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日産、新型「セレナ」発表会 開発陣によるプレゼンとともに藤本美貴さんが“推しポイント”を紹介
2022年11月29日 08:10
- 2022年11月28日 開催
- ガソリン車（2WD）：276万8700円～326万9200円
- e-POWER車（2WD）：319万8800円～479万8200円
日産自動車は11月28日、フルモデルチェンジした「セレナ」の発表会をTFTビル（東京都江東区有明）で開催した。新型セレナはガソリン車を今冬から、e-POWER車を来春発売するとアナウンスしており、まずは2WD車の価格を発表。2WD車の価格はガソリン車が276万8700円～326万9200円、e-POWER車が319万8800円～479万8200円。ガソリン車の4WDの価格、発売時期については追って発表される。
セレナは1991年に初代（C23）がデビューし、1999年に2代目（C24）、2005年に3代目（C25）、2010年に4代目（C26）、2016年に5代目（C27）を発売。代を重ねるごとに着実に販売を伸ばしており、日本事業を支える重要なコアモデルに位置付けられるモデル。今回発表された新型セレナは、初代から受け継がれる“BIG”、“EASY”、“FUN”のコンセプトに代表される室内空間の広さや利便性はそのままに、移動時の快適性を追求し、最先端技術の搭載やさまざまな機能の充実を図ることでさらなる進化を遂げた。
ガソリン車、e-POWER車それぞれを設定するが、目玉はe-POWER車の最上位グレードとして設定された「LUXION（ルキシオン）」。同モデルは新型セレナのコンセプトである「家族との遠出を楽しむためのミニバン」をもっとも体現したグレードに位置付けられており、ミニバンとして初めて「プロパイロット 2.0」を標準装備（プロパイロットは全車に標準装備）。プロパイロット 2.0ではナビゲーションで目的地を設定し、高速道路の本線に合流するとナビ連動ルート走行を開始。状況に応じて同一車線内でステアリングから手を離すハンズオフも可能にしている。
また、前方障害物に対する操舵回避の際、ドライバーのステアリング操作を支援する「衝突回避ステアリングアシスト」（全車標準装備）や、一度駐車した場所を駐車枠として記録することができる、メモリー機能付きの「プロパイロット パーキング」（e-POWER LUXION標準装備）を日産として初搭載するなど充実の装備内容となっている。
そのほかの詳細については関連記事を参照いただきたい。
ミュージカル演出で車両プレゼン
発表会は第一部と第二部に分けて行なわれ、第一部では日産自動車 執行役副社長の星野朝子氏、プログラム・デザイン・ダイレクターの入江慎一郎氏、チーフ・ビークル・エンジニアの黒田和宏氏が登壇して新型セレナの魅力が語られたが、ミュージカル演出で車両プレゼンテーションが行なわれるというユニークな取り組みで進められた。また、第二部では藤本美貴さんを迎えてのトークセッションを開催し、藤本さんからは新型セレナの“推しポイント”が紹介された。
第一部では、夫婦と子供2人の4人家族を舞台俳優（青山航士さん、千田阿紗子さん、永利優妃さん、米本吉之介くん）が演じ、新型セレナが納車されたところから始まり、広々とした室内空間を有することやプロパイロットで長距離ドライブが楽々できること、たくさんの道具を積んでキャンプ場に行けることなどを歌とダンスを織り交ぜながら紹介。その要所要所で星野氏、入江氏、黒田氏が登場してポイントについて解説を行なった。
はじめに登壇した星野氏は、「セレナは1991年に誕生しました。この30年間、時代とともに移り変わる家族の形にずっと寄り添ってまいりました。家族のためのミニバンとして、ファミリー層を中心に高い人気を博してきました。今回発表する新型セレナは、30年間受け継いでいる“BIG”、“EASY”、“FUN”というコンセプトを継続し、室内空間の広さや利便性、快適性はもちろんのこと、家族のための最先端の技術も搭載して家族とのお出かけを思いっきり楽しめる、そんなミニバンとして技術の日産ならではの先進技術を搭載して進化を遂げています。