ニュース
フォルクスワーゲン、新型EV「ID.2all」コンセプト世界初公開 シリーズ初の前輪駆動モデルは2026年発売
2023年3月16日 10:49
- 2023年3月15日(現地時間)開催
独フォルクスワーゲンは3月15日(現地時間)、ドイツ ハンブルグのCongress Center Hamburgにおいて新型BEV(バッテリ電気自動車)「ID.2all」のコンセプトモデルを世界初公開した。
同社はこれまでBEVのID.シリーズを数々投入してきたが、いずれも後輪駆動ベース(4輪駆動モデルもあり)だった。今回のID.2allコンセプトは他のID.シリーズ同様、MEBプラットフォームを採用しつつモーターを前輪に搭載したのが特徴。2025年に欧州向けの生産モデルを公開、2026年に発売するとしており、目標価格は2万5000ユーロ未満とアナウンスされた。
デザインは2月1日にフォルクスワーゲンブランド デザイン部門の統括責任者に就任したばかりのアンドレアス・ミント氏が手掛けた。ミント氏は初代「ティグアン」のデザインや7代目「ゴルフ」のエクステリアデザインなどを担当し、2014年から2021年にはアウディ「A1」「e-tron GT」「Q3」「Q8」をはじめとするアウディのエクステリアデザインの再編成を指揮した。2021年からはベントレー デザインのディレクターとして、2022年夏に発表されたベントレー「バトゥール」で示されたベントレーの新しいデザイン言語を定義した人物。
ID.2allコンセプトは他のID.シリーズのような先進性を前面に押し出したデザインとは一線を画し、安定感があること、好かれること、エキサイティングであることという3つの柱に基づいたフォルクスワーゲンの新しいデザイン言語が示された。強力なスタンスを備えたボディ、フレンドリーなフロントマスクとともに「ゴルフ」で採用される力強いCピラーなどを備え、分かりやすくカッコいいデザインを引っさげてデビューした。
ID.2allコンセプトのボディサイズについては4050×1812×1530mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2600mm。166kW(226PS)を発生する駆動モーターを前輪に搭載し、航続可能距離は約450km(WLTP)とした。
世界初公開イベントではフォルクスワーゲン最高経営責任者(CEO)のトーマス・シェーファー氏、ミント氏が登壇してID.2allコンセプトについて解説を行なった。
シェーファー氏は「私がCEOになった時、私のチームにフォルクスワーゲンブランドをどこに持っていきたいか質問しました。答えとしては、フォルクスワーゲンをもう1度輝かそうというものでした。皆さまが必要とすることを提供する会社、好かれるブランド、触れることができるブランド、そのうえで皆さまの目に光を宿すことができるブランドです。言い方を変えると、フォルクスワーゲンを愛されるブランドに戻したい。それこそがわれわれのコミットメントでり、日々の牽引力になっています」とし、ブランドの方向性、あり方について説明。
また、同社は2026年までに10車種の新しいBEVを発売する予定であり、第2世代の「ID.3」、スポーティな「ID.3 GTX」、ロングホイールベースの「ID.Buzz」、フラグシップセダンの「ID.7」は間もなくの登場が予告されている。そしてID.2allについては2万5000ユーロ以下に設定されること、2026年に発売することが予告された。
ミント氏からはデザインの解説が行なわれ、力強いCピラーやホイールアーチを採用するとともに、ベルトラインからボンネットまで水平基調にすることによって安定感を出したという。またインテリアでは水平基調のコクピット、走行モードを選択するロータリースイッチなどを特徴点として紹介した。
そしてシェーファー氏は「中身はゴルフと同じくらい広く、外観はキュートでポロと同じぐらい小さく、ポロと同じくらい手を伸ばしやすい価格」とID.2allについて語るとともに、「フォルクスワーゲンは動き続けています。明確なプランを持って、100%のカスタマーフォーカスを持って進んでおり、皆さまの目の光を輝かせるブランドになります」と、ふたたび愛されるブランドになるという意欲を示してプレゼンテーションを終えた。