ニュース

ボルボの世界初EV特化型ブランド発信拠点「Volvo Studio Tokyo」は、AR技術でEVについて学べる施設だった

2023年4月8日 オープン

入場:無料

ボルボのブランド発信拠点「Volvo Studio Tokyo」では、AR技術を使いEVに関する知識を簡単に学べるようになっている

 ボルボはブランド発信拠点「Volvo Studio」を、ストックホルム(スウェーデン)、ニューヨーク(アメリカ)、ミラノ(イタリア)、ワルシャワ(ポーランド)、上海(中国)、そして東京(日本)と世界に6店舗展開している。

 日本ではボルボ・カー・ジャパンが、2017年に「Volvo Studio Aoyama」としてオープンしていたが、今年の4月に世界で初めてとなるEV(電気自動車)特化型の「Volvo Studio Tokyo」としてフルリニューアルオープンしている。今回は特別に施設内のサービスを体験できる機会を得た。

ディーラーではないので大きなブランドサインも掲げていない

「Volvo Studio Tokyo」の大きな特徴は、自動車を販売する“ディーラーではない”こと。そのため販売員はおらず、ボルボブランドとEVとスウェーデンカルチャーに精通した「ブランド・アンバサダー」が数名常駐するだけとなる。ボルボは、「誰でも気軽に足を運んでほしい」とアナウンスしていて、EVやスウェーデン、サステナビリティなどに興味があるだけの人でも大歓迎という。

 実際に店舗に入ってみるとカフェカウンターがあり、カフェやホテルのラウンジのようなたたずまいで、商談コーナーも自動車用品が売っているコーナーもない。展示している自動車は、現在日本に導入されているBEVモデル「XC40 RECHARGE」「C40 Recharge」がそれぞれ2台ずつのみ。もちろん展示車なので乗り込むこともOKだが、置いてある目的は他にある。その目的(サービス)を体感するには準備が必要となるが、施設入り口にある「専用アプリ」と「Wi-Fi接続」のQRコードを読み取るだけでOKとかんたん。これで施設内のバーチャルツアーを楽しめる。

展示車両はそれぞれ異なる役割が与えられている
AR技術ではないが実車に載ってバーチャルドライブを楽しめる1台も設置

 1台はボルボがいち早く導入した「グーグルアシスタント」を体感できるもので、地図や音楽配信サービスはもちろん、車内では手元のスマホの画面に表示された指示どおりに「OK、グーグル。○○をして」と語りかけるだけで、音楽をかけたり、近くのカフェを教えてくれたり、車内から家の電気をつけるといった体感ができた。記者はカーナビに語りかけると「聞き取れませんでした」と返されることが多いのだが、ここでは1回ですんなり伝わってちょっとうれしかった。

スマホの画面に「OK、グーグル。○○をして」とサンプルワードが5つほど表示される
近隣の情報も手放しで確認でき、とても便利だと感じた

 もう1台は、ボルボの特徴的なヘッドライトについてAR技術で楽しく学べるもの。現在のボルボの大きな特徴の1つでもあるハンマー型のヘッドライトは、「トールハンマー」と呼ばれ、雷の神トールが持つハンマーをイメージしているという。他にも「ピクセルLEDヘッドライト」の解説なども読める。

ボルボの特徴的な「ハンマー」型のヘッドライトについて学べる1台
同行者にハンマーを持ったポーズしてもらい撮影を楽しむことも可能

 続いて別の1台は、ボルボの「サステナビリティ」に関する取り組みをクイズ形式で教えてくれるもの。クイズは全5問で2択式。回答後には詳しい解説が表示され、取り組み内容の詳細も学べる。また、クイズは今後内容を入れ替えていく予定とのことなので、何度もチャレンジすればEVの知識を高められるだろう。

サステナビリティに関するクイズは全5問
クイズに回答するのと同時に実車で感触を確かめることも可能

 また、この1台はもう1つの仕掛けがあり、AR技術によって空中に浮かんでいる「石」をタップすると、ボルボのEVに備わっている快適機能などの解説を行なってくれる。すべての解説を聞き終わると……。展示車両のまわりに見事な「石庭」が浮かび上がる仕組みになっている。石庭の仕上がりは、ぜひご自身の目で確認していただきたい。

浮かんでいる「石」をタップすると地面に落ちるギミック
ボルボのEVに備わる機能を紹介してくれる

 最後の1台は、実際にクルマに乗り込み、目の前にある大きなスクリーンに映像が映し出され、臨場感あふれるドライブ体験ができる「バーチャルドライブ」となる。スタートすると、スウェーデンのストックホルムの街並みを走行する画像とともに、スピーカーから解説が流れ、プチトリップ気分を味わえた。

目の前の大きなスクリーンに映像が流れる
約3分のストックホルムドライブを楽しめる

 冒頭で「ディーラーではない」とお伝えしたが、実はこの「Volvo Studio Tokyo」は実車の試乗もできるのも特徴の1つ。もちろんボルボ全車種ではなくBEVモデル限定。同乗するのは販売員ではなく、ブランドアンバサダーなので、クルマを売り込むことはしない。基本的に事前予約制となるが、平日は車両やスタッフがあいていれば施設の近隣を15分~20分程度乗れる場合もあるという。また、土日祝日は90分のロング試乗を設定していて、青山~お台場までの往路をアンバサダーが、復路を体験者が運転するプランを用意。もちろん、免許を持っていない場合はすべてアンバサダーが運転する体験試乗もOK。ボルボのクルマを「買う買わない」は関係なく、幅広く大勢の人にEVを体験してもらうのが狙いとなっている。

 また、建物自体が新築ということもあり、建築前から地下駐車場に給電設備の設置計画が盛り込まれ、地下1階には90kW×2のチャデモ(CHAdeMO)ポートと、6kWの普通充電×5を設置。現在ボルボBEVオーナー限定となるが、Webサイトから事前予約することで高出力の急速充電器を30分1500円で利用できるようになっている。なお、試乗と合わせて充電器を使ってみる体験も可能だ。

地下1階にあるボルボBEVオーナー専用の駐車場(予約制)
90kW×2口(最大180kW)だが、いずれは片側のみの使用なら150kWで給電できるようにする計画もあるという

 また、給電中は1階にあるカフェスペースで、「Stockholm Roast」の豆を使用したコーヒーをはじめ、飲み物をセルフで楽しめるサービスも用意。これは“コーヒーをお供に大切な人とゆっくりとした時間を過ごす”というスウェーデンの人たちが大切にしている習慣「Fika (フィーカ)」を体感してもらうのが目的となっている。近くに立ち寄った際は、ぜひ施設の最新AR技術とサービスを体験してみていただきたい。

スウェーデンの人たちの大切な習慣を「Fika」という
スウェーデンの名物スイートについても勉強できる

Volvo Studio Tokyo 概要

住所:東京都港区南青山3丁目1-34 「3rd MINAMI AOYAMA」1F(青山通り沿い)
営業時間:月曜~金曜 12時~19時、土曜・日曜・祝日 10時~19時
定休日:毎週水曜日、第1・第3火曜日
電話番号:03-6773-1353