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トヨタ、新型「プリウス」世界初公開 ハイブリッドを今冬、PHEVを2023年春ごろ発売
2022年11月16日 14:55
- 2022年11月16日 発表
「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を両立
トヨタ自動車は11月16日、新型「プリウス」を世界初公開するとともに、シリーズパラレルハイブリッド車（HEV）を今冬、プラグインハイブリッド車（PHEV）を2023年春ごろに発売する予定であることを明らかにした。今後、新型プリウスは日本を皮切りに、北米・欧州など順次グローバルに展開していくとのこと。また、国内ではクルマのサブスクリプションサービス「KINTO」でも展開するとしており、具体的なプランの詳細は今冬にアナウンスされる予定。
プリウスは「21世紀に間にあいました。」のキャッチコピーで、1997年に世界初の量産型ハイブリッドカーとして誕生。2代目はプリウスの特徴ともいえる「モノフォルムシルエット」を初採用し、進化したシリーズパラレルハイブリッドシステム（THS II）の搭載でさらなる燃費向上を達成。3代目はエンジン排気量を1.8リッターに拡大し、ハイブリッドシステムをより高効率化したことで燃費だけでなく走行性能も強化。4代目ではTNGAプラットフォームを初採用し、さらなる環境性能の向上と進化した走りを目指した。
トヨタとしては、幅広い車種でハイブリッド車が普及したことで、これまでプリウスが担ってきた「ハイブリッドの牽引役」という役割は1つの節目を迎えたと判断し、「次の25年もお客さまに愛され続けるために、プリウスはどうあるべきか。」と開発チームはプリウスのあり方を再考。プリウス自身が生まれ変わり、もっとハイブリッドの魅力を知ってほしいという想いで生み出されたのが「Hybrid Reborn」というコンセプトになる。次世代のパワートレーンとしてさまざまな選択肢が生まれる中で、ハイブリッドであるプリウスがこれからの時代も選ばれる愛車であり続けるために、新型では強みである高い環境性能に加え、「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えたクルマを目指して開発が行なわれたという。
スタイリッシュなプロポーションに進化
まずデザインでは、プリウス独自のアイコンである「モノフォルムシルエット」を引き継ぎながら、第2世代TNGAプラットフォームによるさらなる低重心化や、19インチ大径タイヤの採用よってよりスタイリッシュなプロポーションに進化。シンプルでありながら抑揚のあるボディ造形は、長く愛されるための「感性に響くエモーション」と「普遍的な美しさ」を表現したという。
ハンマーヘッドをモチーフとした機能性とデザイン性を両立したフロントデザインと、薄型一文字のリアコンビネーションランプを配したリアデザインで、プリウスの持つ先進性をさらに引き立てた。
ボディカラーは全8色を設定し、うち2色はスポーティな印象を与えるソリッドカラーベースの「アッシュ」と「マスタード」を新規開発した。
インテリアでは「アイランドアーキテクチャー」コンセプトにより、圧迫感のない広々とした空間と運転に集中しやすいコクピットを両立。直感的に操作ができ、ドライビングを楽しめる室内空間とした。黒を基調した室内全体に、インストルメントパネルとシートステッチの加飾をコーディネーションすることでスポーティでありながら新しい上質感を両立している。
インストルメントパネルにはトヨタ初採用の「イルミネーション通知システム」を設定。アンビエントライトとして室内を彩るだけでなく、トヨタセーフティセンスと連動する新機能をデザインに取り入れた。また、対象物を検知した際、アラームが鳴る前にイルミネーションの点滅でドライバーへ注意喚起してドライブをサポートする。
3つのパワートレーンを用意
新型プリウスでは1種類のプラグインハイブリッドシステムと、2種類のハイブリッドシステムという3つのパワートレーンが用意される。
まずプラグインハイブリッドについては、従来型を大幅に上まわる加速性能と静粛性を実現したという、2.0リッタープラグインハイブリッドシステムをトヨタ初採用。高効率のダイナミックフォースエンジンと、高出力の駆動用リチウムイオンバッテリの組み合わせで、従来型同等の低燃費を維持しつつ、164kW（223PS）というシステム最高出力を達成。PHEVならではの力強い加速性能は0-100km/h加速で6.7秒をマークするなど、高い動力性能を実現した。
EV走行距離は従来型に比べ50％以上向上し、日常生活の大部分をEV走行だけでカバーできるよう、バッテリ性能を向上させた。また、充電中にパワースイッチをONにすると、外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能になる「マイルームモード」を設定した。
また、PHEVでは従来ラゲッジ部にあった電池パックをリアシート下部に搭載することで、低重心化とラゲッジスペースの拡大を実現している。
一方、ハイブリッドについては2.0リッターと1.8リッターを設定。中でも2.0リッター車では従来型の1.8リッター比で1.6倍という144kW（193PS）の最高出力を発生し、スポーティに生まれ変わったプリウスにふさわしい動力性能を確保したという。
加えて最新のE-Fourモデルも設定。高出力モーターの採用などにより、雪道をはじめとする低μ路での登坂性能や旋回時の安定性がさらに向上しているとのこと。
第2世代TNGAプラットフォーム
新型プリウスでは熟成を重ねたTNGAプラットフォームをベースに、新型プリウスのエモーショナルなデザイン・走りを実現するための改良を施した第2世代TNGAプラットフォームを開発し、低重心化や大径タイヤの採用を実現。
ボディの各所に補強を施してより剛性を高めたほか、静粛性も向上。足まわりでは改良を加えたフロント：マクファーソンストラット式/リア：ダブルウィッシュボーン式のサスペンションによって、直進ではどっしりと、コーナーではドライバーの意図に応じた車両応答性、ライントレースのしやすさを実現したという。
先進安全・運転支援システム
先進機能を付与し、機能が向上した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を標準装備。また、高度運転支援システム「アドバンストパーク（リモート機能付）」を設定。さまざまな駐車シーンでスムーズな駐車・出庫を自動で行なうことができ、加えて車外から専用スマートフォンアプリを操作することで、遠隔での駐車・出庫も可能としている。
一方でアクセサリーコンセント（AC100V・1500W）をセンターコンソール後端とラゲッジルームの2か所に設置しており、エンジンを始動せずにバッテリだけで給電する「EV給電モード」、バッテリ残量が低下するとエンジンで発電する「HV給電モード」から選択可能。給電時に室内への虫などの侵入や雨天での雨水の侵入を防ぐ外部給電アタッチメントを標準で用意し、ドアガラスを閉じたままでの外部給電を可能にしている。
また、限界まで開口幅を広げ、室内に開放感をもたらす「パノラマムーンルーフ」を設定したほか、PHEVでは太陽光をより効率よく電気に変える第2世代の「ソーラー充電システム」を設定し、1年間で走行距離約1250km分に相当する電力を生み出す。駐車中は発電した電力を駆動用バッテリに充電し、走行だけでなくエアコンなどさまざまな機能に電力を供給。走行中は、発電した電力で補機バッテリ系統の消費を補なう。
そのほかフロントはトヨタセーフティセンスの単眼カメラ、リアは電子インナーミラーの後方カメラを活用した、車載型のドライブレコーダーを設定。カメラや配線の後付け感がない、すっきりとした見映えに加え、データはECUに保存することで、SDカードで起こりやすいデータ破損などのトラブルを避け、撮影データをしっかり管理する。