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2代目「グリコワゴン」お披露目イベント開催 「ステップワゴンe:HEV AIR」ベースに江崎グリコ、ホンダ、シバックスが車両製作

2023年3月30日 開催

ホンダ ステップワゴンe:HEV AIRをベース車とした2代目「グリコワゴン」

 江崎グリコは「日本中に、おいしさと健康、ワクワクと笑顔を届けたい」という思いから、2010年に「グリコワゴン」というイベントカーを製作。同年の12月から約2か月かけて日本全国を縦断。そして東日本大震災の発災後は被災地訪問などを行ない、全国に笑顔とグリコ製品を届ける活動などを続けた結果、現在の走行距離は10万kmを超えたという。

 このグリコワゴンは現在も現役で活動しているが、2023年に本田技研工業、自動車開発支援を手掛けるシバックスと共同で、2代目となる「グリコワゴン」を製作。その発表会が3月30日、東京都内で開催された。

2代目「グリコワゴン」。ベースはホンダ ステップワゴンe:HEV AIR
デザインは全国の子どもを対象とした公募にて集まった189件の応募作品をもとに仕上げたもの
車両の製作は自動車開発支援を行なう株式会社シバックスが担当
2代目「グリコワゴン」のフロントグリルにはグリコのシンボルマークが付く
グリコのプリンをイメージしたホイールカバーデザイン
ボディサイドのグリコワゴンの文字はステッカーではなく立体で作られていた
グリコワゴンはテールゲートを開けて活動するのでテールゲート側はむしろ正面。ガラスエリアをなくして一面デザインとしている
ルーフの上にはグリコを代表するお菓子であるポッキーやビスコ、ジャイアントコーンのほかにアーモンドを模した造形物を載せている
造形だけでなく質感や色の再現にもこだわった作り
ルーフはチョコレートをイメージしたカラー
前席。白と赤のシートカバー、ステアリングカバーが追加される。機能面に変更はない
2代目「グリコワゴン」のアンベールは発表会を行った商業施設のフロアにて。グリコワゴンのデザイン公募に応募した子ども達が招かれ、合図と同時にベールに巻かれているリボンを解いた
アンベール後はリア側にまわってテールゲートが開けられた
子ども達も2代目「グリコワゴン」を観るのははじめてで、中の様子に興味津々
テールゲートが完全に開くと全員がのぞき込み、そして駆け寄っていった。こうした子どもの反応は、初代「グリコワゴン」が訪問した土地でもよく見られる微笑ましい光景だという
2代目「グリコワゴン」の内部
モニターに出ている「顔」は子ども達との会話にあわせて表情が変えられる
ほかギミックとしてはお菓子を載せた「手」がせり出してきて、お菓子を子ども達に渡すと言うものがある
2代目「グリコワゴン」誕生

 この2代目「グリコワゴン」及び初代「グリコワゴン」は4月12日~4月27日の期間、グリコの工場見学施設である「グリコピア神戸」にて展示される。その後は4月29日~5月31日に埼玉県北本市にある「グリコピア・イースト」での展示となる。また、グリコピア・イーストでは4月29日~5月21日の土日祝(休館日となる5月5日は除く)に体験イベントを開催。来場者には栄養菓子「グリコ」がプレゼントされるとのことだ。

2代目「グリコワゴン」お披露目イベント/関係者トーク編

2代目「グリコワゴン」お披露目イベントでは中心的メンバーによるトークパートも用意されていた
江崎グリコ グループ広報部 石河壮太朗氏
江崎グリコ デザイン部 大塚夏希氏

 2代目「グリコワゴン」お披露目イベントでは、車両製作の中心的メンバーによるトークパートも用意されていたので、ここからはその内容を紹介していく。

 江崎グリコ グループ広報部 石河壮太朗氏からはこれまでのグリコワゴン活動の紹介が行なわれた。

 石河氏は「グリコワゴンは日本中に笑顔とワクワクを届けたいという思いから生まれました。活動を開始した2010年には小学校や学童保育の現場などを対象に日本縦断の旅を行ないました。そして東日本大震災の発災後は、被災地支援に活動の軸を移していきました。また、グリコが行なっている「GLICODE(グリコード)」という遊びながらプログラミングが学べる活動にも出向き、授業をがんばった子ども達を応援することも行なってきました。この活動で使用していた初代『グリコワゴン』の姿は子ども達にはとても好評で、現場ではグリコワゴンに触って笑顔を見せる子どもも多くいました。そんな初代『グリコワゴン』は現在の走行距離が10万kmを超えています」と初代「グリコワゴン」活動の紹介をした。