新開発のe-POWER専用エンジンと組み合わせた第2世代のe-POWERの静粛性と快適なドライビング性能、ミニバンとして世界初搭載となるハンズオフもできる最先端運転支援システム『プロパイロット2.0』による、長距離でも安心してドライブできる楽しさ、さらにさまざまな技術の積み重ねでクルマ酔いを軽減するなど、運転する人も乗る人も安心してドライブが楽しめるセレナが日常使いからちょっと遠出のお出かけまで幅広いシーンで家族のために活躍いたします。近年は毎日家庭の中でも仕事でも大変忙しく働くお父さん、お母さん。そして習い事や趣味やお友達との時間など、たくさんの時間が必要なお子さまたちとそれぞれ思い思いの時間を過ごす、そんな家族が増えています。家族と過ごすかけがえのない時間には限りがあります。だからこそ、このセレナを通じてその限りある家族みんなとの時間を最大限楽しんでいただきたいとの思いで企画開発してまいりました。今日のお出かけ楽しかったね、また行こうね、今度もっと遠くへ行こうよ。そんな親子の笑顔溢れる会話が自然と生まれ、何度も何度もセレナでお出かけを楽しんでもらいたい、そんな思いとこだわりを詰め込んだ新型セレナです」と紹介。
次いで登壇した入江氏は、新型セレナのデザインを紹介。歴代セレナの特徴の1つに、シュプールラインと呼ばれる機能性を兼ね備えたサイドウィンドウ下端の特徴的なウェイブしたウエストラインがあるが、新型セレナではそのシュプールライン、ラジエータグリル、リアウィンドウまでクルマの外周をぐるりとつなげ、キャビンが非常に長く、大きく見える効果とともにAピラー後ろのオペラグラスがさらに拡大され、斜め前方の視界を見やすく進化させたという。
一方、インテリアではデザインと先進性が融合することでスッキリとした広がりのある空間を演出。ドアトリムからインストルメントパネルが連続してつながるダブルステッチで高級感ある室内を実現するとともに、室内の広さ感も演出しているという。また、日本人の美意識から生まれた段差のないシームレスな佇まいを新型セレナで採用するとともに、「開発当初からこだわった1つにドアパターン下のスッキリ感があります。ドアとシームレスにインテグレートされたサイドシルの形状が躍動感溢れる立体的な造形美とともに、前席の乗降性も兼ね備えた裾よけのような機能性を加味したデザインになっています。そして、新型セレナのスッキリとしたシームレスなインストルメントパネルですが、日常使いにあると便利なものや、これからお出かけする際に必要なものをインテグレートされた収納スペースの中にきちんと収めることが可能な工夫を随所に凝らしています」と紹介するとともに、「近年、日本市場に投入してきた共通のデザインボキャブラリーであるタイムレス ジャパニーズ フューチャリズム、その集大成が新型セレナのデザインです。新時代の幕開けにふさわしい進化した新型セレナ、日本のミニバンユーザーのご家族にきっと満足していただける1台になったと思っております。ぜひ実際に見て乗って触っていただき、私たちデザイナーが最後に至るまでこだわり抜いたワクワクするデザインを体感いただければ幸いです」とアピールした。
そしてチーフ・ビークル・エンジニアの黒田氏は「私は2013年からセレナを担当して、今年ちょうど10年目です。この節目の年に、新型セレナを世に送り出す大きな喜びを感じています。歴代のセレナは家族のニーズを先取りし、家族のためのミニバンNo.1を追求してきました。それは新型セレナでも一切ぶれることはありませんでした。では、令和の家族のニーズとはどんなものなのでしょうか。かつてはママが中心という家族の形がありましたが、今は家族平等に変わってきています。共働き世帯が増加し、ママは仕事で忙しい、パパも忙しい、塾や習い事の低年齢化が進み、子供たちも忙しい。家族全員が忙しい毎日を過ごしています。だからこそ、限られた家族一緒の貴重な時間を思いっきり楽しみたい、そういうニーズが高まってきています。家族一緒の時は全力で楽しむ、そんな令和の家族のためにロングドライブの日常も楽しめるミニバンNo.1を目指そうと開発の方向性を決めました」と開発の経緯について語る。
その新型セレナのキーワードは「疲れにくくて酔いにくい」。まず疲れにくいについて、黒田氏は「1つはクルマがうるさいと声やラジオの音を集中して聞き取ろうと脳を使い、結果疲れてしまいます。2つ目は運転操作の負荷です。ハンドル操作やアクセルブレーキ、1つひとつは小さな負荷ですが、ロングドライブで積み重ねていくと疲れてしまいます」と説明するとともに、酔いにくさについては「新型セレナのために車酔いのメカニズムを研究しました。結果、2つのポイントが大事であることが分かりました。1つは急な頭の動きをさせないこと、2つ目は視界を広く取り、平衡感覚を働きやすくすること。つまり、クルマを静かに、滑らかに、見晴らしよく走らせたいというものです」と解説。
