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パイオニア、独自のルーティングテクノロジで商用車の運行ルートを最適化する「Piomatix LBS API」

2022年11月16日 発表

Piomatix LBS APIの概要

 パイオニアは11月16日、モビリティAIプラットフォーム“Piomatix”の新サービスとして、商用車の運行ルートの最適化により物流DXやタクシー配車DXを支援する「Piomatix LBS API」の提供を開始した。

 Piomatix LBS APIは、パイオニアが保有する高度なルーティングテクノロジや位置情報サービスをWeb-API経由で利用できるサービスで、今回は第1弾として出発地から目的地までの最適なルートを算出する「ルート探索API」、最大200地点までの最適な巡回順序を算出する「巡回最適化API」、複数地点間の運行距離や所要時間を高精度に算出する「ルートマトリクスAPI」の3種類のAPIを提供開始する。

 このAPIにより、トラックやタクシーなどの実用的な運行計画の立案が可能となり、定時運行や輸配送品質の大幅な向上を実現。具体的には、日本の道路環境や利用状況に応じて最適化され、多数の特許を保有している独自のルーティングテクノロジにより、右左折の頻度、Uターン回避、車両の横付けのしやすさ、大型車の交通規制などの走行制約まで考慮した実用性の高いルート探索が可能。

 また、全国の主要道路をカバーするVICS渋滞情報に、パイオニア独自のプローブ情報を組み合わせた膨大な道路カバレッジをもとに渋滞回避ルートを提供。ルート上の信号有無や信号の待ち時間まで考慮し、実際の所要時間や到着時間に近い97.2%の高い精度で予測が可能となっている。

 なお、パイオニアのルーティングエンジニアが100項目以上の豊富なパラメータをチューニングし、ルート算出条件を細やかに設計する「プロフェッショナルサービス」(オプション)を活用することで、これまでのルーティングAPIサービスでは対応できなかった、業種/業態特有の制約事項まで考慮したカスタムルート設計もスピーディーに構築できる。

 輸配送分野は、ラストマイルデリバリーの需要拡大が続く中、人口減少などによるドライバーの人手不足に加え、働き方改革関連法の「時間外労働の上限規制」が適用される“2024年問題”など、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが急務となっており、日本政府が目指す「2050年カーボンニュートラル」の達成に向け、企業はCO2排出量削減をはじめとする気候変動対策とサステナビリティ情報の開示がこれまで以上に求められているという。

 パイオニアは、宅配、フードデリバリー、タクシー配車、訪問送迎サービスなど、正確な所要時間や移動効率が求められる業態などへPiomatix LBS APIの導入を推進し、ヒト・モノの移動に関わるモビリティ領域における運行業務の効率化やサービス品質向上を支援。また、カーボンニュートラルに向けた省エネ対策を支援するクラウドプラットフォーム“Piomatix for Green”のCO2排出量可視化・削減ソリューションやEV車両向けソリューションにより、 輸配送分野のCO2排出削減に貢献するAPIサービスの拡張もあわせて強化していくとした。

 なおパイオニアは、長年にわたるカーナビゲーションシステムの開発において独自のルーティングテクノロジーを構築し、多数の特許を出願。特に経路探索に関する特許を現在80件以上保有しており、道路環境(例:道路種別・交差・形状・幅員・信号の有無)や利用状況(例:渋滞・天候・時間帯)など、移動距離や所要時間に影響を及ぼす静的・動的な要因を考慮した最適ルートを算出する技術を保有している。