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ダイハツ、海外市場向け車両の承認申請における不正行為に関する第三者委員会を設置

2023年5月15日 発表

 ダイハツ工業は5月15日、同社が開発を行なった海外市場向け車両の側面衝突試験の認証申請における不正行為に関して、同社と利害関係のない外部の法律面および、技術面での専門家から構成される第三者委員会を設置したと発表した。

 ダイハツは第三者委員会に対して、独立した立場で今回の不正行為に関する事案の全容解明および真因分析に加え、同社の組織の在り方や開発プロセスにまで踏み込んだ再発防止策の提言を委嘱。第三者委員会の調査に全面的に協力していくとした。

 現在、海外仕向け地各国の政府認証機関、審査機関の指導の下、安全を確認した仕向け地では、出荷、販売を再開しているとのこと。

 不正行為の概要は、ダイハツが開発を行なった海外市場向け車両(4車種)の側面衝突試験において、認証する車両の前席ドア内張り部品の内部に不正な加工を行なっており、法規に定められた側面衝突試験において違反があったことを確認したというもの。4月28日に「側面衝突試験の認証申請における当社の不正行為について」にて公表していた。

 ダイハツは、今回の不正はクルマの安全に関わる領域での不正であり、社会的に許されるものではないと考えているといい、経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成がおろそかになる中で、正しいクルマづくりを見失い、現場が不正行為をせざるを得ない環境となってしまったことで発生したと考えられるとし、現場が内部通報という形で声を上げたとしている。

 今回の不正行為を単に1つの業務行為の問題で終わらせることなく、企業グループ全体の理念、行動指針に結びつけた改革となるよう、まずは全員で立ち止まり、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を徹底的に究明し、改善・再発防止に取り組み、膿を出し切ることで、二度と同じ過ちを繰り返さない会社へと変える決意で取り組んでいくとした。

 また、経営マネジメントは直ちに現場とのコミュニケーションをとり、本音で話のできる職場づくりに注力していくとのこと。

 第三者委員会の概要は以下の通り。

・委員長
貝阿彌誠(かいあみまこと):弁護士 大手町法律事務所所属(元東京地方裁判所所長・東京高等裁判所部総括判事)

・委員
仁科秀隆(にしなひでたか):弁護士 中村・角田・松本法律事務所パートナー

・委員
中山寛治(なかやまかんじ):公益財団法人 自動車情報利活用促進協会 理事(元国土交通省 自動車交通局 技術安全部部長)