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SUPER GT第2戦富士予選 GT500は100号車「STANLEY NSX-GT」、GT300は56号車「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」がポール獲得

2023年5月3日~4日 開催

SUPER GT第2戦 富士の予選でGT500クラスのポールポジションを獲得した100号車「STANLEY NSX-GT」

 SUPER GT第2戦「2023 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE」(以下、第2戦富士)が、5月3日~4日の2日間にわたり静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイで開催されている。コロナ禍がほぼ終わり、コロナ関連の制限がすべて撤廃された状態で初めてゴールデンウィークに開催された第2戦富士には、予選日にも関わらず多くの観客が集まった。

 初日(5月3日)には公式練習と予選が行なわれ、GT500クラスは100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)がポールポジションを獲得し、2位は19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)、3位は16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組、BS)。

 GT300クラスは今回の大本命と考えられていたディフェンディングチャンピオン 56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R (ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平組、YH)がポールを獲得。2位は31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)、3位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)、3位は6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也組、YH)となった。

感染症対策が自己管理となり、SUPER GTのサーキットでの楽しさが戻ってきたゴールデンウィーク恒例の第2戦富士

第2戦富士の初日は好天に恵まれた

 2020年にCOVID-19のパンデミックが発生して以降、ゴールデンウィーク中の恒例イベントとなるSUPER GTの第2戦富士は、さまざまな制約の中で開催されてきた。人気のイベントである「ピットウォーク」や「グリッドウォーク」、さらにはSUPER GTの車両が走っているコース内を来場客を乗せたバスが走る「サーキットサファリ」など、さまざまなイベントが感染症対策のため、すべてないし一部が開催されないという制約の中でSUPER GTは開催されてきた。

 しかし、今シーズンはそうした制約はすべて撤廃され、感染症対策は観客の自己管理という形になっている。今回の第2戦富士では昨年まで行なわれてこなかった予選後の「キッズウォーク」、決勝後の「コースウォーク」も復活することが明らかにされている。

 コロナ後初めてゴールデンウィーク中に制約なしで開催されるSUPER GT第2戦富士は、多くの観客を集めている。早朝から場内だけでなく、場外の駐車場にもクルマが停まっている状況で、正確な来場者数は主催者の発表を待つ必要があるが、ここ数年では一番という客入りになりそうだ。

 この観客増を後押ししているのは、ゴールデンウィークの5月らしい非常によい天候だ。天気は快晴でサーキットの各所からは富士山がよく見え、20~21℃ととても過ごしやすい気温になっており、予選日とは思えないほどの観客の入りを後押ししている。お昼にはピットウォークも行なわれ、コロナ前のように観客がドライバーに近づくことも可能だし、レースクィーンが整列して撮影に応じるなど、コロナ前に行なわれていたSUPER GTの当たり前の「日常」がすっかり戻ってきたことを実感することができた。

 また、グランドスタンド裏では自動車メーカーなどがブースを出しており、関連記事で紹介しているGRスープラの特別仕様車が展示されるなどして注目を集めている。

GT500クラスのポールは100号車 STANLEY NSX-GT、明日の決勝に向けて好位置を確保

 2019年シーズン以来の日常が戻ってきたSUPER GTだが、第2戦富士では開幕戦と同じように激しい予選が行なわれ、明日の決勝レースに向けたグリッドが決定した。

 GT500クラスの予選では、予選1回目(Q1)は激しいタイムの出し合いとなった。このセッションでは開幕戦で上位に入った車両はサクセスウェイトが効いており、ポイントリーダーの23号車 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ組、MI)、ランキング2位の3号車 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠組、MI)はいずれも10位と9位とQ1を突破できなかった。

GT500クラスのポールポジションを獲得した100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)

 それに対してランキング3位の8号車 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹組、BS)は2位のタイムをマークしてQ2へと進んだ。その8号車を上まわってトップタイムをマークしたのは同じARTAの16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組、BS)で、1分26秒595をマークして2位の8号車に0.222秒差でトップになった。

 3位は24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組、YH)で、日産Z勢の中では唯一Q2へ進むことができた。トヨタ勢のトップは14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太組、BS)で4位に入った。このQ1ではホンダ+ブリヂストンの組み合わせが猛威をふるい、Q2へ進めるトップ8にホンダ+ブリヂストンの4台すべてが入ったのが印象的だった。

