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スズキ、ダイハツ、トヨタが共同開発する新型バッテリEV商用軽バン、G7サミットが開かれる広島で公開中

2023年5月19日~21日 一般展示

スズキ、ダイハツ工業、トヨタ自動車が共同開発するBEV商用軽バン(プロトタイプ)。写真はダイハツ仕様

 自工会(日本自動車工業会)は、「G7広島サミット」に際して5月18日~21日の期間にG7の国際メディアセンターに隣接する「ひろしまゲートパークプラザ」(広島県広島市中区基町5)で、自動車業界のカーボンニュートラル(CN)達成に向けた取り組みを紹介する展示「Diversity in Carbon Neutrality -カーボンニュートラルにも、多様性を。-」を開催している。

 日本の自動車業界は、2050年にCO2排出を実質ゼロにするCNに向けて全力で取り組むことを宣言しており、自工会ではかねてより「CNへの山の登り方は1つではない」、CO2削減は「みんなで協力して」「今すぐできることから」取り組む必要がある、という考えのもと、「多様な選択肢」の重要性を継続的に発信している。今回の展示では、自工会会員各社が多様なモビリティを会場に展示し、CNに向けた具体的な社会実装の取り組みや、日本らしい「CNへの山の登り方」を提案するという。

 その展示の中でひと際目立つのが、5月17日にスズキ、ダイハツ工業、トヨタ自動車から発表されたばかりのBEV(バッテリ電気自動車)商用軽バン(プロトタイプ)だ。このモデルは3社で共同開発したバッテリEVシステムを搭載し、一充電当たりの航続距離は200km程度を見込む。車両についてはダイハツで生産が行なわれ、スズキ、ダイハツ、トヨタがそれぞれ2023年度内に導入する予定となっている。

 BEV商用軽バンの導入にあたっては、スズキ、ダイハツの小さなクルマづくりのノウハウとトヨタの電動化技術を融合し、軽商用車に適したBEVシステムを3社で共同開発。CJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)も参画することで効率的なラストワンマイル輸送に最適な仕様を追求し、配送業などのユーザーニーズに応える車両を目指して現在開発を進めているという。

 車名については今のところ公表されていないが、発表時に公開されたオフィシャルカットでは化粧板に「EVERY(スズキ)」「HIJET CARGO(ダイハツ)」「PIXIS VAN(トヨタ)」の表記があることから、各社その名称をベースにすることが予想される。

 ひろしまゲートパークプラザに展示されたモデルはダイハツ仕様で、ボディサイズは3395×1475×1890mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2450mmと、ベースとなるガソリンモデルと変わらない。4人乗りで最大積載量は350kg。タイヤサイズは145/80R12で、駆動は後輪が担う。

BEV商用軽バンのボディサイズは3395×1475×1890mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2450mm
充電ポートはフロントに
ダイハツで言うところの予防安全機能「スマアシ」も備わる?
電気自動車であることをアピール
インテリアもガソリンモデルと大きく違いはないが、シフトレバーやエアコンまわりのレイアウトが異なり、シートヒーターも備わるようだ

 なお、展示の一般公開は5月19日~21日の10時~18時。G7会期中は立ち入り制限などがかかる可能性があるため、開催時間については変更になる場合があるとのこと。会場には今回のBEV商用軽バンを含めた乗用、商用、軽、二輪のBEVフルラインアップが並ぶとともに、水素・CN燃料(バイオ燃料、合成燃料)といったエネルギーをつくる・運ぶ・使うの一気通貫の取り組みなどについても紹介されている。興味のある方はぜひ会場に足を運んでほしい。

「Diversity in Carbon Neutrality -カーボンニュートラルにも、多様性を。-」展示内容(予定)

・乗用、商用、軽、二輪を含めたBEVのフルラインアップ
・エネルギーマネジメントや資源循環など、社会に役立つBEVのバッテリの取り組み
・商用車の電動化による物流領域でのCO2削減の取り組み、FCEV/BEVの大型/小型トラック・商用軽バン
・水素・CN燃料(バイオ燃料、合成燃料)等、エネルギーをつくる・運ぶ・使うの一気通貫の取り組み
・クルマ好きのお客さまに応えるCNの取り組み
・生活の足として、ラストワンマイルの移動を支える日本発の軽自動車の取り組み