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フォルクスワーゲン、ドイツのエムデン工場で日本向け「ID.4」の生産を立ち上げ
2023年5月22日 13:28
- 2023年5月22日 発表
フォルクスワーゲン ジャパンは5月22日、2022年11月に導入したフル電動SUV、「ID.4」の日本向け車両生産を従来のドイツ ツヴィッカウ工場からエムデン工場に移管し、夏以降も順次納車を再開すると発表した。
グレード構成はエントリーグレードの「ID.4 Lite」(514万2000円)と、上級グレードの「ID.4 Pro」(648万8000円)の2グレード展開となる。
新型ID.4は、2022年11月に「Launch Edition」として日本市場向けの導入記念特別仕様車を発売し、11月時点で全国158拠点のID.4取扱店舗でのLaunch Editionはすでに完売。現在は取扱店舗数を217拠点(2023年5月現在)に拡大して標準モデルの受注活動を実施している。
2022年に日本市場に導入したID.4 Launch Editionは、全数MEB(モジュラー・エレクトリックドライブ・マトリクス、フォルクスワーゲンのEV専用アーキテクチャー)モデルの主要生産拠点であるツヴィッカウ工場(ドイツ)で生産されたが、同じドイツ国内で海外向けの輸出港も併設されているエムデン工場にID.ファミリーのMEBモデル生産ラインが新設されたことを受け、日本向けのID.4の生産を本年より同工場に移管。これにより、日本市場向けの供給を安定させるとともに、ツヴィッカウ工場と同様に自然エネルギーを活用し、実質的なカーボンニュートラル化を実現しているエムデン工場の生産ラインを活用することで、生産時の環境負荷についても引き続き低く抑えるよう配慮しているものとなる。
本年から生産される標準モデルは、バッテリ容量などはLaunch Editionと変更されていないが、制御にかかわるハードウェアおよびソフトウェアの改良により、航続距離を約10%延伸(ID.4 Proの場合、WLTCモードにおける一充電走行距離:561kmから618km)。これに伴い、価格が変更されている。
また、欧州における地政学的リスクなどの要因で不安定な部品供給状態が続いている中、安定した生産を確保するため新車装着タイヤの仕様を追加(従来仕様と混在出荷)したほか、設定ボディカラーの一部変更・追加も実施されている。
フォルクスワーゲンでは2022年、全世界で前年比+23.6%となる約33万台のEV(電気自動車)を販売したが、欧州だけでも年末時点で約10万台の納車待ち(バックオーダー)と高い需要が続いており、ID.ファミリーのEVの生産体制を増強。
エムデン工場における日本向け車両の生産はすでに順調に立ち上がっているといい、今後も引き続き安定した車両供給に向けた努力を継続することで、納車待ち期間を短縮し、年内の納車可能台数を最大化していくとした。