2010年から活動している初代「グリコワゴン」

 さらに石河氏は「10年以上行なってきたグリコワゴン活動です。われわれとしてこの活動は子ども達の力になれるものと思っています。そこでグリコワゴン活動にもっと力を入れていきたいという考えから2代目『グリコワゴン』を企画しました。この2代目を作るにあたってグリコだけでなく、この活動に共感いただける企業さまと一緒にやれたらと思っていたところ、ご縁があったのが本田技研工業さまでした」と2代目「グリコワゴン」誕生の経緯を説明した。

 続いてはグリコワゴンのデザインについて、江崎グリコ デザイン部の大塚夏希氏が説明。大塚氏は「グリコワゴンのデザインコンセプトはみんなでしっかりと話し合いました。そのなかでテーマとなったことは“どうやったら子ども達が笑顔になってくれるだろう”ということです。そこでたどり着いたのは子ども達が喜んだり、心躍らせるものは子ども達が知っているものということです。そんなことから2代目グリコワゴンのデザインのアイデアを出してもらうため、デザイン作品を募ることになりました」と、2代目グリコワゴンの最大の特長であるデザイン作業のキーポイントを紹介した。

子ども達が笑顔になるためのキーは子ども達が知っているということからデザイン画を公募。集まった応募作は189件にもなった
本田技研工業株式会社 デザインセンター 浅井啓輔氏
本田技研工業株式会社 デザインセンター 大富部渚氏

 続いてはホンダ側のコメントだ。まずは本田技研工業 デザインセンターの大富部渚氏からこの活動に対しての発言。大富部氏は「本田技研工業としての2代目グリコワゴン活動への参画は“デザインにおける社会貢献”となります。ホンダとしての社会貢献の理念は「夢のある明日の社会づくり」がテーマであり「技術は人のために」という創業者の言葉もありますので、それらにも則ったものになります」と活動に参加した理由を語った。

 続けて「われわれはデザインセンターに所属していますが、デザインの力でどうやって子どもを笑顔にするか?という部分にとても興味を持ちました。そういったことも含めて、グリコさん側へぜひ一緒にとお願いをしました」と説明した。

 実際のデザイン作業については本田技研工業 デザインセンターの浅井啓輔氏から説明がされた。浅野氏は「集まった応募作からは子ども達のパワーや想いみたいなものがすごく伝わってきました。それだけに“どれかを選ぶか”がなかなかできませんでした。そこで行ったのが応募作品に描かれている“要素”に着目し、それらを絞りこんでいくことでした。具体的には、多くの応募作品に描かれていた“虹”だったり“グリコのお菓子をルーフに載せる”などです。それら要素を大事にしながら“みんなの想いをカタチにするデザイン”をグリコさん、シバックスさん、そしてわれわれが協力して作りあげていきました」と語った。

集まった応募作に多く書かれていた要素を絞っていくことで「みんなの想い」をデザインしていった。虹も多くのデザインに描かれていたそうだ
株式会社シバックス 横浜開発センター センター長 西岡大輔氏

 でき上がったデザインを実車に落とし込むのは自動車開発支援を手掛けるシバックス。そのシバックスからは2代目グリコワゴン製作を担当した西岡大輔氏が来ていた。西岡氏によると「グリコさん、ホンダさんのグリコワゴンに掛ける想い、そしてひとりでも多くの子ども達に笑顔を届けたいという気持ちなどは私たちにも突き刺さるものでした。そして製作が始まりましたが、苦労したところは多かったです(笑)。とはいえこれを作りあげた先にある子ども達の反応のことを考えると楽しいことでもありました」と語った。

 この2代目グリコワゴンは最初に書いたように4月12日~4月27日は「グリコピア神戸」。その後は4月29日~5月31日は「グリコピア・イースト」で展示されるので、お近くの方であれば、グリコワゴンとグリコワゴンを囲む子ども達を見に行ってはいかがだろうか。