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ナビタイム、高速道路で全国100地点の混雑傾向をAIで予報する「AI渋滞予報」提供開始

2023年4月21日 発表

 ナビタイムジャパンは4月21日、従来の渋滞予測技術と比べて、約35%精度を向上させた「AI渋滞予報」を、リアルタイム道路交通情報アプリ「渋滞情報マップby NAVITIME」で提供を開始した。アプリのダウンロードは無料で、使用する機能によってプレミアムコース会員の登録が必要となる。

 新たに提供を開始する「AI渋滞予報」では、高速道路上でよく道路混雑が発生する全国100区間の朝7時から23時までの渋滞を予測し、各区間がいつもよりも混んでいるかをグラフや地図上で表示する。

全国100地点の混雑傾向をAIで予報する

全国100地点の混雑傾向をAIで予報

「きょうの渋滞予報」画面にて、地図上に混雑が発生しやすい区間の渋滞予報をアイコンで表示し、天気予報のようにひと目でその日に予想される渋滞具合が分かるようにした。また、「渋滞予報グラフ」では1時間ごとの渋滞度合いをグラフで表示し、普段に比べてどこかどのくらい混むのかを直感的に分かるようにした。

 具体的には「混雑度マーカー」として、地図上に主要渋滞区間100区間にピンク・黄色・水色の3段階のマーカーを表示し、渋滞予報の概要を確認できるようにした。

「混雑度マーカー」をタップすると「渋滞予報グラフ」と「渋滞ピン」が表示され、「渋滞予報グラフ」では主要渋滞区間の「いつもの渋滞」グラフと「今日の渋滞予報」グラフを重ねて表示し、どの時間帯が、いつもよりもどのくらい混みそうかを表示。「渋滞ピン」では、主要渋滞区間の場所と渋滞予報の概要を表示。その区間で予測される、その日の最大の渋滞長と時間帯をひと目で分かるようにした。

 現在時刻の渋滞状況を可視化したヒートマップと併せて確認することで、地図で表示したエリアの現在と未来の渋滞状況から、空いているエリアや道を選ぶのに便利な機能としている。

AIを活用することで予測精度は35%向上

「AI渋滞予報」によるAIを活用した渋滞予測の精度については、従来の渋滞予測技術を使った場合に比べて、精度が約35%向上したという。AIモデルは自社開発で、VICSから配信される渋滞長データを年末年始・お盆のほか、GWなどの行楽シーズンも含めた約2年分学習させた。前日0時から当日6時までの渋滞長から今後の推移を予測することで、平日・休日の連続的な推移も考慮した。

 開発にあたっては、これまで長年培ってきた渋滞予測や道路交通情報などの知見を生かして、複数のニューラルネットワークモデルや機械学習モデルから、渋滞予測の特徴にあったモデルを独自に選定し、その組み合わせ方やパラメータチューニングによって、該当区間の前日の推移だけではなく、他の区間の相互関係も考慮して予測結果を判定させた。

 ナビタイムジャパンでは従来から交通渋滞を移動の課題ととらえ、ユーザーが渋滞を事前に回避できるよう、渋滞予測の精度向上や地図表示・経路探索への反映に取り組んできた。長い区間かつ1日単位の渋滞予測は、現状提供しているIC間の短期的な予測や「渋滞カレンダー」のような何日・何か月先までの長期予測を組み合わせるだけでは、高精度な予測が難しいため、AIを利用することでより高精度で、より先の時間までの渋滞予測が可能となったとしている。