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ホンダ、医療機関向け新型ドライビングシミュレーター「DB型Model-A」発売 軽度な半側空間無視の検出をサポート

2023年4月18日 発表

Hondaドライビングシミュレーター「DB型Model-A」

 本田技研工業は4月18日、医療機関向けの本格ドライビングシミュレーター「DB型Model-A」を発売した。DB型Model-Aは、運転復帰を目指すリハビリテーション加療中の人の運転能力の評価をサポートするもので、販売ラインアップは、より実車に近い操作感覚を体験できる大画面装備のフルセット版と、省スペースで設置できるコンパクト設計のサブセット版の2種類を用意。それぞれ価格はオープンプライス。

 ドライビングシミュレーターDB型Model-Aの主な特徴としては、運転反応検査、運転操作課題、危険予測体験、総合学習体験、環境別走行体験などのメニューを用意して、実際の自動車運転シーンに近い環境で、認知・判断・操作など運転の現状を数値化することで、各種検査と比較をすることができる。特に運転操作課題のメニューでは、画面に表示されたマークに対応した操作を行ない、正解率や誤反応回数、反応時間の平均や道路走行車線と走行位置のズレなどを数値化可能。

 これにより、例えば、脳卒中で主に右半球を損傷した際に、視力の問題とは別に左側の空間が認識しにくくなるなど、片側の空間が認識しにくい状態の人においては、これまでの反応検査ソフトでは難しかった軽度な半側空間無視の検出をサポートすることができるとしている。

メニューイメージと、評価の結果例
運転操作課題ソフトの表示例と、経度な半側空間無視評価の結果例、道路中心(指定線)からの距離グラフ例
販売ラインアップ

 DB型Model-Aは、2021年にモデルチェンジした安全運転教育用「Hondaドライビングシミュレーター」に、現在簡易型四輪ドライビングシミュレーター「Hondaセーフティナビ」用に販売しているリハビリテーション向けソフト「運転能力評価サポートソフト」を実装したもので、同社では医療機関でのリハビリテーションプログラムなどで活用してもらうことを想定している。

 運転能力評価サポートソフトにより、認知・判断・操作などの運転に関わる動作や反応速度の測定データを数値化することで、運転能力をより客観的に比較・評価することを可能にするとともに、DB型Model-Aでは、Hondaセーフティナビに対し、実車同様の部品を数多く採用したことにより、運転操作に必要な手足の複合的動作を実際のクルマを運転しているような感覚で体験することができるとしている。

 同社では、今回発売するドライビングシミュレーターに加え、交通教育センターで提供している実車訓練「自操安全運転プログラム」を通じて、リハビリテーション加療中の人の安心・安全な運転復帰に貢献することを目指すとしている。