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トヨタ、レストアした初代「ランドクルーザー」の完成車両公開

2022年10月29日 公開

 トヨタ自動車は10月29日、初代「ランドクルーザー」レストアプロジェクトで復活させた完成車両を、同社の公式YouTubeチャンネル “ランクルちゃんねる”で公開した。

 同プロジェクトは、「ランドクルーザー」70周年を機に発足したもので、計画から約1年をかけて完成を迎えた。公開された映像では、現オーナーの小南氏を前に、レストアを手掛けた新明工業の石川氏とランドクルーザーの元開発責任者 小鑓氏の手により、レストアされた初代「ランドクルーザー」がアンベールされた。

ランドクルーザーの元開発責任者 小鑓氏と新明工業の石川氏の手により、レストアされた初代「ランドクルーザー」がアンベール
【初代ランクルが走り出す】レストア完了!匠の手で生まれ変わった姿を遂にお披露目 #6

 レストアされた初代ランドクルーザー(トヨタ ジープ)は、前オーナーの金丸氏が動かなくなってから35年の間、自分のガレージに大切に保管していたもの。このまま朽ち果てていくなら、大事にしてくれる方に託したいと、現オーナーの小南氏へ譲り渡すことを決心。小南氏は、いつか走らせることを夢見て、時間を見つけてはコツコツと整備をしていたとのこと。

 トヨタのプロジェクトに協力し、今回のレストアを指揮した新明工業の石川氏は、60年前にこの「トヨタ ジープ」の整備を担当。60年前に整備していた初代ランドクルーザーを前に、石川氏は「青春時代が蘇ってくるようだ」と、すべての部品の健康診断から始め、再生させる部品、加工する部品、調達する部品を見極め、作れるものはその場で作ってしまう、すべてが手探りのレストアとなった。

前オーナーの金丸氏と現オーナーの小南氏が復活した初代ランドクルーザーを試乗

 公開された初代ランドクルーザーは、現代のクルマでは見られない独特の操作方法でエンジンが始動。現オーナーの小南氏と前オーナーの金丸氏が試乗して、その仕上がりを確かめた。不動となる前の状態を知る前オーナーの金丸氏は「いや、感動です、感動。いや夢みたいですね」とランドクルーザーの復活を確認。レストアを手掛けた石川氏は「こうやって喜んでいただけるのが、修理屋冥利につきる」と話し、金丸氏は「修理屋じゃなく匠ですよ」と、お互いに笑顔でランドクルーザーの復活を喜んだ。

左から新明工業の石川氏と前オーナーの金丸氏