ニュース

ネクスティ エレクトロニクス、JERAとトヨタの大容量スイープ蓄電システム向けパワー基板を開発

2023年2月28日 発表

開発したパワー基板

 ネクスティ エレクトロニクスは2月28日、JERAとトヨタ⾃動⾞による世界初の大容量スイープ蓄電システム向けにパワー基板を開発したことを明らかにした。⼤容量スイープ蓄電システムは、使用済みの電動車用(HEV、PHEV、BEV、FCEV)のバッテリを複数台並べて運転する蓄電システムで、それらを制御するネクスティ エレクトロニクスのパワー基板が実装された。

 ネクスティ エレクトロニクスの顧客であるトヨタ⾃動車は、2018年から電池のリユース技術の確立に向けて検討を重ねており、共同パートナーであるJERAとともに、電力系統への接続を含めたスイープ蓄電システムの運転を2022年10月より開始している。

スイープ蓄電システム概要

 スイープ蓄電システムは、バイパス経路を形成するパワー基板と、電池状態を監視してバイパス経路をコントロールする制御基板によって構成されている。パワー基板は、バイパス経路をトランジスターで切り替え、直列に接続したそれぞれの電池またはバイパスに、100A以上の大電流を流すため、トランジスターのスイッチング制御、および熱設計の技術が必要となる。また、充放電量を任意かつ個別にコントロールできる制御基板は、電池の総電圧などを測定してパワー基板に指令を出すため、信号制御やノイズ抑制などアナログ回路のノウハウも必要となるとしている。

 ネクスティ エレクトロニクスは、豊田通商グループのエレクトロニクス商社で、トヨタ⾃動車が検討を重ねているスイープ蓄電システムの開発に2019年4月より参画。ネクスティ エレクトロニクスが開発した基板は、制御基板で正しく電池残量を測定し、パワー基板を効率よくスイッチングすることで、蓄電システム全体の出力を上げることに成功した。