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アリババと吉利汽車(GEELY)、自動運転が可能なEV開発に向けて戦略的提携

2023年2月13日(現地時間) 発表

アリババグループと吉利汽車(GEELY)が自動運転が可能なEV開発に関する戦略的提携を発表

 アリババグループは2月13日(現地時間)、中国大手自動車メーカーの吉利汽車(GEELY)と自動運転が可能なEV(電気自動車)開発に関する戦略的提携を発表した。この提携により、アリババのデジタル技術と吉利汽車の自動運転に関する専門性を持ちより、両社はクラウドコンピューティング、持続可能な開発、デジタルマーケティングなどの分野で協力を深めていくという。

 吉利汽車は、高性能なEVの販売だけでなく自動運転技術の強化を通じ自動車企業からモビリティテック企業へと飛躍を遂げようとしており、これには高性能なクラウドコンピューティングと人工知能(AI)が不可欠とされる。そのため、アリババはAlibaba Cloud(アリババクラウド)活用による高効率・高速処理の実現に加え、吉利汽車の研究所との連携による高性能なコンピューティングシステムの研究や、データ分析に基づいた製造ライン構築などの支援を行なう予定。

 近年、中国ではコネクテッドカーやEV、自動運転車が台頭しているといい、中国の国家機関である国家発展改革委員会によると中国におけるコネクテッドカーの数は2025年までに2800万台に達し、同国の自動車の82%を占めると予測されている。アリババは自動車向けクラウドコンピューティング分野における主要企業とされており、中国の自動車会社の70%以上がAlibaba Cloudのクラウドサービスを活用しているという。その一例として、中国大手電気自動車メーカーの小鵬汽車(XPENG Motors)も2022年に自動運転車のAI性能向上を目的に、Alibaba Cloudの高機能クラウドコンピューティングを導入していることを挙げている。

 アリババとの戦略的提携により、吉利汽車はアリババのECプラットフォームTmall(天猫、Tモール)のマーケティングに関する知見を活用することも可能となり、例えばTmallでは車種の検索から車両の引き取り、配送までのワンストップ・ソリューションやライブコマースなどのマーケティングツールを吉利汽車に提供している。吉利汽車の創業者で会長の李書福(リー・シューフー)氏は、1月に新プレミアムSUVモデル「Xingyue L Hi-P」をタオバオライブ(淘宝直播)において披露し、同ライブコマースは100万人以上に視聴された。視聴者はこのライブコマースから試乗予約や注文をすることもできたという。