フォルクスワーゲン、人気アニメ「ミラキュラス」シリーズと提携 映画作品に「ID .ファミリー」が登場

フォルクスワーゲンが人気アニメ「ミラキュラス」シリーズとの提携を発表した

　フォルクスワーゲンとJérémy Zag氏が率いるMediawan Kids＆Familyは6月12日（現地時間）、共同プロデューサーとして近日公開予定のファミリー向けアニメ映画「Miraculous superheroes Ladybug and Cat Noir（ミラキュラス スーパーヒーローズ レディバグ & シャノワール）」の独占パートナーシップを締結したと発表した。

　アニメ「ミラキュラス」シリーズは、YouTubeでの再生回数が330億回を超え、130か国以上で放映され、多くの国でテレビランキング1位を獲得するなど、グローバルでファミリーポップカルチャー現象となり、世界的知名度も折り紙付きの作品。今回の映画第1作目は2023年7月5日より全世界100以上の国の映画館で上映される予定で、また2023年7月28日よりNetflixでも公開される予定。

　この作中では電気自動車がストーリーの中に意味を持って組み込まれていて、映画アニメーションのデザイナーとフォルクスワーゲンのデザイナー、さらにマーケティングチームのGilbert Heise氏とSalim Yueksel氏が緊密に協力し、ID.ファミリーを映画に合うようにデザインし直したという。

　作品には主人公のLadybug（女性のエンパワーメントを象徴するモダンなキャラクター）が乗るコンセプトカー「電動ビートル」と、Cat Noirが乗る「ID.4」と、未来的な外観を持つ2台のシティカーが登場。また、ラグジュアリーな「ID. Vizzon」はスタイリストのGabriel Agresteが、フォルクスワーゲンのアイコンでもある「ID.Buzz」は、Tom's bakeryの配達車として登場する。

　フォルクスワーゲンは、ユーザーとのコミュニケーションにおいて、毒舌やユーモアを駆使するのと同時に、広告やマーケティング、そして顧客行動も急速に変化しているとして、今回のコラボレーションは、ブランドとマーケティング活動の再編成の重要な要素だとしている。また、ここ数か月でマーベル・スタジオの「Ant-Man and The Wasp：Quantumania」とも共同プロジェクトを成功させているほか、ディズニー＋のスター・ウォーズシリーズの「Obi-Wan-Kenobi」「Andor」「Mandalorian」とも提携を実現。

　フォルクスワーゲンは2026年までに、すでに発表している「ID.3」「ID.7」「ID.Buzz」を含む10種類の新しいオール電化モデルの発表を予定。同時にアニメーションのヒーローが電動モビリティを目指すというのは、エコロジーとサステナビリティというミラクルユニバースの価値観にも、フォルクスワーゲンの2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標とする戦略「Way to zero」にも完全に合致していることから提携を決定。

　フォルクスワーゲンのチーフマーケティングオフィサーであるNelly Kennedy氏は、「このコラボレーションは、ブランドとID.ファミリーをさらにエモーショナルにするわれわれの努力を強力にサポートします。フォルクスワーゲンは、ID.ファミリーを幅広い家族連れのお客さまに、非常に好感の持てる形で紹介する機会を得ることができます。また、E-モビリティはクールであり、エキサイティングです。これはキャラクターやストーリーと完璧にマッチしています。映画の愛すべきキャラクターたちが、私たちのフォルクスワーゲンID.ファミリーのさまざまな完全BEV（バッテリ電気自動車）で冒険することに、私たちはワクワクしています」とコメントしている。

　また、本作のプロデューサーであるAton Soumache氏とEmmanuel Jacomet氏は、「この映画の素晴らしい冒険が始まった当初から、フォルクスワーゲンとのコラボレーションは、私たちにとって自然なことでした。私たちの2つのブランドは、多くの共通した価値観を持っています。よりよい世界の価値を伝えることは、プロデューサーとしての私たちの責任でもあります」とコメント。

　映画監督のJérémy Zag氏は、「クリエイティブチームと一緒に、フォルクスワーゲンの象徴的なクルマを『奇跡』の世界に適応させ、映画やパリの舞台にシームレスに溶け込ませることができたのは、とても楽しいことでした。Ladybug＆Cat Noirは、新世代を象徴し、映画の中のクルマもその現代性を体現しています。私にとっては、明日のよりよい世界を生きるために環境を大切にするという本質的なメッセージを伝えることが重要です」と述べている。