイを立体的なバイザーにぴったりとはめ込むなど、アナログ的幾何学フォルムとデジタル技術を融合した「ハイパーアナログ」と呼ばれるデザインを採用。センターコンソールに配置した角度調整式メディアディスプレイにいたるまで、ドライバー重視のデザインとし、300 SLのデザインをオマージュしながらもラグジュアリーで快適な空間を両立した。

 リアシートは身長150cmまでと制限があるものの、日常に使用できるシートを採用。誰も座らない場合は、リアシートの背後にラフトストップを装着することで、室内に乱気流が侵入することを防げるようになっている。また、リアシートはゴルフバッグなどを積み込む追加の収納スペースとしても利用可能。

 ドア内側の面も、センターコンソールと同じくダッシュボードから流れるように連続しているデザインを採用。ドアにはBurmesterサラウンドサウンドシステムのスピーカーも内蔵する。シートのヘッドレストはバックレストに組み込まれていて、スポーティなシートを演出。AMGパフォーマンスステアリングには、AMGドライブコントロールスイッチが標準装備され、ステアリングから手を離すことなくドライビングモードの操作が可能となる。ドライビングモードは、燃費を優先する「Comfort」、よりスポーティなドライビングがたのしめる「Sport」「Sport+」「RACE」、滑りやすい路面を安全に走行する「Slippery」、さまざまなパラメーターを個別に設定できる「Individual」の6つのモードを設定。

 ボディシェル構造のねじり剛性は、先代モデルに比べて18%向上、横方向剛性はAMG GTロードスターに比べ50%、前後方向剛性は40%向上しているほか、シャシーマウントの負荷導入剛性も改善され、正確なハンドリングと優れたアジリティを実現。

 ルーフは、先代の金属製バリオルーフに代えて電動ソフトトップを採用。ルーフライナーの間に防音マットを挟んだ3層構造となっていて、優れた防音効果を発揮するほか、先代のルーフよりも21kgも軽く、重心が低くなることからドライビングダイナミクスやハンドリング向上にも寄与する。開閉は約15秒で完了し、車速60km/hまでであれば走行中でも開閉可能。操作はセンターコンソールのスイッチまたはタッチ機能付きのメディアディスプレイで行なえる。

 エンジンは直列4気筒2.0リッターターボエンジン(M139型)で、最高出力381PS(280kW)、最大トルク480Nmを発生。量産車として世界初となる「エレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャー」を採用。これにより、アイドリングから全エンジン回転域まで、レスポンスを改善したという。走行性能値は0-100km/h加速が4.9秒、最高速は275km/hを実現している。

直列4気筒2.0リッターターボエンジン(M139型)を搭載

 組み合わされるトランスミッションは「AMGスピードシフトMCT(9速AT)」を採用。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を両立。ステリング裏側にあるアルミ製パドルシフトで操作可能としている。また、サスペンションは、減衰力特性を調整できるAMGの最新世代ダンパーを標準装備。各ダンパーに伸び側と縮み側のプレッシャーリリーフバルブを搭載し、快適性を高めながら、スポーティなドライビングダイナミクスを実現させた。

最新の安全運転支援システムも搭載

 ステレオマルチパーパスカメラとレーダーセンサーにより、高速道路などの走行時に先行車を認識して、速度に応じて車間距離を調節する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック (自動再発進機能付き)」、車線のカーブと先行車を、車線が不明瞭な道ではガードレールなどを認識し、車間を維持しながらステアリング操作をサポートしてくれる「アクティブステアリングアシスト」、先行車およびその左右の車線を監視しながら、突然渋滞の最後尾が現れた場合などに、前走車との衝突の危険を検知し、その左右などに回避スペースがないと判断すると、即座にブレーキが作動し、衝突回避または被害軽減を図る「渋滞時緊急ブレーキ機能」、ドライバーが一定時間ステアリング操作を行なわない場合、警告灯と警告音によってステアリングを握るよう促す「アクティブエマージェンシーストップアシスト」、先行車、前を横切る車両や合流してくる車両、歩行者、路上の物体などとの衝突の危険性を感知すると、ディスプレイ表示や音でドライバーに警告する「アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付き)」なども備えているほか、イグニッションオフから3分間、障害物が後方から近づくと、サイドミラー外側の警告灯が点灯し、さらにドアを開けようとすると、警告音を発することで、死角から近づく障害物と、開けたドアが接触することを防止する「降車時警告機能」も追加されている。