ニュース
ランボルギーニ、「ウルス ペルフォルマンテ」日本初披露 ステファン・ヴィンケルマンCEOが今後の方向性を語る
2022年11月14日 09:00
- 2022年11月11日 初披露
ワイド化や軽量化を施しベースポテンシャルを向上
ランボルギーニ・ジャパンは11月11日、全国からランボルギーニオーナーが集う「Lamborghini DAY Japan 2022」の開催に合わせて、スーパーSUV「ウルス」のポテンシャルをさらに引き上げた「ウルス ペルフォルマンテ」を日本で初披露した。
会場にはアウトモビリ・ランボルギーニ会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマン(Stephan Winkelmann)氏をはじめ、ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ(Davide Sfrecola)氏、S.p.A Region Director Asia PacificのFrancesco Scardaoni氏など、海外からもランボルギーニ関係者が大勢駆け付け、新型の発表とイベントを盛り上げた。
ランボルギーニ・ジャパン代表のダビデ・スフレコラ氏は「ランボルギーニ・デイ・ジャパンは、ランボルギーニの歴史や伝統、精神や情熱を体現しつつ、ランボルギーニブランドの現在・過去・未来を表現するイベントで、日本では伝統的なイベントになっています」とあいさつ。
続いてゲストとして駐日イタリア共和国大使のジャンルイジ・ベネデッティ閣下が登壇。自らもイタリア車やランボルギーニの大ファンであると告げつつ、「新型モデルのウルス ペルフォルマンテのイベントに参加でき、心が躍っている。このクルマは近未来的なスポーツデザインと、最高のドライビングパフォーマンスを融合したチャレンジングな1台です。また、ランボルギーニは革新的な空力デザインを用いることで、イタリアの品質と性能のみならず、美しさも実現している。日本のドライバーのいまの世代とこれからの世代に夢を見させ続けるランボルギーニは、イタリアブランドによって明るい未来の道を切り拓いてくれると確信しています」とあいさつを結んだ。
最後の内燃機関モデル「ウラカン ステラート」は今月末にマイアミで発表
アウトモビリ・ランボルギーニ会長兼CEOのステファン・ヴィンケルマン氏は、新型ウルス ペルフォルマンテを紹介する前に2022年度の業績予想を報告。2022年9月時点で全世界で7430台を出荷していて、売り上げが19億3000万ユーロ、営業利益が5億7000万ユーロ、利益率29.6%と驚異的な数値をたたき出し、このまま順調に推移すれば過去最高の業績を打ち出せると好調さをアピール。
また、アメリカ、APEC(アジア太平洋地域)、EMEA(欧州・アフリカ・中東)と3つのエリアすべてで堅調な売り上げを維持できているとし、なかでも日本は安定してトップ5に入っていて、いまも重要な市場の1つであると説明。なお、日本の受注残は1年半分ほど溜まっていて、供給よりも需要の方が上まわっていると現状を報告した。
ランボルギーニは、2022年が内燃機関のみを搭載したモデルを発売する最後の年になるとすでに宣言していて、今月末には最後の内燃機関搭載モデルとなる「ウラカン ステラート」をマイアミで発表する予定だとヴィンケルマン氏は明かした。
モータスポーツに関しても、市販車の技術開発につながる重要な要素であるとしていて、コロナがもっと落ち着いてきたら、来シーズンはアジアでもワンメイクレース「スーパートロフェオ」を再開したいと述べた。
今後の方向性についてヴィンケルマン氏は、「この2年でブランドのハイブリッド化を推進して、2024年にはすべてのラインアップをハイブリッドモデルに、2025年にはCO2排出を50%削減。2028年にはBEV(バッテリ電気自動車)モデルも投入し、2028年にはCO2削減80%達成を目指す」としている。そのために2022年~2026年にかけて、ランボルギーニ史上最高額となる18億ユーロの投資を行なうとした。
ただし、「ICE(内燃機関)と電動のいいとこ取りのハイブリッドが現状では理想的で、ランボルギーニとしてはまだ合成燃料という可能性を捨ててはおらず、今後も研究開発を続けて内燃機関が生き残れる道も模索する。しかし、合成燃料が実現できない場合は、環境を考えればすべてBEV化せざるを得ない」とヴィンケルマン氏は自論を述べた。
パイクスピークのSUV最速記録を更新したウルス ペルフォルマンテ
スーパーSUVのウルスは、2万1000台というランボルギーニで過去最高の生産台数と、84%という新規顧客の獲得に貢献し、女性オーナーも増やしたという常識を打ち破ってきたモデル。そんなウルスをさらにいいものにしたいという考えから生まれたのが今回の「ペルフォルマンテ」で、より幅広く、より低く、より軽く、よりパワフルで、より空力抵抗が少なく、常に高いパフォーマンスを発揮することを目的に仕上げられた。
ウルス ペルフォルマンテは2022年8月中旬、アメリカのコロラド州コロラドスプリングスで開催されたヒルクライムレース「第100回 パイクスピーク インターナショナル ヒルクライム(PPIHC)」にカモフラージュ姿で参戦。その結果、見事SUVクラスのコースレコードとなる10分32秒064をたたき出した。
ウルス ペルフォルマンテは、ボディパーツにカーボンファイバーを多用したのと、フルチタンマフラーを採用するなどで、通常のウルスよりも47kgの軽量化を実現。また、新たなリアスポイラーによりリアのダウンフォースを38%向上。さらにエンジンルームの熱を抜くエアアウトレットを設けたカーボンボンネットと、フロントバンパーの両端に設けたエアカーテンを追加し、冷却性能を改善しつつ全体のエアロダイナミクス効果を10%向上したという。
くわえて、フロントとリアのトレッド幅を16mm拡大しつつ車高を20mmダウン。前後のスプリングレートもアップさせながら、レーシングカーのように、よりワイドでより低く構えることでダウンフォースと走行安定性も向上。最高出力490kW(666HP)/6000rpm、最大トルク850Nm/2300-4500rpmを発生するV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンは、アクセルレスポンスの改善とギヤシフトの改良も図られ、その結果パワーウェイトレシオは3.2kg/CVという驚異的な数値を達成。また、チタンマフラーにより心地いい乾いたエキゾーストノートになっている。