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東京工科大学、交通事故削減を目指した「デジタルツイン あんぜん運転スコアリング」を開発 モータースポーツの設備を活用

2022年11月9日 発表

前橋市中央公民館にて第1次サービス実施中

 東京工科大学デザイン学部の田村吾郎准教授らの研究チームは11月9日、田村准教授らが開発した半球体スクリーン装置を運用するワンダービジョンと、レーシングチームTOM'S(トムス)らが共同開発した没入型運転シミュレーター、前橋市のデジタルツイン環境を組み合わせ、運転者の認知や技能などの判定を行なう交通事故削減の市民向けサービス「デジタルツイン あんぜん運転スコアリング」を開発したと発表した。

 このサービスは、内閣府の地方創生のための未来技術支援「デジタル田園都市国家構想推進交付金(TYPE3)」事業の一環として、群馬県前橋市が産学と連携して取り組んでいる、デジタルツイン(3次元デジタル空間)を活用したもの。

 2022年3月に前橋市役所で実施した実証実験で得られた知見などをもとに、市民サービス向けシステムに大幅刷新し、シミュレーター運転者の空間認知能力、標識・法令の理解度、ステアリング・ブレーキ・アクセルなどの操作の適切性などを判定し、運転の測定・評価を行なえるという。

 前橋市中央公民館で11月8日~17日に第1次サービスとして実施。2023年初頭には2か月間程度の第2次サービスを予定している。また、将来的には前橋市独自のIDやデータ連携基盤と連動した定常的な市民サービスとしての社会実装を目指していく。

第1次サービス概要

日時:2022年11月8日~11月17日10時~18時
場所:前橋市中央公民館3階ホワイエ(前橋プラザ元気21内)
参加費:無料
参加方法:予約不要。他の人が使用している場合は待つ場合あり。予約希望者は前橋市の情報ページからメールにて相談

半球体スクリーン技術「Sphere(スフィア)5.2」とは

 5.2×3.4×2.6m(幅×高さ×奥行き)の半球状スクリーンに、4Kや8Kの映像を映すことで、スクリーン中心付近において90~95%という高い視野カバー率を実現し、ヘッドマウントディスプレイなどのデバイスを必要とせず、人間の空間認知のメカニズムと極めて近いリアルな視覚体験をできることが特徴の装置。

 映像とリンクしたモーションベース、送風装置、立体音響装置などを組み合わせることで、五感を刺激する特別な体験を提供できるほか、最短約4時間で組み立て・分解が可能なパッケージにより、都市部から離島まで高い可搬性を実現。2017年に開発され、WONDER VISION TECHNO LABORATORYが運用し、これまでに製品やサービスのプロモーション、マーケティング、自動車や航空機などの運転訓練シミュレーション、医療、スポーツ、芸術など、幅広い分野で活用が進められている。