GT500クラス2位の19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)

 予選2回目(Q2)は、各社ともギリギリまでタイヤを温める形で最後の2分にタイムアップしていく形になった。その中でトップタイムをマークしてポールポジションを獲得したのは100号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐組、BS)。1分26秒420というタイムをマークしてポールを獲得した。その100号車にわずか0.076秒差で2位になったのが19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組、YH)。3位は16号車 ARTA MUGEN NSX-GT。4位は14号車 ENEOS X PRIME GR Supraで、5位は日産勢の最上位となった24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Z、6位は36号車 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋組、BS)という結果になった。

GT500クラス3位の16号車 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹組、BS)

GT500クラスの予選結果順位(正式結果)

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイトQ1Q2
1100STANLEY NSX-GT山本尚貴/牧野任祐BS1分27秒2421分26秒420
219WedsSport ADVAN GR Supra国本雄資/阪口晴南YH41分27秒2401分26秒496
316ARTA MUGEN NSX-GT福住仁嶺/大津弘樹BS1分26秒5951分26秒609
414ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/山下健太BS161分26秒9681分26秒743
524リアライズコーポレーション ADVAN Z佐々木大樹/平手晃平YH1分26秒8921分26秒779
636au TOM'S GR Supra坪井翔/宮田莉朋BS1分26秒9851分26秒786
78ARTA MUGEN NSX-GT野尻智紀/大湯都史樹BS221分26秒8171分26秒816
817Astemo NSX-GT塚越広大/松下信治BS81分27秒1891分26秒953
93Niterra MOTUL Z千代勝正/高星明誠MI301分27秒538
1023MOTUL AUTECH Z松田次生/ロニー・クインタレッリMI421分27秒584
1137Deloitte TOM'S GR Supra笹原右京/ジュリアーノ・アレジBS1分27秒649
121MARELLI IMPUL Z平峰一貴/ベルトラン・バゲットBS101分27秒704
1338ZENT CERUMO GR Supra立川祐路/石浦宏明BS121分27秒864
1464Modulo NSX-GT伊沢拓也/太田格之進DL21分27秒912
1539DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛/中山雄一BS61分28秒286

GT300クラスは大本命の56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rがポール獲得

 GT300の予選は、通例通り出走した26台がAグループとBグループという2つのグループにわけられて予選1回目(Q1)が行なわれ、それぞれ上位8台が予選2回目(Q2)に進む形になった。

GT300クラスのポールポジションを獲得した56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平組、YH)

 Q1 Aグループは10号車 PONOS GAINER GT-R(安田裕信/大草りき組、DL)が1分35秒697という2位に0.244秒差をつける好タイムをマークしてAグループのトップでQ2へ進んだ。2位は4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)、3位は6号車 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也組、YH)となった。開幕戦に優勝した18号車 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻組、YH)は60kgという一番重いサクセスウェイト(ポイント×3kgのウェイトハンデのこと)を積んでいながら8位でギリギリQ2へ進むことができた。

 Q1 Bグループのトップは2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規組、BS)で1分35秒512というタイムでAグループのトップも上まわった。2位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)、3位はこのレースの大本命とみられている昨年のディフェンディングチャンピオン56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平組、YH)が順当に入りQ2に進んだ。開幕戦2位で48kgのサクセスウェイトを搭載している65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組、BS)は8位でギリギリQ2へと歩を進めることになった。なお、有力チームでは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組、DL)は午前中の公式練習でマシントラブルが発生して修復に時間がかかったことなどが影響して10位に終わり、Q2へ進むことができなかった。

GT300クラス2位の31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)

 上位16台のグリッドを決めるQ2では、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手がドライブする56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rが1分35秒176というタイムをマークして2位に0.062秒差をつけてトップタイムをマークして2位に入った。2位は小高一斗選手がドライブする31号車 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生組、BS)となり、このレースがSUPER GTデビュー戦となる根本悠生選手(Q1を走行した)は初めてのSUPER GTレースを2位という好グリッドからスタートすることになる。3位は最後の最後にタイムアップした谷口信輝選手がドライブする4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGが入った。

