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BMW、「X1」シリーズのハイパフォーマンス仕様となるMモデル「X1 M35i xDrive」 米国で10月から市場導入予定

2023年6月28日(現地時間) 発表

BMWの新型「X1 M35i xDrive」

 BMWは6月28日(現地時間)、コンパクトSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)の新型「X1」シリーズに、Mモデルが得意とするダイナミズム、俊敏性、正確性を注入したモデル「X1 M35i xDrive」を発表した。市場導入時期は米国が10月、欧州が11月の予定。

 新型X1 M35i xDriveは、Mモデル特有のデザインキューにより、これまでのどのパフォーマンスモデルにもない力強いデザインを採用。特に大型のエアインテークを備えたフロントバンパーは、ハードなドライビングでもエンジン、トランスミッション、ブレーキが常に最適な温度範囲内で作動し続けることを保証するデザインとした。さらに、サイド・スカート・エクステンションや、モデル専用のルーフスポイラー、ディフューザー・インレイ付きのリアバンパーも装備している。

 水平のダブル・バーを備えたキドニーグリルには「M」のロゴがあしらわれるほか、ツイン・ストーク・デザインの黒い「Mエクステリア・ミラー・キャップ」が高いステータス性を誇示。リアエンドには、直径80mm×4本出しの専用エグゾースト・テールパイプが組み込まれる。

 直径19インチのツイン・スポーク・デザインのMライト・アロイ・ホイールを標準装備し、専用のツイン・スポーク・デザインの20インチMライトアロイ・ホイールとスポーツタイヤは、いずれもオプションとなっている。

 コクピットデザインもMモデル専用で、アルカンターラで覆われたインストルメントパネル、アルミニウム・ヘキサキューブ・ダーク・インテリア・トリム・エレメント、アンスラサイト・カラーのヘッドライナー、Mドア・シル・トリム、Mペダル、M専用グラフィックのBMWカーブド・ディスプレイ(オプションでヘッドアップディスプレイも追加可能)、パドルシフト付きMレザー・ステアリングホイールなどを装備している。

BMWカーブド・ディスプレイは、10.25インチのインフォメーション・ディスプレイと対角10.7インチのコントロール・ディスプレイで構成される

 前席は、ブルーのコントラスト・ステッチを施したブラックのセンサテック/アルカンターラ・スポーツ・シートが標準装備となり、オプションでヘッドレスト一体型、バックレスト上部にはイルミネーション付きのMロゴが配され、ダイヤモンド・キルティングが施されたヴェルナスカ・レザーのシート(運転席のメモリー機能付き)も選択できる。

 また、リアシートバックレストは4:2:4に分割して折り畳め、各部の傾斜角度を個別に調整することも可能。オプションのリアシートの前後調整機能により、さらに多彩なアレンジも可能としており、トランク容量は540Lから最大1600Lまで拡大できるとした。

 オプションの「Mスポーツ・パッケージPro」を選択すれば、Mハイグロス・シャドーライン・エクステリア・トリムと、エクステリア・エレメント、Mライト・シャドーラインが追加されるほか、レッド・キャリパーのMスポーツ・ブレーキ・システム、Mスポーツ・シート、Mシート・ベルトも装備される。

前席
後席

 最新世代の直列4気筒2.0リッターガソリンエンジンは、ミラーサイクルの採用、インテークポートと燃焼室の再設計、カムシャフトタイミング、インジェクション、点火システム、排出ガス・ルーティングの変更のほか、新しいクランクシャフト、ピストンへの最適化された冷却用オイル供給システム、最新世代の直列6気筒ガソリンエンジンから引き継がれたメインベアリングシェルとキャップなど、さまざまな革新技術によって前世代とは一線を画したMモデル特有の魅惑的なパフォーマンスを生み出すという。

 また、Mツインパワー・ターボ・テクノロジーは、ターボチャージャー・システムと間接的なチャージエア冷却の性能を向上させると同時に、負荷ポイントに応じて混合気を調製する「デュアル・インジェクション」を新たに導入。さらに、アクチュエーターへのオイル供給を最適化した「VANOS可変カムシャフトタイミング」と「VALVETRONIC完全可変バルブタイミング」を装備し、5750~6500rpmで最高出力を発生し、ピークトルクは2000~4500rpmで400Nmを発生する。

 なお、最高出力は欧州仕様が221kW(300PS)で、米国およびその他の特定市場ではさらに高い233kW(317PS)を発生。0-100km/h加速は5.4秒、最高速は電子制御により250km/hに制限されるという。

Mスポーツ・ブースト機能を搭載

 組み合わされる7速ステップトロニック・トランスミッションは、ステアリングに装備されたパドルシフトで操作が可能なほか、左側のパドルシフトを1秒以上引くと、すべてのパワートレーンとシャシーシステムが最もスポーティな設定に切り替わる「Mスポーツ・ブースト機能」も搭載している。

 機械的に制御された可変ダンパーと周波数選択式ダンパーによって、俊敏性と長距離走行時の快適性の両方にメリットをもたらす「アダプティブMサスペンション」を標準装備していて、路面の小さな凹凸を吸収する快適なレスポンスとダイナミックな走行状況でのスポーティなダンパー特性を兼ね備えているという。車高は「M専用シャシー・テクノロジー」により標準モデルより15mm下げられ、同様に標準装備されるスポーツ・ステアリングは、車速感応式パワー・アシストとレスポンスのいいギヤ比が組み合わせられている。

 搭載される統合ブレーキシステムは、ドライバーの入力に正確にマッチした制動力を生み出すと同時に、ブレーキペダルから優れたフィードバックを提供するだけでなく、「ブレーキ・アクティベーション」「ブレーキ・ブースター」「ブレーキ・コントロール」の各機能をコンパクトなモジュールにまとめ、必要なブレーキ圧は電動アクチュエーターが発生。BMW Mのパフォーマンス・モデルとして初めて「Mコンパウンド・ブレーキ」をオプション設定し、フロントに385mmのドリルド・ディスクを備えた4ピストンブレーキキャリパー、リアにパーキング・ブレーキと330mmのディスクを統合したシングル・ピストン・フローティング・キャリパー・ユニットを装備する。

 インナー・ベンチド・ブレーキ・ディスクは、グレーの鋳鉄製リングとアルミニウム製チャンバーで構成し、Mコンパウンド・ブレーキは、非常に快適なブレーキング、優れたフィーリング、そして高負荷時でも安定した制動力を発揮するという。さらに、従来のブレーキシステムと比べて重量が最小限に抑えられ、バネ下質量が大幅に低減するほか、ブレーキキャリパーには「M」のロゴが入る。

 トラクション・コントロール機能がエンジン・マネージメントと統合されたことで、DSCコントロールユニットまでの長い信号経路が不要となり、補正入力が従来のシステムよりも最大10倍速くなっているほか、アクチュエーターに近いホイール・スリップ制限により、滑りやすい路面でも最適なトラクション、ハードな加速でも揺るがない直進安定性、コーナーでの優れた方向安定性を実現した。

 また、「iDrive with QuickSelect」「BMWオペレーティング・システム9」も最新バージョンへとアップデートされ、数多くの機能やデジタル・サービスをより直感的かつ快適に選択・操作できるようになったほか、新設計の「ホーム・スクリーン」「クイック・セレクト機能」を搭載し、適切な情報を適切な場所に表示させ、運転の集中力を高め、確実なドライビング体験を両立させたとしている。