そのため、パワートレーンでは新開発となる直列3気筒DOHC 1.4リッター「HR14DDe」型エンジンに、「EM57」型モーターを組み合わせた第2世代e-POWERを採用。その特徴について、「排気量を1.2リッターから1.4リッターに拡大することで発電能力を向上し、その分回転数を下げて静かなエンジンにしています。さらに、バランサーシャフトやフレキシブルフライホイールにより、エンジンの音の大きさそのものを下げました。そして車体は遮音ガラスの採用、遮音材の強化により、発生した音をキャビン空間になるべく伝えないよう性能を向上させました」と述べるとともに、ガソリンエンジンについては「CVTに高性能な油圧コントロールバルブを採用し、変速制御を大幅に見直しました。結果、アクセル操作に応じた素直な加速フィーリングが得られました。静かさも向上しています」などとその進化について紹介した。
また、新型セレナではなめらかさにもこだわっており、黒田氏は「剛性が高く高性能なサスペンションがクルマの挙動を穏やかにします。カーブでクルマが傾くときに、なるべくゆっくりと動かすようにしました。そしてシートは、クルマの揺れを乗員の頭に伝えないようにしっかりと体幹を支えます。子供たちが乗ることの多い2列目からの視界にもこだわりました。広々とした視界と工夫されたモニター配置により、景色を目に入りやすくしました。平衡感覚を働きやすくして、酔いにくさを追求しました。そして、もちろんロングドライブと言えば日産の誇る運転支援技術プロパイロットです。先代セレナで初めて採用したプロパイロットは新型では全車標準装備です。そしてプロパイロット2.0は、ハンズオフドライブを実現する最先端の運転支援技術をトップグレードのLUXIONに採用しており、これはミニバン世界初搭載です。運転の負荷を大幅に減らして、旅先で元気に楽しんでいただける、そんな思いで開発しました。さらに、メモリー機能を追加したプロパイドットパーキングも採用し、最先端の運転支援技術を取り揃えました」とアピールしている。
最後に黒田氏は、「ご家族の思い出にセレナがお役に立つこと、それがわれわれ開発陣一同の願いです。たくさんの魅力が詰まった新型セレナ、ぜひ販売店にお越しいただき、ご試乗をいただければ幸いです。新型セレナがある、新しい毎日のイメージが広がってワクワクしていただけると自信を持ってお進めいたします。ぜひよろしくお願いいたします」と述べてプレゼンテーションを締めくくった。
藤本美貴さんが考える新型セレナの3つの推しとは？
第二部では藤本美貴さんを交えてのトークショーが開かれた。
このトークショーでは藤本さんが考える新型セレナの3つの推しポイントを中心に展開され、藤本さんは「手離し運転のプロパイロット2.0」「酔いにくい」「とにかく積める」の3点を挙げた。
藤本さんはプロパイロット2.0について「いまTV-CMでも流れていますけど、すごい気になってます。やっぱり長旅とかになると、ちょっとでも負担を減らせるかなと思うのでこれは嬉しい機能だなと思いました」と述べるとともに、「運転する人だけがいつも疲れて、もうなんか旅行楽しんでるのかな、楽しんでいないのかな、みたいなことが少しでも軽減され、本当に家族全員で楽しめるので素晴らしいなと思います」と感想を語った。
また、酔いにくさについては「私の子供の長女も酔いやすいんですけど、元々私がすごい車酔いが激しくて、子供の頃、15分ぐらいの隣町まで行くのにも本当に気持ちわるくなる子だったので、この酔うってだけでもドライブが全然楽しくないし、出かけるよって言われても全然嬉しくなかったので、そもそも酔いにくくしてくれてるっていうのは本当に嬉しいと思います」とコメント。このトークショーに藤本さんとともに登壇した日産関係者からは、新型セレナでは走行時の揺れをゆっくりなめらかにして、先代セレナと比較して車酔いの不快感を30％以上軽減していることが語られた。また、車酔いの原因の1つとなる匂いについても説明が行なわれ、内装の素材を見直して“新車の匂い”を軽減しているという。
そしてとにかく積めるについては「家族が多かったりすると、ただ人間が乗るだけではどこにもいけないので、その人間の数プラス人数分の荷物があるので、やっぱりいっぱい詰めないとどこにも行けないですよね。いっぱい詰めるっていうのはすごい嬉しいと思います」と語られた。