GT300クラス3位の4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組、YH)

 以下、4位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰組、BS)、5位は2号車 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規組、BS)、6位は88号車 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥組、YH)という結果になった。

GT300クラスの予選結果/上位16台(正式結果)

順位カーナンバーマシンドライバータイヤサクセスウェイトQ1Q2
156リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平YH31分35秒7261分35秒114
231apr LC500h GT嵯峨宏紀/小高一斗/根本悠生BS1分35秒9501分35秒176
34グッドスマイル 初音ミク AMG谷口信輝/片岡龍也YH61分35秒9211分35秒277
452埼玉トヨペットGB GR Supra GT吉田広樹/川合孝汰BS181分36秒3441分35秒279
52muta Racing GR86 GT堤優威/平良響/加藤寛規BS1分35秒5121分35秒286
688JLOC ランボルギーニ GT3小暮卓史/元嶋佑弥YH1分35秒5201分35秒339
711GAINER TANAX GT-R富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介DL1分35秒7491分35秒420
810PONOS GAINER GT-R安田裕信/大草りきDL1分35秒6971分35秒447
965LEON PYRAMID AMG蒲生尚弥/篠原拓朗BS481分36秒0221分35秒576
1096K-tunes RC F GT3新田守男/高木真一DL1分35秒7541分35秒601
1160Syntium LMcorsa GR Supra GT吉本大樹/河野駿佑DL91分35秒7881分35秒716
126DOBOT Audi R8 LMS片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也YH1分35秒9871分35秒840
1325HOPPY Schatz GR Supra GT菅波冬悟/野中誠太YH1分36秒1881分35秒915
145マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号冨林勇佑/松井孝允YH1分36秒3841分36秒187
1518UPGARAGE NSX GT3小林崇志/小出峻YH601分36秒6421分36秒362
1687Bamboo Airways ランボルギーニ GT3松浦孝亮/坂口夏月YH121分36秒2901分36秒381
1750ANEST IWATA Racing RC F GT3イゴール・オオムラ・フラガ/古谷悠河/小山美姫YH1分36秒101
18244HACHI-ICHI GR Supra GT佐藤公哉/三宅淳詞YH331分36秒744
1961SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝DL1分36秒155
2020シェイドレーシング GR86 GT平中克幸/清水英志郎/山田真之亮DL1分36秒759
217Studie BMW M4荒聖治/柳田真孝MI151分36秒270
2230apr GR86 GT永井宏明/織戸学/小河諒YH1分36秒848
2327Yogibo NSX GT3岩澤優吾/伊東黎明YH241分36秒743
24360RUNUP RIVAUX GT-R青木孝行/田中篤/大滝拓也YH1分37秒220
2522アールキューズ AMG GT3和田久/城内政樹/加納政樹YH1分37秒740
2648植毛ケーズフロンティア GT-R井田太陽/甲野将哉/眞田拓海YH1分37秒914

 SUPER GT 第2戦富士の決勝レースは、明日5月4日の13時30分にスタートする予定になっている。昨年の第2戦富士は450kmの予定だったが、赤旗中断が長くなり、最終的にセーフティカー先導で予定の周回数に達しないまま終了することになった。今年はどんなレースになるのか、今から明日の決勝レースが楽しみだ。今の天気予報では明日も今日と同様の好天で、気温も同じ程度だとされている。

 なお、チケットの当日販売などの情報に関しては富士スピードウェイのWebサイトをご参照いただきたい。サーキットに行く場合には、レース中継映像が現地限定(位置情報でサーキット近くにある端末限定で配信される)で「Grooview Multi」に配信されるので、サーキットに行く前にスマホなどに「Grooview Multi」アプリをインストールしておくことをお勧めしたい(同時にストリーミングの受信はスマートフォンのバッテリを消費するので、モバイルバッテリなどで充電できるように対策しておくこともお忘れなく)。

 また、ライブ中継に関しては、BS放送のJ SPORTS4ないしはストリーミングのJ SPORTSオンデマンドで13時から放送される予定。詳しくはJ SPORTSのWebサイトをご参照いただきたい。